アスレティックトレーナーは選手をサポートしたり、ケガの予防をしたりするために欠かせない職業です。
スポーツ業界に携わりたいと考えている方は「アスレティックトレーナー」という言葉をご存知かもしれませんが、具体的にどのようなことをするのか知らない方も多いでしょう。
そこでこの記事では、アスレティックトレーナーの仕事内容や、必要な資格などがあるのか解説します。またスポーツトレーナーとの違いも紹介しているので参考にしてください。
目次
アスレティックトレーナーとは?
アスレティックトレーナーはスポーツ業界でどのような役割を果たしているのでしょうか?
またスポーツトレーナーとの違いはどこにあるのかを見ていきます。
アスレティックトレーナーは
アスレティックトレーナーは選手の健康管理や、ケガした際の応急処置など、さまざまなスポーツ現場で活躍する職業です。
アスレティックトレーナーの中にはプロチームの専属として契約し、一流選手を体力面やメンタル面など総合的に支えている方も。
選手が重要な時期にベストコンディションになるようサポートする仕事なので、メディカル関連の専門知識も求められます。
スポーツトレーナーの違い
スポーツトレーナーはアスレティックトレーナー同様、選手のケガ予防やコンディションの調整を行います。
ただし、アスレティックトレーナーのほうがスポーツトレーナーよりもさらに一歩踏み込み、リハビリやケガの応急処置など医療分野に関わるというところが大きな違いです。
またアスレティックトレーナーは、選手が服用している薬にドーピング禁止薬物が入っていないかの確認を行うのも仕事です。
さらに健康面だけではなく、選手のメンタル面のケアも担当します。
アスレティックトレーナーの仕事内容は7つ
アスレティックトレーナーの仕事内容は以下の7つです。
- 健康管理を行う
- ケガに対するリハビリテーション
- メンタルケアやコンディションのサポート
- ケガの予防
- ケガに対する応急処置
- 総合的な体力測定と判定
- スタッフへの教育指導
それぞれ詳しく見ていきましょう。
仕事内容①健康管理を行う
選手のケガや病気にならないためのトレーニングメニューを組むことも仕事のうちのひとつで、食生活や生活習慣など、コンディショニングの向上や維持のためにサポートします。
中でも重要なのがドーピングコントロールです。ドーピングコントロールとはドーピングを行ったかどうかの検査に関連した一連の流れのこと。
アスレティックトレーナーはドーピング検査に関する知識も必要となります。
仕事内容②復帰できるようにリハビリテーションする
ケガした選手を復帰するまでリハビリテーションするのも仕事のうちのひとつで、「アスレティックリハビリテーション」とも呼ばれています。
ケガだけではなく、疾病や外傷性後遺症などによりスポーツを休止・制約している選手に対してリハビリテーションをします。
リハビリテーションで復帰したとしても、後遺症や再発防止のための指導を行うのが仕事です。
仕事内容③メンタルケアのサポート
「心身一如(しんしんいちにょ)」と言われるように身体と精神はつながっており、アスレティックトレーナーの仕事内容にメンタルケアのサポートもあります。
最先端の医科学サポートやトレーニングをしていても、選手の心が整っていなければ良い結果につながりません。
アスレティックトレーナーは選手のストレスや精神的な悩みを解決するために、親身に寄り添うことも大切です。
仕事内容④ケガの予防
トレーニング前や試合の前後に、ケガをしないよう必要であれば選手にテーピングしたりサポーターを装着させたりします。
ケガを未然に防ぐこともアスレチックトレーナーとして重要な仕事です。
また夏場は熱中症、冬場は体が硬くなりケガにつながりやすくなるため、その都度トレーニングメニューを変えながら選手をサポートします。
仕事内容⑤ケガに対する応急処置
選手がトレーニングや試合中にケガをしてしまったら、症状を最小限に留めるために救急処置やサポートを行います。
ケガの程度を診て、救急車を呼ぶなどの判断もしなくてはなりません。
またアスレティックトレーナーは万一脳震盪や心臓発作が起こったときでも、気道の確保や心臓マッサージに対応できるよう、知識や技術を備えておく必要があります。
