神戸医療専門学校ロゴ 神戸医療専門学校
神戸医療福祉専門学校の精神保健福祉士科は、兵庫県で唯一の夜間1年制!
現場経験豊富な講師による指導で、短期間で効率良く、即戦力となる精神保健福祉士が目指せます。また、本校独自の「業界アルバイト紹介制度」を利用することで、昼間は現場で経験を積むことも可能です。

スクールカウンセラーとは、学校現場において生徒や保護者、教職員の心の健康をサポートする専門職です。

いじめや不登校、発達障害、精神疾患、虐待など、多岐にわたる悩みに寄り添い、カウンセリングを通じて問題解決や心理的な負担の軽減を目指します。

具体的には、生徒との面談を通じて心の状態を把握し、適切なアドバイスや支援を行います。

保護者に対しては、子どもの状況を共有し、家庭での関わり方や専門機関との連携を提案することもあります。

さらに、教職員に対しては、生徒への接し方に関する助言や情報提供を行い、学校全体で生徒を支える体制づくりに貢献します。

現代社会では、SNSの普及による人間関係の複雑化や、新型コロナウイルス感染症の影響による生活環境の変化など、子どもたちを取り巻く環境は複雑化しています。

文部科学省の調査によると、令和4年度の不登校児童生徒数は約29.9万人で過去最高を記録しており、心のケアの重要性がますます高まっています。

このような状況において、スクールカウンセラーは、生徒が安心して学校生活を送れるよう、個別の問題解決だけでなく、予防的な観点からも重要な役割を担っています。

スクールカウンセラーとは?

スクールカウンセラーとは、学校現場で生徒や教師、保護者の心のケアを専門的に行う職種です。

集団生活を送る学校において、児童・生徒が抱えるさまざまな問題に対応し、精神的な負担を軽減するために配置されています。

いじめや不登校、学業不振、人間関係の悩みなど、学校に関するトラブルが増加している現代において、スクールカウンセラーの役割は非常に重要です。

彼らはカウンセリングを通じて心の状態を把握し、個々の状況に合わせた適切なサポートを提供します。

スクールカウンセラーの仕事内容とは?

スクールカウンセラーの仕事内容は多岐にわたり、生徒だけでなく保護者や教職員の心の健康をサポートすることが主な役割です。

中心となる業務はカウンセリング(面談)で、相談者の話に耳を傾け、心の負担を軽減します。

例えば、いじめや不登校、発達障害、精神疾患、虐待など、学校で起こりうる様々な問題に対応します。

また、具体的な解決策を求める相談者に対して、的確なアドバイスや指示を行うコンサルテーションも重要な仕事です。

不登校の生徒の生活リズムの整え方について保護者に助言したり、必要に応じて医療機関への受診を勧めたりすることもあります。

さらに、心理検査を用いて生徒の心理状態や行動を評価するアセスメントも実施します。

例えば、ロールシャッハテストや性格検査などを用いて、生徒の人格や特性を診断し、その結果を教職員に分かりやすく伝えることも求められます。

これらの業務に加えて、教職員や保護者を対象とした研修や講演会を開催し、心の健康に関する知識や情報を提供する研修・講話、複数の専門家と連携して問題を解決するカンファレンス、いじめやストレスの予防を目的とした予防的対応、そして災害や事故、事件発生時に心のケアを行う危機対応・危機管理もスクールカウンセラーの重要な業務です。

