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鍼灸科コラム 『リウマチの鍼灸治療』 by笹尾先生

鍼灸科

2017.11.10

あったかいお鍋が恋しい季節ですね☆

鍼灸 鍼灸師

みなさん、こんにちは。鍼灸科教員の笹尾です。

寒くなると関節が痛むという人が増えてくると思います。
関節に痛みがあると動くのも辛いし、不便ですね。

その関節の痛みが365日、あちこちいろんな場所に起こるとしたら、本当に辛いですよね。

今回はそんな辛い関節の痛みを引き起こす「関節リウマチ」という病気とその鍼灸治療の効果をご紹介します。

○関節リウマチとは

関節リウマチとは、免疫の異常により主に手足の関節が腫れたり痛んだりする病気です。

身体にはもともと、外部から入ってきた細菌やウイルス、異物を攻撃したり、排除したりする仕組みが備わっています。
しかしその免疫の働きがなんらかの原因により、誤作動を起こし、
自分の身体にある正常な骨や軟骨を「異物」とみなして攻撃して破壊してしまうという病気が
この関節リウマチという病気です。

攻撃された関節は徐々に破壊されて変形し、動かせなくなってしまいます。

また破壊される過程で、関節に炎症や強い痛みが起こるため、
ドアノブをまわす、ジュースのフタを開ける、蛇口をひねるといった日常の動作に支障が出て行動が制限されます。

○リウマチと鍼灸治療

リウマチによる関節の腫れや痛みに対する鍼灸の効果はWHO(世界保健機構)でも認められており、
実はリウマチの症状を改善するために鍼灸治療を受けているという人は結構多いのです。

鍼には「鎮痛(痛みをおさえる)」「消炎(炎症をしずめる)」効果があるため、
リウマチによる関節の腫れや痛みを楽にし、日常生活におけるストレスを軽くすることができます。

鍼灸治療に加え、自宅でできるケアとして「ツボ」を刺激することも効果的な方法の一つです。
リウマチの症状を緩和するために効果的な「ツボ」を紹介します。

●肘の痛み
【肘髎(ちゅうりょう)】

鍼灸 鍼灸師

ツボのとりかた:肘を曲げたしわの外側から肩へ向かって親指1本分のところ。

●手首の痛み
【陽溪(ようけい)】

鍼灸 鍼灸師

ツボのとりかた:手首の関節、親指のつけねのクボミ。

●手指の痛み
【八邪(はちじゃ)】

鍼灸 鍼灸師

ツボのとりかた:手の甲側でみずかきのところ(片手で4箇所ずつ)

●膝の痛み
【内膝眼(ないしつがん)・外膝眼(がいしつがん)】

鍼灸 鍼灸師

ツボのとりかた:膝のお皿の下のくぼみの外側が「外膝眼」・内側が「内膝眼」

● ツボは押したときに痛気持ちが良いような感覚があるところを押さえます。
※強すぎる刺激は禁物です。
● ひとつのツボに対して5~6秒程度、息を吐きながらゆっくり押していきましょう。
● 強い痛みや炎症がある場合は患部の刺激は避けましょう。
● 発熱時や血圧が高いとき、傷のある部分はツボ押しを避けてください。

関節リウマチの患者数は日本全国で70万人ともいわれており、
厚生労働省の調査によると一年に1万5000人が新たに発病しています。

関節リウマチで大切なことは、なるべく初期の段階で炎症を抑えて、
関節の破壊を進行させないようにすることです。

また治療の過程では、薬の副作用でおこる身体の不調、
病気に対する不安や毎日の痛みによるストレスもケアしていかなくてはなりません。

そんなときに「東洋医学」という選択肢があることを是非、知ってほしいと思います。

東洋医学のひとつである「はり」や「きゅう」による治療は、
リウマチによる関節の炎症を抑えて痛みを楽にしてくれるだけでなく、
患者さんの不安やストレスによっておこる様々な体調不良(肩こりや頭痛、胃腸障害、不眠など)を整えることもできます。

また患者さんが日常生活の中でできる食事やツボ押しのアドバイスなどを通じて治療に来られた時だけでなく、
日常生活の中で、ご自分でも身体の不調や痛みのケアできるようサポートします。

関節リウマチは経過が長くなることが多いので、
患者さんも、患者さんを支えるご家族さんや周りの方も根気強く治療に当たっていく必要があります。

その中で、患者さんの痛みやストレスを少しでも軽減しながら、
辛い時期をうまく乗り越えていけるよう、
東洋医学の治療を是非お役立てください。

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