
介護や医療の現場で、相談者やその家族の支えとなる“ソーシャルワーカー”。
今回は、ソーシャルワーカーになるために必要な資格と、取得までの流れについて解説します。また、資格を取るメリットや、資格なしでソーシャルワーカーを目指したい場合の要件についてもまとめました。
ぜひ参考にしてみてください。
さらに、合格後の進路についても解説しているので、今後の進路に役立ててください。
目次
そもそもソーシャルワーカーとは
ソーシャルワーカーとは、心身に抱えるハンデによって日常生活が困難な人に対し、相談や支援を行う専門職です。
当人からの相談だけではなく、病院や施設などの機関と連携を取ったり、家族を含む周囲の人々との調整を行ったりと、幅広くサポートを行います。
また、ソーシャルワーカーは、さまざまな現場で支援を行う人の総称であり、資格の名前ではありません。
介護分野では“生活相談員”や“支援相談員”、医療機関では“医療ソーシャルワーカー”、教育機関では“スクールソーシャルワーカー”など、働き先によって呼び名が変わります。
ソーシャルワーカーとは|その役割や資格、年収などについて解説
ソーシャルワーカーに必要な資格は?
ソーシャルワーカーとして働くには、厳密には資格は必要ありません。
しかし、一般的には
- 社会福祉士
- 精神保健衛生士
- 社会福祉主事
これらの資格の取得が推奨されています。それぞれの資格を取得する方法について見ていきましょう。
社会福祉士
社会福祉士の国家資格を受験するためには、以下の受験資格のいずれかを満たす必要があります。
社会福祉士国家試験の受験資格
- 4年制の福祉系大学で全てのカリキュラムを修了する
- 4年制の大学を卒業したあと一般養成施設に1年以上通学する
- 3年制または2年制の短大・専門学校を卒業したあと一定期間の相談業務を経験する
- 相談補助実務に4年間携わったあと一般養成施設に1年以上通学する
など
上記は大きく分けた受験資格で、細かく分けると12パターンの受験資格が存在します。自身の学歴や職歴と照らし合わせ、最短で受験資格を得られるルートを確認しましょう。
精神保健衛生士
精神保健衛生士の国家資格を受験するためには、以下の受験資格のいずれかを満たす必要があります。
精神保健衛生士国家試験の受験資格
- 4年制の福祉系大学で全てのカリキュラムを修了する
- 3年制または2年制の短大・専門学校を卒業したあと一定期間の相談業務を経験する
- 4年制の大学を卒業したあと一般養成施設に1年以上通学する
など
上記と合わせて8パターンの受験資格が存在しますが、大きく分けると「大学で指定科目を履修する」「大学や短大で指定科目を履修したあと実務を経験する」「養成施設に通う」という3つのルートになります。
ソーシャルワーカーとは|その役割や資格、年収などについて解説
社会福祉主事
社会福祉主事は国家資格ではなく、福祉事務所で働く際に要求される”任用資格”です。つまり、資格を取得したのちに当該の職務を任された際に効力を発揮するということ。
社会福祉主事という役職に任命されてはじめて、社会福祉主事を名乗ることができます。
社会福祉主事の資格を受験するためには、以下の受験資格のいずれかを満たす必要があります。
社会福祉主事試験の受験資格
- 大学または短大で3つのカリキュラムを修了する
- 福祉系の短大を卒業したうえで福祉の現場で1〜2年働く
- 一般の4年制大学を卒業したうえで一般養成施設に1年以上通う
- 一般の短大を卒業したうえで福祉の現場で1〜2年働き、一般養成施設に1年以上通学
- 社会福祉士、精神保健福祉士の国家資格を取得する
ソーシャルワーカーとしての資格を取るメリット
ソーシャルワーカーとして働くために、社会福祉士や精神保健衛生士などの資格を取ることには、以下の4つのメリットがあります。
- 学んだ知識を現場で活かせる
- 資格手当がもらえることがある
- キャリアアップしやすい
- 就職や転職に有利
学んだ知識を現場で活かせる
資格を取るまでの間には、大学や専門学校での座学や実習で多くの知識を身につけます。これらの知識は確実に現場で活かすことができるため、より相談者に寄り添ったサポートが行えるでしょう。
また、資格を持っていることで相談者やその家族から信頼が得やすくなることがあります。目に見える形でその分野のプロであることを証明するものとして、資格を取得するのも一つの観点です。
資格手当がもらえることがある
働き先によっては、国家資格を持っていることで資格手当がもらえることもあります。
資格手当の平均は月額で約10,000〜20,000円と言われていますが、30,000円程度の大きな額をてあとしてもらえる勤務先もあります。年収で計算すると資格手当があるのとないのとでは大きな差になります。
キャリアアップしやすい
生活相談員や支援相談員などとして、ソーシャルワーカーの仕事に5年以上就いていれば、ケアマネージャーの試験の受験資格が得られます。
厳密には生活相談員などの資格がなくてもソーシャルワーカーとして5年間働けばケアマネージャーを目指せますが、資格がない状態で5年間働くのはあまり現実的ではありません。
キャリアアップのためにまずはソーシャルワーカーとして必要な資格を取ることを視野に入れましょう。
また、ケアマネージャーになる以外にも、資格を持っていることでチームリーダーのような立ち位置を目指しやすくなります。
就職や転職に有利
国家資格を持っていることで、就職や転職に有利になります。
資格が必須ではないソーシャルワーカーですが、取得を推奨されている、もしくは面接の際に資格の有無を聞かれることも多くあります。
資格は知識の証明にもなるため、取っておくことをおすすめします。
資格なしでもソーシャルワーカーになれる要件
前述した通り、ソーシャルワーカーに資格は必須ではありません。
資格や経験がない状態でソーシャルワーカーになりたい場合は、デイサービスや特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホームにおいて相談を受ける“生活相談員”がおすすめ。
各自治体が儲ける資格要件を満たすことで、生活相談員を目指すことができます。
例として、東京都の生活相談員の資格要件は以下の通り。
- 介護支援専門員
- 特別養護老人ホームで介護の提供に係る計画の作成に関する実務経験が1年以上ある
- 老人福祉施設の施設長をしていた経験がある
- 介護福祉士の資格を有し特定の施設や事業所で介護に関する実務経験が1年以上ある
参考:通所介護及び短期入所生活介護事業所における生活相談員の資格要件について
これらのいずれかを満たせば生活相談員を目指せます。中でも資格が必要ない要件は2と3です。
要件は各自治体で異なるため、チェックしてみてください。
まとめ
以上、ソーシャルワーカーに関する資格についてでした。
ソーシャルワーカーになるには、社会福祉士や精神保健衛生士などの資格を取得しておくのが良いということがわかりましたね。
神戸医療福祉専門学校では、ソーシャルワーカーとして働くのに役立つ精神保健福祉士の資格をはじめ、介護福祉士・作業療法士・理学療法士など、福祉や医療に関する資格取得を目指すことができます。
福祉や医療の業界に興味のある方は、資料請求やオープンキャンパスへのお申し込みをぜひお待ちしております。
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