①カウンセリング

スクールカウンセラーの主要な業務の一つがカウンセリングです。

これは、生徒や保護者、教職員からの相談に対し、じっくりと耳を傾けることで、抱えている問題や不安を理解し、適切な支援へと繋げていくことを指します。

カウンセリングは基本的に1対1で行われる個別面談形式ですが、状況に応じて、同じ悩みを抱える複数の生徒を対象としたグループ面談が実施されることもあります。

グループ面談では、参加者同士が互いの経験を共有し、支え合うことで、孤独感の軽減や問題解決への前向きな気持ちを育む効果が期待されます。

②コンサルテーション

コンサルテーションとは、スクールカウンセラーが相談者の抱える不登校などの問題点を明確にし、その解決に向けてアドバイスを行うことです。

相談者本人だけでなく、保護者や教職員といった関係者に対しても、具体的にどのように関わっていけばよいか助言します。

例えば、不登校の生徒が昼夜逆転の生活を送っている場合、スクールカウンセラーは保護者に対し、生活リズムを整えるための具体的なアドバイスを提供します。

必要に応じて医療機関への受診を勧めるなど、多角的な視点から問題解決をサポートしていくのがコンサルテーションの役割です。

③カンファレンス

カンファレンスとは、スクールカウンセラー、教職員、保護者、その他の専門家が協力し、対象者の抱える問題や支援方法について話し合う会議のことです。

スクールカウンセラーは、その専門的な知識と経験に基づいて、心理面からの見立てや対応について意見を述べ、他の参加者と対等な立場で協議します。

時には教育相談に関する校内体制におけるコーディネーターの役割を担うこともあります。

例えば、不登校に関するカンファレンスでは、スクールカウンセラー、担任教師、保護者が集まり、不登校の問題解決に向けて相談や協議を行います。

多角的な視点から状況を把握し、より効果的な支援策を検討することが目的です。

④研修・講話

スクールカウンセラーは、研修や講話を通じて、心理的な知識や心のケアに関する情報を学校、保護者、地域の方々に向けて発信します。

これにより、心の健康に関する理解を深め、心理的な問題への対処法を学ぶ機会を提供しています。

特に、教職員を対象とした研修では、生徒の心の状態を理解し、適切な対応ができるよう支援することで、学校全体で生徒を支える体制を強化しています。

問題の早期発見や深刻化を防ぐためにも、スクールカウンセラーが積極的に情報を発信し、相談しやすい環境を整えることが重要です。

⑤アセスメント

アセスメントとは、相談者の心理状態や行動を評価・分析することです。

スクールカウンセラーは、カウンセリングだけでは解決が難しいケースに対して、心理検査などを用いて対象者の状態を詳しく把握し、適切な支援方法を検討します。

特に、医師の資格を持たないスクールカウンセラーの場合、緊急性の高いケースや、対象者が著しい生活上の困難を抱えていると判断した際には、精神科医への受診を促し、より専門的な診断や治療へと繋ぐ役割も担っています。

⑥予防的対応

予防的対応は、生徒や教職員が抱える問題が深刻化する前に介入し、未然に防ぐための重要な役割です。

スクールカウンセラーは、学校全体を対象としたスクリーニング調査やアンケートを実施し、生徒や教職員のストレスレベル、いじめに対する意識などを定期的に把握しています。

この調査結果に基づいて、個別のカウンセリングを提案したり、ストレス管理に関するスキル向上を目的とした講座を学校内で開催したりするなど、さまざまな対応を行っています。

これらの取り組みは、学校生活におけるストレス症状や問題行動の発生を抑えることを目的としています。

⑦危機対応・危機管理

災害や事件、事故といった危機的な状況が学校で発生した場合、スクールカウンセラーには迅速な対応が求められます。

危機発生直後からしばらくの間は、生徒や教職員の心のケアが必要となるため、スクールカウンセラーは現場の状況を的確に把握し、心理的支援が必要と判断した際には、教育委員会や心理の専門家への支援要請を行います。

具体的には、過去には東日本大震災や熊本地震の際に、全国からスクールカウンセラーが被災地の学校へ派遣され、心のケア活動を実施しました。

平時からの危機対応に関する知識と準備が、有事の際の適切な行動につながります。

スクールカウンセラーになるには?

スクールカウンセラーになるための必須資格は、現状では定められていません。

しかし、文部科学省は選考要件として「臨床心理士」または「公認心理師」の資格を推奨しており、実際にスクールカウンセラーとして活躍している方のほとんどがこれらの資格を所持しています。

