言葉が遅い子のトレーニングとは|言葉が遅れる原因や確かめ方、言葉が育つステップ

  • 神戸医療福祉専門学校
    言語聴覚士科

  • 神戸医療福祉専門学校 三田校 言語聴覚士科は、関西初の4年制。
    基礎から段階的に学べるカリキュラムと豊富な実習により、確実な力が身につきます。また、各専門分野に通じる専任教員のサポートにより、小児領域から成人領域まで、自分の目指す分野で活躍できる言語聴覚士像が目指せます。

子どもの成長スピードには個人差があるとわかっていても、「言葉の発達が遅いかもしれない」と不安になることがありますよね。

この記事では、言葉が遅い子のトレーニング方法を3つご紹介します。

言葉が育っていくステップや、言葉が遅れる原因についてもわかりやすく解説しているので、子どもと向き合っていくための知識として、ぜひ参考にしてみてくださいね。

  • 神戸医療福祉専門学校 言語聴覚士科

  • 神戸医療福祉専門学校 三田校 言語聴覚士科は、関西初の4年制。
    基礎から段階的に学べるカリキュラムと豊富な実習により、確実な力が身につきます。また、各専門分野に通じる専任教員のサポートにより、小児領域から成人領域まで、自分の目指す分野で活躍できる言語聴覚士像が目指せます。

まずは言葉が育つステップを知ろう

まずは、子どもの言葉がどのようなステップで育っていくのかを理解しておきましょう。

言葉の発達が遅れているかもと思っていても、今どのステップにいるのかを知ると、意外と年齢相応の発達だったということも少なくありません。

このステップを知っていく上で頭に置いておきたいのは、子どもの成長スピードは個人差が大きいということ。成長が早い子どももいれば、ゆっくり成長していく子どももいるので、あくまでも目安として参考にしてくださいね。
まずは言葉が育つステップを知ろう

STEP1. 泣く

生まれてすぐの赤ちゃんは、泣くことで「お腹が空いた」「おむつが気持ち悪い」などの自分の不快な状態を知らせます。

これに感情は関係なく、対象も定められていません。

STEP2. クーイング(生後2か月頃〜)

生後2か月頃を目安に、”クーイング”と呼ばれる「あー」「くー」などといった柔らかい声を発するようになります。クーイングは、赤ちゃんが心地よいときに出す声と言われています。

STEP3. 喃語(なんご)(生後5か月頃〜)

生後5か月頃になると、「ばぶー」「あうー」などといった喃語(なんご)も発し始めるようになります。骨格が整い、音を作る器官が成長する頃です。

周りの人の話し声や自分の声に意味があるものと認識し始めるのもこの頃です。

STEP4. 指差し(生後10か月頃〜)

喃語を発し始めて数か月後、生後10か月頃には、興味のあるものに指差しをはじめます。

これは認知機能が発達している証拠で、知っているものと知らないものがはっきり分かれてくるので、人見知りが見られることもあります。

身振り手振りが増える代わりに、喃語は徐々に減っていきます。

STEP5. 一語文(1歳頃〜)

ご飯に対して「まんま」、両親に対して「ママ」「パパ」など、特定のものを指して言葉を発する一語文を話すようになるのは1歳頃からです。

パ行・バ行・マ行など、唇を合わせて発音する「両唇音(りょうしんおん)」が得意で、積極的に話します。

成長してくると、「わんわん」「バイバイ」など、言葉を繰り返す単語も話すようになってきます。

STEP6. 二語文(1〜2歳頃)

一語文を話すようになって数か月後、1〜2歳頃になると、名詞+動詞の二語文を話しはじめます。「ママ、こっち」「パン、ちょうだい」などが一例です。

話しはじめはまだ拙く、話せるときと話せないときがありますが、はじめて二語文が出てから数か月経つと本格的に話せるようになってきます。

STEP7. 三語文(2〜3歳頃)

さらに成長し、2〜3歳頃になってくると、「ママ、こっち、きて」「ぼく、ジュース、ほしい」など、主語+目的語+述語で構成される三語文を話すようになります。

三語文を話したり、二語文を話したりしながら、少しずつ言葉が発達していきます。

言葉が遅れる原因と確かめ方

言葉が遅れる原因としては、

  • 単純性言語遅滞
  • 言葉が理解できていない
  • 言葉が聞き取れていない
  • 発達障害・知的障害

などが考えられます。

それぞれの原因と、その確かめ方について詳しくみていきましょう。

言葉が遅い子の特徴について、以下の記事でも解説しているので併せて目を通してみてくださいね。

言葉が遅い子の特徴とその原因について|家族ができることは?

