
義肢装具士の給料は本当に低いのでしょうか?
義肢装具士の給料は、専門的なスキルや経験、勤務地によって異なりますが、安定した収入が見込める職業です。働き始めた時の年収は他職種と比べて群を抜くほど高いわけではありませんが平均年収は300万〜400万円程度です。ですが、経験を積み、技術を向上させることでさらなる収入アップが期待できます。特に、3Dスキャナーや3Dプリンターなどのデジタル技術を活用することで、義肢装具の製作プロセスが大幅に効率化されます。これにより製作時間の短縮やコスト削減が可能となり、より多くの患者様に迅速に対応できるようになるため、将来の可能性が広がっています。
また、義肢装具士は、患者様に直接寄り添うことで、生活の質を向上させるという社会的に貢献度の高い仕事です。高齢化が進む現代では義肢装具の需要はさらに高まると予想され、将来にわたって安定した職業といえるでしょう。さらに、技術の進歩に伴い、新しい治療法や装具が次々と開発されているため、常に学び続けることが求められますが、それが自分自身の成長にも繋がる魅力的な職業です。
義肢装具士ってつらい?
義肢装具士という職業を調べると、「つらい」という言葉が出てくることがあります。
確かに、やっとの思いで製作した義足が足に合わなかったり、患者様とコミュニケーションをとるうえで大変なことは少なくありません。しかし、義肢や装具を通じて、患者様が新たな一歩を踏み出す瞬間に立ち会えることは、義肢装具士ならではの魅力です。
義足を装着した患者さんが笑顔を見せてくれたり、生活の中でできることが増えたりすると、心からの喜びを感じます。つらいと感じる場面は、誰かの生活を支え、希望を与えるための一部です。つらい事もたくさんありますが、喜びも多い職業が義肢装具士なのです。


10年後、義肢装具士っているの?
今、AIやロボットなど最新の技術が日々進歩を続けています。
無人のコンビニエンスストアなどの実証実験もおこなわれおり、将来なくなってしまう職業が出てくることも囁かれています。
義肢装具の業界においても3Dスキャナーや3Dプリンターなどが使用され始め、ギプス包帯を使用しての採型や石膏での修正が必要なくなりパソコン上で作業できるようになってきています。
義肢装具士という職業も将来なくなってしまうのでしょうか?
2014年オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授らによって発表された「雇用の未来」という論文でこんな論文が発表されています。
その論文には義肢装具士は将来なくならい職業で、702職種中『7位』に入っています!
それは、なぜか…..?
ロボットやAIは便利なものに違いありません。
しかし、3Dスキャナーを使用するにも何を作りたいのかといった専門知識が必要になります。つまり、「これまで石膏で製作したものを3Dスキャナー等を使うことになる」と言うことです。義肢装具をそれぞれの人に合わせ調整するというのは、義肢装具士にしかできないことです。
だから、義肢装具士という職業は将来的にもなくなりません。
患者様と医療従事者コミュニケーションをとりながら、その人に合ったものを作る仕事『義肢装具士』。
みなさんも目指してみませんか?
義肢装具士って残業多い?
現在はデジタル化や働き方改革などもありますので、義肢装具士の仕事は「年中残業がある」と言う状況ではありません。また、フレックス制度を導入する会社があるなど、業務時間を減らそうとする動きもあります。その成果が実際にあらわれている義肢装具会社もあります。しかし、義肢装具士は患者様に対応する職業です。時に残業が発生することがあります。残業があるということは、それだけ「義肢装具を必要としている人達がこの世の中にいる」ということです。そして、これらを提供する義肢装具士も、まだまだ必要とされていることを示しています。
私たちの仕事は、そういった人々に寄り添いサポートする仕事です。ただの物作りの職業ではなく利用者の身体の一部として、毎日の生活を支え、長い人生を共に過ごすという他にない、やり甲斐のある職業です。
夏休みなどの長期休暇には、学校へ通う子供たちの装具修理や再製作の依頼が多くなることもあります。
そんな時に発生する残業は「ただの時間の延長」ではなく、「利用者の笑顔を生み出すための大切な時間」なのです。
私たち義肢装具士は身体的な障害を持つ方々が自立し、より良い生活を送るためのサポートを行います。利用者のニーズに応じた義肢や装具を設計・製作することで、彼らの生活の質を向上させることができるのです。この仕事には、技術的なスキルだけでなく、深い人間理解と共感も求められます。
就職先を選ぶ時に残業の有無や、残業したあとの対応にも注目し会社選びをすれば、納得のいく職場を探せるかもしれません。
義肢装具士としてのキャリアは、あなたの情熱と努力によって、無限の可能性を秘めています。私たちと一緒に、未来を支える仕事に飛び込んでみませんか?