そのため、無資格で求人に応募しても、採用される可能性は極めて低いのが現状です。

臨床心理士または公認心理師の資格を取得するには、専門の知識と技術を習得できる大学や大学院に進学し、卒業後にそれぞれの資格試験に合格する必要があります。

例えば、公認心理師は2017年に施行された比較的新しい国家資格であり、心理職で初の国家資格として注目されています。

大学で心理学を専攻し、指定された科目を履修した後、大学院でさらに専門性を深めるか、特定の施設で実務経験を積むことで受験資格が得られます。

このプロセスは時間と労力を要しますが、子どもの心の健康を支える専門家として、やりがいのある仕事に繋がるでしょう。

①大学等で心理学について学ぶ

スクールカウンセラーを目指す上で、大学での心理学学習は重要なステップです。

公認心理師や臨床心理士といった必要な資格を取得するには、大学または大学院で専門的な知識を学ぶことが不可欠です。

これらの資格は、スクールカウンセラーに必須とされており、受験資格を得るためにも大学での学習が大きなメリットとなります。

例えば、心理学を学べる大学に入学し、専門知識を習得することで、将来的にスクールカウンセラーとして活躍することを目指せます。

スクールカウンセラーを目指す多くの人がこのルートを選択し、専門性を高めています。

②必要な資格を取得する

スクールカウンセラーになるためには、まず大学で心理学を専門的に学び、その後に資格を取得することが一般的です。

特に、臨床心理士や公認心理師の資格は、スクールカウンセラーとして活躍する上で非常に重要となります。

これらの資格は、専門の大学や大学院を修了し、所定のカリキュラムを履修することで受験資格が得られます。

公立学校では文部科学省が定める資格要件を満たす必要がありますが、私立学校においても、公認心理師や臨床心理士などの資格を持つ人材を優遇して募集する傾向にあります。

スクールカウンセラーになるためには、これらの資格を計画的に取得することが、就職への近道と言えるでしょう。

③求人情報を探す

スクールカウンセラーの求人情報は、各学校のホームページや教育委員会の公募で探すことができます。

特に、私立学校では独自の募集を行うケースもありますので、こまめな情報収集が大切です。

求人への申し込みは、指定された資格証書などの必要書類を揃えて行います。書類選考を通過すると面接や実技試験が行われ、採用が決定する流れです。

また、民間の求人サイトや専門機関でも求人情報が掲載されることがありますので、幅広く情報を確認するようにしましょう。

スクールカウンセラーに求められる適性とは?