単純性言語遅滞

字面だけ見ると難しそうな印象を受けますが、これはただ単純に”言葉が遅れている”ということ。

言葉以外でのコミュニケーションに難しさを感じていなかったり、言葉での指示は理解している様子があったりする場合は、年齢とともに自然と言葉が身に付いてくるでしょう。

言葉が理解できていない

その単語が何を指しているのか理解できていないと、言葉を自分から話すことができません。

この場合、単に言葉を聞く機会が少なく子どもの中に言葉が蓄積されていないか、脳での処理に問題があることが考えられます。

名前を呼んだら振り向くかどうか、「わんわん」「車」などの単語で何を指しているかわかるか、などを確認してみましょう。

言葉が聞き取れていない

言葉は耳で聞き、脳で理解してからようやく口から発することができるものです。聴覚に問題があり、そもそも言葉が聞き取れていない場合は、言葉の発達が遅れてしまいます。

話しかける声や普段の生活音に反応しているかどうかを、注意深く観察してみるところからはじめてみましょう。

発達障害・知的障害

上記に当てはまらない場合、もしくは当てはまった上でも

  • 表情にあまり変化がない
  • 身振り手振りが少ない
  • こだわりが強く、思い通りにいかないと癇癪を起こす
  • 特定の反復行動(手をかざす、同じ場所の行き来を繰り返すなど)が見られる

などの特徴が見られる場合は、発達障害や知的障害である可能性も考えられます。

このような場合はまず、定期検診や地域の保健センターで専門家に相談してみるのがおすすめです。

言葉の発達を促すトレーニング3つ

言葉の発達を促すトレーニング3つ

子どもの言葉が発達するために必要な要素は、

  • 言葉の意味を理解していくこと
  • コミュニケーションを積み重ねること
  • 言葉を発することで思い通りの発音をするための練習をすること

の3つです。

これらの要素を意識した、言葉の発達を促すトレーニングを3つご紹介していきます。日常的にすぐ取り入れられるものばかりなので、ぜひ試してみてくださいね。

日常の行動を実況するように言葉にする

楽しく言葉を覚えていくためには、普段から言葉を身近に感じてもらうのが一番です。

おもちゃをふと渡されたら「どうぞ」「ありがとう」、などといったように、その行動を実況するように言葉にしていきましょう。

繰り返していると、子どもがマネをして、おもちゃを渡すときに「どうぞ」などと言おうとするようになります。

ポイントは、子どもが楽しいことに夢中になっているときに声をかけることと、ゆっくりはっきり話してあげることです。

絵本の読み聞かせを続ける

日常生活では出づらい言葉がよく出る絵本も、言葉の発達を促すのにぴったりです。語彙力に併せて、創造力も培うことができますよ。

子どもが気になったそぶりを見せたページがあったら、そのページで止めて、「にゃんにゃんだね」などと声をかけてあげましょう。

理解できていなそうに感じても、根気よく読み聞かせてあげることが大切です。

2つの中から選ばせる

おやつをあげるとき「りんごと、いちご、どっちがいい?」など、2つを見せながら子どもがどちらかを選べるような会話を作ってあげましょう。

2つのものを選ぶという過程で、ものの違いや大きさなど、”比べる”という概念が理解できてくることで、言葉の発達に繋がっていきます。

普段のコミュニケーションを見直すのも大切

言葉の発達を促すには、トレーニングを行うだけでなく、日頃のコミュニケーションの取り方を見直してみるのも大切になってきます。

例えば、発音の違いを指摘しすぎることは、子どもが間違いを恐れて言葉を発さなくなるきっかけに繋がります。また、子どもの話をさえぎって言いたいことをまとめてしまうのも、同じく言葉を発さなくなるきっかけに。

成長とともに言葉は正しく言えるようになり、言いたいこともまとまるようになってきます。

言葉の発達中は大きな心で、子どもが一生懸命話そうとしている姿を見守ってあげることを意識しましょう。

まとめ

子どもの言葉の発達は、個人差が大きいです。

心配しすぎるが故に、子ども自身が言葉を覚えていくことを楽しめなくなると、さらに言葉を発するのが遅くなってしまいます。

親子でコミュニケーションを楽しむことにフォーカスしながら、さまざまな遊びや環境で言葉に触れながら、ゆっくりと成長を待ってみましょう。

どうしても心配だという場合は、かかりつけ院や保健センターなどで、言語聴覚士などの専門家の意見を聞いてみるのもいいでしょう。

言語聴覚士は言葉をサポートするプロフェッショナルです。子ども一人ひとりと向き合い、その子のペースに合わせて言葉が理解できるように楽しくトレーニングを行なっていきます。

専門家の意見と知識を取り入れながら言葉の発達を促していくことも、視野に入れてみましょう。

監修・運営者情報

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