「鍼灸師になりたいけど、取得にかかる費用が気になる・・・。」
そんな方のために、鍼灸師の資格である「はり師」と「きゅう師」を取得するまでに実際にかかる費用を解説。
養成学校の学費や国家試験の受験料、資格の登録申請料などその内訳についても詳しく紹介していきます。
目次
鍼灸師になるための資格とは?
鍼灸師となるのに必要な資格ですが、実は「鍼灸師」という名前の資格はありません。
鍼灸師となるには、「はり師」と「きゅう師」という2つの資格が必要です。
どちらも業務独占資格の形を取っていて、はり師であればはり業(鍼治療)、きゅう師であればきゅう業(灸治療)がそれぞれ行えるようになります。
別々の資格ではありますが、実際には両方の施術を行う人が多いため、鍼灸師となるにはどちらも必要な資格です。
はり師
「はり師」とは、取得することで鍼治療が可能となる国家資格です。
鍼治療とは、古代中国において「鍼術」として発祥した治療方法。
極細の針を身体に刺し、微小の刺激を与えることによって、痛みの緩和や、血行の改善などの効果が得られます。
主に、鍼治療で効果があると考えられている疾患は以下の通りです。
- 頭痛や片麻痺など神経系の疾患
- 関節症や関節リウマチなど運動器系の疾患
- 高血圧など循環器系の疾患
- 気管支喘息など呼吸器系の疾患
- 胃炎や便秘など消化器系の疾患
- 神経因性膀胱やEDなど泌尿・生殖器系の疾患
- 生理痛や不妊など婦人科系の疾患
- めまいや耳鳴りなど耳鼻咽喉科系の疾患
数千年という長い歴史を持つ鍼治療ですが、実は近年まで「なぜ効果があるのか」という医学的根拠は分かっていませんでした。
しかし、研究が進んだ現在では、鍼による刺激で神経系や内分泌系、免疫系などにあらゆる作用が働くことで、血行の促進や免疫力の向上、内臓機能の調整、鎮痛作用につながると考えられています。
きゅう師
「きゅう師」とは、取得することで鍼治療が可能となる国家資格です。
灸治療とは、鍼治療と同じく古代中国発祥の治療法。
「もぐさ」を皮膚の上に直接または間接物を噛ませて置き、それを燃やすことで発生する熱刺激によって、免疫力の向上や代謝の改善などの効果が得られます。
「もぐさ」とはヨモギの葉の絨毛を乾燥させて精製したもので、以下のような薬効成分が含まれているといわれています。
- 健胃作用
- 利尿作用
- 解熱作用
- 止血作用
お灸の効果は複雑な構造で作用すると考えられており、いまだにそのメカニズムは完全には解明されていません。
しかし、免疫機能や代謝機能などに効果があることがわかっていて、女性の方であれば冷え性や生理痛、不妊症などといった婦人科系の疾患にも効果が望めます。
また、健康と長生きのための予防医学として灸治療を受ける高齢者の方も多くいらっしゃいます。
薬を用いた治療と比べると副作用が少なく、安心して治療を受けられることも、鍼治療や灸治療の魅力の一つだといえるでしょう。
鍼灸師の資格を取得する方法
「はり師」「きゅう師」の国家試験を受験するには、厚生労働省と文部科学省が指定する大学や専門学校などの鍼灸師の養成校を卒業する必要があります。
養成学校では、「はり師」「きゅう師」の資格取得に向けた学習や、鍼灸師として働くために必要な鍼治療や灸治療に関しての知識とスキルを身につけることが可能です。
鍼灸師の養成課程は3年以上と定められているため、鍼灸師になるには最短でも3年間は学校に通う必要があります。
鍼灸師の資格取得にかかる費用①養成学校の学費
鍼灸師の養成学校は全国に80〜90校ほど存在していますが、その大半は専門学校です。
4年制の大学は募集停止校を除いて11校しかありません。
授業料
鍼灸師の養成学校に通うことで発生する主な費用は授業料です。
学校によって授業料は異なりますが、一般的に1年間で120万〜150万円ほどで、初年度は入学金なども含めて150万〜200万円ほどのところが多いようです。
したがって、卒業するまでにかかる授業料は3年制である専門学校の場合は400万〜500万円ほど。
4年制大学の場合は500万〜600万円程度か、それ以上かかることもあります。
また、専門学校には高校の卒業生が主に通う昼間コースと、社会人や日中はパートやアルバイトをしている人が通う夜間コースがあります。
夜間コースは、昼間コースよりも学費を安く設定しているところが多く、授業料の総額が20〜30万円ほど安くなる傾向にあります。
授業料以外にかかる費用
また、鍼灸師の養成校では授業料以外にも以下のような費用が発生します。
- 教科書代
- 鍼灸道具代
- 白衣代
- 実習費
これらを全て揃えると合計で10万〜30万円ほどの費用が必要です。
また、養成校によって校友会などの費用として数万円かかるところもあるため、志望校は細かいところまで確認しておきましょう。
【実例】神戸医療福祉専門学校 鍼灸科の場合
それでは、学費のイメージがつきやすくなるように、ここで一つ実例を紹介しておきましょう。
3年制の専門学校である神戸医療福祉専門学校 鍼灸科の学費は以下の表の通りです。
1年 | 2年 | 3年 | |
---|---|---|---|
入学金 | 300,000円 | – | – |
授業料 | 1,000,000円 | 1,000,000円 | 1,000,000円 |
実習費 | 200,000円 | 200,000円 | 200,000円 |
施設管理費 | 100,000円 | 100,000円 | 100,000円 |
合計 | 1,600,000円 | 1,300,000円 | 1,300,000円 |
初年度の入学金は30万円で、授業料は1年間で100万円。
実習費や施設管理費などを含めて3年間の合計額は420万円となっています。
また、この他にかかる費用としては、教科書代や実習関連費、学友会費などが毎年進級時に必要です。
鍼灸師の資格取得にかかる費用②国家資格の取得にかかる費用
国家資格を取得するためにかかる費用は主に、以下の通りです。
- 国家試験の受験料
- 資格の登録手数料・登録免許税
国家試験の受験料
まず一つ目は、国家試験の受験料です。
「はり師」及び「きゅう師」資格試験では、受験手数料として1試験につき14,400円かかります。
両方の試験分であわせて28,800円の受験手数料が必要です。
資格の登録手数料・登録免許税
国家試験に合格すると、今度は「はり師」及び「きゅう師」として名簿に登録するための申請手数料と登録免許税がかかります。
これらの免許を新規で登録申請をする場合の費用は、1免許につき申請手数料が5,200円、登録免許税が9,000円です。
2つの免許登録が必要であるため、あわせて10,400円の申請手数料と、18,000円の登録免許税がかかります。
上記をすべて合わせると、「はり師」と「きゅう師」の資格取得にかかる費用の合計額は57,200円です。
ちなみに令和2年時点でのはり師の数は126,798人、きゅう師は124,956人となっています。
まとめ
鍼灸師になるためには、主に養成施設の学費と国家資格の取得費用がかかります。
それらをざっと合計すると、養成学校入学から免許の登録までおおよそ450万〜650万円ほどの費用になると考えられます。
どの学校を選ぶかによって実際の金額は異なりますが、鍼灸師になるためにはおおよそ500万円前後の金額が必要になるということを頭に入れておきましょう。
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監修・運営者 | <神戸医療福祉専門学校 中央校> 鍼灸・介護・精神 |
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住所 | 〒650-0015 兵庫県神戸市中央区多聞通2-6-3 |
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