スクールカウンセラーには、多様な悩みを抱える生徒や保護者、教職員に対して適切な対応が求められるため、いくつかの適性が必要不可欠です。

まず、コミュニケーション能力は、相手の気持ちに寄り添い、信頼関係を築く上で特に重要となります。

次に、論理的な思考ができる能力は、問題の本質を見極め、解決策を導き出すために役立ちます。

また、新しい情報への対応力もスクールカウンセラーに求められる大切な要素です。

現代社会の変化に対応し、常に最新の知識やスキルを習得していく必要があります。

これらの適性は、実務経験を積んだり、継続的に学習したりすることで身につけていくことが可能です。

①コミュニケーション能力がある

スクールカウンセラーの仕事において、円滑なコミュニケーションは欠かせない要素です。

生徒や保護者、教職員との信頼関係を築くためには、相手の言葉に耳を傾け、気持ちを理解しようと努める姿勢が重要です。

また、言葉だけでなく表情や身振り手振りといった非言語的なコミュニケーションも、相手に安心感を与え、心の距離を縮める上で大切な役割を果たします。

良好な人間関係を構築するスキルは、スクールカウンセラーの仕事の質を高める上で非常に重要だといえるでしょう。

②相手の気持ちに寄り添える

スクールカウンセラーには、相談者が抱える問題に対して、その人の立場や状況を深く理解しようと努める姿勢が不可欠です。

生徒や保護者、教職員など、それぞれ異なる背景を持つ人々が抱える悩みに寄り添い、じっくりと話を傾聴することが求められます。

スクールカウンセラーに自分の気持ちや考えを認められることで、否定されることへの不安が和らぎ、次第に深い問題も打ち明けられるようになるのです。

この共感的な姿勢は、信頼関係を築き、効果的なサポートを提供するための重要な適性と言えるでしょう。

③論理的な思考が出来る

スクールカウンセラーは、相談者の抱える問題が複雑に絡み合っている場合でも、自身の感情に流されずに本質を見極める必要があります。

相談者の複雑な感情や状況を論理的に整理し、順序立てて話すことで、相談者自身の気持ちが整理され、問題解決に向けて前向きな思考へと導くことができるのです。

また、心理検査やアンケート結果などのデータ分析を行う際にも、根拠に基づいた的確な判断を下すために論理的な思考は不可欠です。

④正義感がある

スクールカウンセラーは、生徒や保護者が抱える問題に対し、常に正義感を持ち支援することが求められます。

相談内容には深刻なケースも含まれるため、自身の感情や偏見に流されることなく、公平な視点から判断し対応する力が重要です。

⑤新しい情報への対応力がある

スクールカウンセラーとして活躍するには、常に変化する教育現場の動向や、日々進化する心理学の新しい知見に柔軟に対応できるスキルが不可欠です。

児童・生徒を取り巻く問題は多様化しており、既存の知識だけでは対応しきれないケースも増えています。

そのため、新しい情報や治療法、カウンセリング技術を積極的に学び、自身のスキルを更新し続けることが求められます。

最新の知識を習得することで、より多くの問題に対して効果的な対応が可能になり、対象者が抱える悩みを解決へと導くことができるでしょう。

スクールカウンセラーの就職先や働き方とは?

スクールカウンセラーの主な就職先は、全国の小・中学校、高校、特別支援学校、大学などの教育機関です。

勤務形態としては、私立学校の一部で常勤のスクールカウンセラーを雇用しているケースも見られますが、全体としてはまだ少数派であるのが実情です。

多くの学校では非常勤としてスクールカウンセラーを採用しており、週に1回や年間35日といった勤務日数、1日あたり4時間から8時間程度の勤務時間を定めていることが多い傾向にあります。

そのため、スクールカウンセラーは一つの学校に専属で勤務するよりも、複数の学校を掛け持ちしている方が多く見られます。

また、スクールカウンセラーの仕事自体を副業として、他の本業と両立しながら働く人もいれば、スクールカウンセラーを本業としつつ、他の学校や機関での非常勤勤務を組み合わせることで生計を立てている人もいるなど、その働き方は多岐にわたります。

スクールカウンセラーは専業?

スクールカウンセラーは、専業で働く人もいれば、他の仕事と兼業する人もいます。

複数の学校を掛け持ちして働くケースや、大学で教鞭を執りながら、あるいは心理カウンセラーとして働きながら、週に数回スクールカウンセラーとして勤務するケースも少なくありません。

しかし、生徒や教員の心の健康に関わる重要な仕事であるため、近年はスクールカウンセラーの仕事に専念したいと考える人が増えてきています。

これにより、複数の職場を掛け持ちしつつも、スクールカウンセラーの業務を中心として働く傾向が強まってきています。

一般的には「非常勤職員」が多い

スクールカウンセラーの多くは、学校に常駐せず非常勤職員として勤務しています。

週に数日、あるいは特定の時間だけ出勤する形態が一般的です。

そのため、複数の学校を掛け持ちしているスクールカウンセラーも珍しくありません。

私立学校の中には常勤で雇用しているケースもありますが、全体的には非常勤の働き方が主流となっています。

スクールカウンセラーの給料・年収はどのくらい?

スクールカウンセラーの給料は基本的に時給制で、自治体や経験によって異なりますが、文部科学省の資料によると平均時給は5,250円とされています。

この時給だけを見ると高収入に思えるかもしれませんが、実際には春休み、夏休み、冬休みといった学校の長期休暇期間は勤務がありません。

そのため、月給に換算すると15万円から20万円前後となり、年収にすると300万円から400万円程度が一般的です。

具体的な内訳を見ると、非常勤として勤務するスクールカウンセラーの場合、年収は180万円から230万円程度とされており、複数の学校を掛け持ちして働くケースも少なくありません。