義肢装具士には男性が多いってホント!?
義肢装具士は、人々が失った自由を取り戻すためのサポートをする専門職です。身体に障害を持つ方々が再び歩くことや、日常生活を送ることを可能にし、その人々の未来を形作る重要な役割を担っています。
義肢装具士の世界では、これまで男性が多く活躍してきました。その主な理由として、この職業が体力を要する側面や、技術的な作業に重点が置かれていたことが挙げられます。義肢や装具の製作や調整は、力を使ったり、精密な作業を行うことが求められるため、従来は男性向けの職業として認識されることが多かったのです。
しかし、近年では医療技術の進化や義肢装具のデザインがより高度化・多様化し、体力に頼るだけではなく、患者とのコミュニケーションや、個々のニーズに細やかに対応する能力が重視されるようになりました。また、義肢装具士は患者に直接触れ、装具の装着を助ける場面も多く、特に女性や子どもの患者様に対しては、同性の専門家がいることで安心感を得られることが増えています。そういった理由からも、近年は女性の義肢装具士が少しずつ増えてきました。
「義肢装具士白書2022」より引用
義肢装具士のキャリアパスは非常に幅広く、多くのスキルが求められる専門職です。義肢や装具の設計や適用には、解剖学やバイオメカニクス(生体力学)の知識に加えて、患者一人ひとりの生活スタイルや体型、そして心理的なサポートまで考慮する必要があります。特に、女性が持つとされる細やかな気配りや、相手の感情に寄り添う共感力は、義肢装具士としての重要な強みとなります。
例えば、義肢や装具を患者に提供する際、身体的なニーズだけでなく、患者が感じる不安や悩みに寄り添い、安心感を与えることは非常に大切です。女性の持つ優れたコミュニケーション力や共感力は、患者との信頼関係を築き、装具が身体にどうフィットするかだけでなく、患者の心にもフィットするようなケアを提供するのに役立ちます。また、繊細な調整やデザインの面でも、女性ならではの感性が発揮され、特に女性や子供の患者に対して適切なサポートを行う場面が増えています。
側彎症(思春期に多い脊椎が曲がる病気)など女児に多い疾患のケアにおいても、女性の専門家が求められることが多く、また女性ならではの繊細な感性が装具のデザインや調整においても高く評価されています。このように、義肢装具士の仕事は、男女ともに活躍できる場であり、女性が特に必要とされるシーンも増え続けています。
しかしながら、グラフからも分かる通り女性の義肢装具士はまだ全体の2割程度と大変少ない状況です。高いニーズがあるにも関わらずまだまだ足りておらず、求められる職として女性の義肢装具士が増えていく事は社会的にも求められているのです。
もしあなたが、人々の生活をサポートし、自立を助ける仕事に興味があるなら、義肢装具士という選択は非常に魅力的なものです。女性として、この職業でしか発揮できない細やかな気配りや共感力を活かし、患者様の心に寄り添うことで、身体だけでなく心のケアも行うことができます。義肢装具士は、ただ技術を提供するだけでなく、人々の人生に大きな影響を与える職業です。
さらに、義肢装具士としての学びは、あなた自身を成長させるだけでなく、未来の医療に貢献する大きな可能性を秘めています。最先端の技術と人に寄り添う温かさを併せ持つこの仕事は、性別を問わず挑戦できるフィールドです。あなたもその一員として、多くの患者さんの未来をサポートしませんか?
一歩踏み出すことで、今まで想像もしなかった自分の新たな可能性が見えてくるはずです。あなたの力が、この分野で必要とされています。
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