>>ISPOの目的と国際的活動

ISPOは、これまでWHOなどの国際組織との連携を保ち、義肢装具・リハ工学の専門家集団としての諮問団体としての役割を果たしてきた。しかし、開発途上国における義肢装具サービスの向上に具体的で積極的な役割が期待されよう。
開発途上国においては、2000年までに200万人の子供が新たに脊髄性小児麻痺に罹患すると予測される。また、最近の開発途上国における切断者の数は350万人、また、癩による足部変形で靴型装具を必要とするのが1,100〜1,200万人と推測されている。義肢装具士一人でサービスできるのは1,000人のニーズに対応できるだけで、これには2万人の訓練された人々が必要となる。しかし、会員費により運営されているISPOには残念ながら、この教育の場を積極的に具体化する経済基盤がない。現実に、アジアの開発途上国のコンサルタントとして過去20年近く地域に足を踏み入れた知見からすると、「国連・障害者の10年」がその国の障害者に何をもたらしたか、胸が痛む思いがする。辛い本年より「アジア太平洋障害者の10年」がスタートした。アジアの障害者への義肢装具サービスは、主としてICRC、WOCなど海外からのNGOグループにより支えられてきた。しかし、いずれも一時的な経済的な援助を基盤としたもので、果たして、恒久的にその地域の障害をもつ人々のニーズに合い、社会参加を進めていけるか大きな疑問が残る。経済大国としてのわが国が、このアジアの地域の障害をもつ人々への具体的な施策として最も効果をあげうるものは、3年制の義肢装具士の養成施設と義肢装具のパーツ、材料を生産支給するサービスであろう。これには、タンザニアなどで多くの経験をもつISPOによる教育カリキュラムの標準化が必要である。これとともに、WHO、ICRC、WOC、ILOなど多くの国際機関の協力と認知のもとにすすめてこそ、効果が上がるといえる。今後の国際的な立場でのわが国のリーダーシップを期待したいものである。
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