一方、私立学校などで常勤として働くスクールカウンセラーの場合は、年収320万円から440万円程度が平均的な金額となっています。

しかし、常勤のスクールカウンセラーを雇用している学校はまだ少数で、多くの学校では非常勤での採用が主流です。

また、地方では時給が3,000円程度となるケースもあり、地域によって給与格差が大きいのが現状です。

スクールカウンセラーの現状と将来性

日本では、スクールカウンセラーの多くは非常勤として勤務しており、その給与水準や待遇には地域間で大きな差があるのが現状です。

具体的には、都市部では時給5,000円を超えるケースがある一方で、地方では3,000円程度にとどまることも珍しくありません。

このような状況から、スクールカウンセラーという職種は、収入や福利厚生の面で十分な待遇とは言えないという課題を抱えています。

また、週に1日程度の勤務が多いため、「相談したいときにカウンセラーが学校にいない」「普段接することが少ないため相談しづらい」といった生徒の声も聞かれます。

しかし、近年ではいじめや不登校、新型コロナウイルス感染症の影響によるメンタルヘルス不調など、子どもたちを取り巻く問題が深刻化しており、スクールカウンセラーの役割の重要性はこれまで以上に高まっています。

文部科学省もスクールカウンセラーの配置を推進しており、令和4年度には全国の公立小・中学校におけるスクールカウンセラーの配置率は99.6%に達しています。

このような背景から、今後はスクールカウンセラーをはじめとする心理系職種の雇用環境の改善が進み、より多くの専門家が活躍できる機会が増えることが期待されています。

常勤化や待遇改善を通じて、子どもたちが安心して学校生活を送れるような支援体制の強化が図られるでしょう。

スクールカウンセラーと似ている職業

スクールカウンセラーと似た職業として、スクールソーシャルワーカーがあります。

どちらも学校で子どもたちをサポートする専門職ですが、そのアプローチと専門領域に明確な違いが存在します。

スクールカウンセラーが心理学に基づき、生徒の心の健康や感情面の問題解決に焦点を当てる「心の専門家」である一方、スクールソーシャルワーカーは社会福祉学をベースに、生徒を取り巻く環境全体に働きかける「福祉の専門家」と言えるでしょう。

具体的には、スクールカウンセラーが生徒や保護者とのカウンセリングを通じて、いじめや不登校、友人関係の悩み、自己肯定感の低さといった心の内側の問題にアプローチするのに対し、スクールソーシャルワーカーは不登校の背景にある家庭の経済状況や家庭環境、外部機関との連携など、学校だけでは解決が難しい問題に焦点を当てます。

例えば、親からの育児放棄が疑われる生徒がいる場合、スクールカウンセラーは子どもや保護者の話を聞き、心の問題を整理する手助けをします。

一方、スクールソーシャルワーカーは、貧困家庭であれば生活保護の利用を勧めたり、親が病気であればヘルパーの利用を検討するなど、福祉制度を活用して環境面を整える支援を行うのです。

スクールソーシャルワーカーになるためには、社会福祉士や精神保健福祉士の資格が必要となる場合が多く、福祉に関する専門的な知識が求められます。

このように、両者は「子どもの成長を助ける」という共通の目標を持ちながらも、異なる専門性とアプローチで生徒たちを支えているため、学校現場では連携して包括的な支援を提供することが重要視されています。

その他、児童の相談に乗る仕事に役立つ資格とは?

スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの資格以外にも、児童の相談に乗る仕事に役立つ資格として、いくつかご紹介します。

まず、メンタル心理カウンセラー資格は、心の不調を抱える人に対して基本的なカウンセリングスキルを提供する資格です。

この資格では、心理学の基礎知識やカウンセリングの理論、傾聴の技術などを習得でき、相談者の悩みに寄り添い、心のケアを行うための基本的な能力を身につけることができます。

次に、チャイルドカウンセラー資格は、子ども特有の心理や発達段階を理解し、その成長をサポートするための専門的な知識と技術を習得できる資格です。

不登校やいじめ、発達に関する悩みなど、子どもが抱えやすい問題に対して、適切なアプローチ方法を学ぶことができます。

最後に、不登校訪問支援カウンセラー資格は、不登校の子どもとその保護者に対して、自宅訪問などによるカウンセリングや支援を行うための専門資格です。

不登校の原因が多岐にわたる中で、個々の状況に応じた支援計画を立て、学校復帰をサポートするための実践的なスキルを習得できます。

これらの資格は、直接的にスクールカウンセラーとして働くための必須資格ではありませんが、児童の心のケアに関わる仕事において、専門性を高め、より多角的な支援を提供する上で非常に有効な選択肢となります。