仕事内容⑥総合的な体力測定と判定
アスレティックトレーナーは選手の検査・測定による評価を行います。
これは選手に対して、効果的なトレーニングや正確なケアを行うために必要な情報です。
主に以下のような検査や測定を行います。
- 筋力・持久力検査
- 姿勢身体アライメントのチェック
- 関節可動域検査
- 全身持久性検査
- 運動機能の敏捷性(びんしょうせい)
- 身体組成の検査
- スポーツ動作の分析
選手の問題点を抽出することで、今後のトレーニング内容やメニューを提案できるため、検査や測定は重要な仕事内容となります。
仕事内容⑦スタッフへの教育指導
プロスポーツチームは多くのスタッフで構成されており、組織として働きます。
スタッフに対しても健康管理に関する情報提供を行ったり組織運営のためのデータ管理などを作成したりするのも仕事のうちのひとつです。
アスレティックトレーナーは選手のケアだけではなく、スタッフにアドバイスやカウンセリングも行います。
アスレティックトレーナーが目指せる就職先を紹介
アスレティックトレーナーになることで、どんな働き方ができるのかを紹介します。
主に以下の就職先を詳しく解説します。
- プロスポーツチーム
- パーソナルトレーナー
- 整骨院や鍼灸院
プロスポーツチーム
Jリーグやプロ野球チームなどのプロチームと契約し活動します。
アスレティックトレーナーを目指しているなら、憧れのプロスポーツチームに入りたいと思っている方も多いでしょう。
しかしプロスポーツチームと契約しているアスレティックトレーナーは数少なく、専属になるのが難しいといわれています。
そのため、大学や専門学校で運動生理学や機能解剖学などの専門知識を身につけ、医療機関や治療院などで実績を積むことが大切です。
パーソナルトレーナー
パーソナルトレーナーはマンツーマンでトレーニングを指導する職業です。
一人ひとり筋力や持久力が違うため、メニューを変えながら本格的にトレーニング方法を教えていきます。
パーソナルトレーナーは近年の健康ブームも手伝って、スポーツジムなどでの需要も増えています。
整骨院や鍼灸院などの医療機関
メディカル関連の専門知識を求められるアスレティックトレーナーですが、スポーツ現場に出ながら医療機関で勤務している方も多いようです。
特に整骨院や鍼灸院に通う患者はコンディショニングやケガ予防のために来院することも多いため、柔道整復師や鍼灸師はアスレティックトレーナーの仕事内容に通づるものがあります。
アスレティックトレーナーに必要な資格は?
アスレティックトレーナーになるために必要な資格はありません。
しかしプロスポーツチームやプロの選手に専属でつくためには、「日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー」の資格が必要になることがほとんどです。
日本スポーツ協会は合格率を公表しておらず、実際どのくらいなのかは分かりませんが、合格率が10%ほどともいわれるくらい難易度の高い試験を実施しています。
またそれ以外にアスレティックトレーナーとして有利になる資格は以下の通りです。
- 鍼灸師(はり師、きゅう師)
- 柔道整復師
- 理学療法士
- あん摩マッサージ指圧師
アスレティックトレーナーとして幅広く活躍したい方は、鍼灸師(はり師、きゅう師)や柔道整復師などの国家資格を取得していると独立開業や就職する際に有利です。
どちらも治療や術後のケアができるのと、医療機関でも活動ができます。鍼灸師になるための勉強方法を知りたい方は以下をご覧ください。
まとめ:スレティックトレーナーとして活動の幅を広げよう
アスレティックトレーナーはスポーツ選手のケガの応急処置やコンディションを整えるなど、重要な役割を行う仕事です。
選手にとってもアスレティックトレーナーはいなくてはならない存在であり、お互い信頼できる関係を築いていきます。
アスレティックトレーナーになるための資格は特に必要ありませんが、活動の幅を広げたいなら需要の高い鍼灸師の資格を取得するのがおすすめです。
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