目次
あん摩マッサージ指圧師とは？
あん摩マッサージ指圧師とはその名の通り、「あん摩」「マッサージ」「指圧」の3つの技術で患者さんの身体の不調を改善していく仕事です。
トラブルの原因に働きかける「東洋医学」に基づいた治療で、器具を使わずに手でさする・なでる・揉む・押すなどの動作で血流を改善し、症状を和らげていきます。
「あん摩」「マッサージ」「指圧」のそれぞれの特徴は以下の通りです。
あん摩
漢字では「按摩」と書き、「按（あん）」は「おさえる」、「摩（ま）」は「なでる」を意味します。古代中国から日本に伝わった施術方法で、東洋医学で体内のエネルギー源とされている気血の巡りをよくすることで、コリや痛みなどの症状を改善していきます。
マッサージ
皮膚に直接触れてさするヨーロッパで生まれた施術方法で、心臓に向かってなでながら血流やリンパの流れを改善します。
指圧
手・指で衣服の上から押したり離したりして圧をかけ、全身にあるツボを刺激します。古い日本で生まれた施術方法で、人間が本来持っている自然治癒力を高めることで不調を改善していきます。
あん摩マッサージ指圧師の仕事内容と活躍の場
あん摩マッサージ指圧師の仕事内容はこれまでも述べた通り、器具を使わない施術で患者さんの頭痛・肩こり・腰痛などの症状を改善していくことです。施術の前には問診を行い、原因や症状の箇所を判断します。
また、あん摩マッサージ指圧師は、医師の判断なしで施術することができます。
主な活躍の場として一番多いのが専門の治療院で、その後に介護施設・病院などが続きます。介護の現場では訪問で施術を行うことも。スポーツ選手のケアや美容にも役立つ施術なので、スポーツの現場や美容施設などでも活躍します。
あん摩マッサージ指圧師になるには
あん摩マッサージ指圧師として従事するには、国家資格が必要になります。国家資格を取得するまでの流れは以下の通りです。
STEP1. 高校を卒業
STEP2. 大学・短大・専門学校などの養成施設で3年以上の勉強
STEP3. 国家試験を受験
STEP4. 合格後、就職
あん摩マッサージ指圧師について学べる養成施設は文部科学大臣または厚生労働大臣指定でなければならず、全国に25校ほどとあまり多くありません。卒業までにかかる学費は、おおよそですが300万〜550万程度といわれています。
受験資格を得たあとは国家試験を受験し、合格後、就職活動などを経てあん摩マッサージ指圧師として従事します。
また、残念ながら現時点では通信ではあん摩マッサージ指圧師を目指すことはできません。
国家試験の合格率
あん摩マッサージ指圧師の国家試験は、東洋療法研修試験財団によって毎年2月に実施されます。3月に養成施設を卒業する見込みの人も受験することが可能です。
2022年2月に行われた試験では受験者1,278人中1,082人が合格し、合格率は84.7%となりました。
試験内容は
- 臨床医学総論
- 衛生学・公衆衛生学
- 関係法規
- 解剖学
- 生理学
- 病理学概論
- 臨床医学各論
- リハビリテーション医学
- あん摩マッサージ指圧理論
- 東洋医学概論・経路経穴概論
- 東洋医学臨床論
の12科目で構成されており、筆記がメインとなります。
あん摩マッサージ指圧師の給料・年収
2022年8月現在、求人サイトindeedの情報によると、あん摩マッサージ指圧師の平均月収・平均年収は次の通りになっています。
| 平均月収 | ￥245,735 |
|---|---|
| 平均年収 | ￥3,470,754 |
残業手当などにより金額が付くと、上記の金額より収入が多くなることが見込まれます。
仕事の幅が広がる「鍼灸師」の資格も視野に入れてみよう
現在活躍しているあん摩マッサージ指圧師には鍼灸師の資格も取得している人が多く、どちらの資格も取得している人は「鍼灸マッサージ師」「三療師」などと呼ばれています。
鍼灸はあん摩マッサージ指圧師と同じく東洋医学に基づいた施術で、無数にある体のツボを刺激することで気血の流れをよくし、さまざまな不調を改善していきます。
あん摩マッサージ指圧では改善しなかった症状には鍼灸でアプローチすることができるため、治療の選択肢が増えることが大きなメリットです。あん摩マッサージ指圧師の資格取得と共に、鍼灸師の資格の習得も視野に入れてみるのもいいですよ。
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