それぞれの資格で得られる知識やスキルは、子どもたちの健全な成長を支える上で大いに役立つでしょう。

①メンタル心理カウンセラー資格

メンタル心理カウンセラー資格は、心理学の知識とカウンセリングスキルを習得できる民間資格の一つです。

この資格を保有することで、子どもの心のケア、人間関係の悩み、子育てに関する相談など、多岐にわたる問題への対応に役立つ知識を身につけることができます。

多くの通信講座では、このメンタル心理カウンセラー資格の取得に対応したカリキュラムが用意されており、心理学を初めて学ぶ方でも専門的なスキルを習得することが可能です。

学ぶことによって、人々の心の健康をサポートする一助となる道が開けるでしょう。

ただし、メンタル心理カウンセラー資格は民間資格であり、日本初の心理職の国家資格である公認心理師や、長年の実績がある臨床心理士と比較すると、専門性や社会的な信頼性において異なる点があります。

公認心理師は2017年に施行された国家資格で、医療、教育、福祉など幅広い分野で活躍できます。

臨床心理士は公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格で、高い権威性を持つとされています。

メンタル心理カウンセラーは、これらの資格とは異なり、主に通信講座を通して取得が可能であり、在宅で受験できる場合もあります。

そのため、就職や転職の際に評価されるかは、職場によって異なる場合があります。

メンタル心理カウンセラーの資格取得は、家族や友人のメンタルケアサポート、自身のストレス管理能力向上、子育てでのコミュニケーション改善など、日常生活に役立つ知識として活用することもできます。

また、一部の福祉施設や教育機関、企業などでの活動に有利になる可能性もあります。

しかし、より専門的な分野での活躍を目指す場合は、公認心理師や臨床心理士といった信頼性の高い資格の取得も視野に入れることが推奨されます。

②チャイルドカウンセラー資格

チャイルドカウンセラー資格は、不登校やいじめ、発達に関する問題など、子ども特有の悩みに対応するための専門的な知識やスキルを習得できる資格です。

現代社会において、子どもたちの心の問題が増加している背景から、従来の心理学だけでなく、より子どもに寄り添った対応ができるカウンセラーの需要が高まっています。

この資格を通じて、子どもの心理を深く理解し、適切な支援を提供するスキルを身につけることが可能です。

子どもに関する問題解決に貢献したい方にとって、非常に有効な資格と言えるでしょう。

③不登校訪問支援カウンセラー資格

不登校訪問支援カウンセラー資格は、不登校の子どもたちを支援するための専門的なスキルを身につけられる資格です。

この資格の大きなメリットは、カウンセリング能力だけでなく、不登校の子どもが自身の状況を言葉にできない場合でも、わずかな情報から状況を分析し、好転させるための具体的なスキルを習得できる点です。

不登校の原因を明確に自覚している子どもは少なく、また、自分の口から説明したがらないケースも珍しくありません。

そのため、表面的な情報だけでなく、その背景にある状況を把握する能力が重要となります。

この資格を取得することで、そのような状況にも対応できる専門家になれるでしょう。

また、勉強を始めてから資格取得までの期間を短くできる点もメリットです。

不登校の子どもは増加傾向にあり、彼らを支援できる人材は非常に重要な存在ですが、現状では不足している状況です。

この資格は、不登校支援の現場で活躍したいと考えている方にとって、有効な資格の一つと言えるでしょう。

スクールソーシャルワーカーとは?

スクールソーシャルワーカー(SSW)は、学校で生活する子どもたちの心のケアだけでなく、家庭環境や生活環境といった、子どもたちを取り巻く環境に焦点を当て、問題解決を支援する専門職です。

スクールカウンセラーが学校生活における心理的な側面を主に担当するのに対し、スクールソーシャルワーカーはより広範な社会的、経済的な側面から子どもたちをサポートします。

具体的には、貧困や虐待、いじめ、不登校など、子どもたちが抱えるさまざまな課題に対して、福祉制度の活用や関係機関との連携を通じて、具体的な支援を提供します。

例えば、経済的な困難を抱える家庭の子どもには、生活保護や就学援助制度の利用を促したり、児童相談所や地域の福祉サービスと連携して、多角的なサポート体制を構築したりします。

また、いじめや不登校の問題に対しては、学校と家庭、地域社会が一体となって解決に取り組めるよう調整役を担い、子どもが安心して学校生活を送れる環境づくりに貢献します。

このように、スクールソーシャルワーカーは、子どもたちが抱える問題の根本原因にアプローチし、福祉や法律の専門知識を活かして、子どもとその家族がより良い生活を送れるよう支援する重要な役割を担っています。

スクールソーシャルワーカーの仕事内容とは?

スクールソーシャルワーカーは、学校生活における不登校やいじめなどの問題に対し、児童生徒の生活環境に焦点を当て、福祉の専門家として多角的に支援する職業です。

スクールカウンセラーが主に心理的なアプローチで個人の心のケアを行うのに対し、スクールソーシャルワーカーは、家庭の経済的な困難や虐待、地域との関係性など、子どもを取り巻く環境に起因する問題解決に重きを置きます。

具体的には、家庭訪問や関係機関との連携を通じて、適切な福祉サービスの情報提供や利用支援を行います。

例えば、経済的な問題で学習用具が十分に揃えられない児童生徒に対しては、公的な支援制度を紹介し、申請手続きをサポートするなどが挙げられます。

このように、スクールソーシャルワーカーは、学校内で解決が難しいと判断された問題に対し、児童生徒が置かれている状況全体を改善していく役割を担っています。

スクールカウンセラーと連携し、心理と福祉の両面から子どもたちの成長を支えることが、スクールソーシャルワーカーの重要な仕事内容です。

スクールソーシャルワーカーになるには?

スクールソーシャルワーカーとして活躍するためには、教育と福祉の両面における専門知識と技術が不可欠です。

多くの職場では、社会福祉士や精神保健福祉士、臨床心理士といった資格のいずれか、または複数を必須としています。

特に、精神保健福祉士は、他の資格と比較して取得を目指しやすいと言われています。

例えば、福祉系の学部以外を卒業した方でも、4年制大学を卒業していれば、一般養成施設に1年以上通学することで、精神保健福祉士の受験資格を得ることが可能です。

その後、国家試験に合格することで、スクールソーシャルワーカーとして働くための条件を満たします。

文部科学省も、スクールソーシャルワーカーに社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を推奨しており、これらの資格を持つ人材の需要が高まっています。

このため、心理系の専門職を目指すのが難しいと感じる方でも、精神保健福祉士の資格を取得し、子どもたちの心のケアと環境調整を担うスクールソーシャルワーカーを目指すことは、非常に有効な選択肢と言えるでしょう。

子どもと関わる職業の将来性・キャリアは?

現代社会において、子どもを取り巻く環境は複雑化しており、心のケアの重要性は増しています。

いじめや不登校といった問題に加え、SNSの普及や新型コロナウイルス感染症の影響など、子どもたちが抱える悩みは多様化しているため、スクールカウンセラーをはじめとする子どもと関わる職業の需要は今後も高まるでしょう。

このような状況から、関連職種の将来性は高く、キャリアアップの機会も増えることが期待されます。

これから需要がある仕事?

現代社会では、いじめや不登校、発達上の問題など、子どもたちを取り巻く問題が多様化・複雑化しており、学校における心のケアの重要性が高まっています。

集団生活を送る学校では、生徒たちの間で問題が起こることは避けられないため、その解決には専門的な知識を持った人材が不可欠です。

心理カウンセラーをはじめとする心の専門家は、生徒だけでなく、教員や保護者の心のサポートも担うため、今後さらに需要が高まるでしょう。

将来性は?

現在、不登校やいじめといった子どもを取り巻く問題は増加傾向にあり、心のケアの重要性が認識されつつあります。

このような背景から、スクールカウンセラーの役割は今後ますます重要になると考えられています。

現状では非常勤雇用が多いという課題がありますが、子どもたちの抱える問題に対応するため、専門的な知識と技術を持つスクールカウンセラーへのニーズは高まっていくでしょう。

雇用環境の改善も期待されており、将来的にはより活躍の場が広がると考えられます。

キャリアアップの方法は?

カウンセラーとしてキャリアアップするためには、継続的な学習と経験が不可欠です。

専門性を高めるための研修への積極的な参加や、他の専門家からの指導であるスーパービジョンを受けることが大切です。

また、現代の子どもたちを取り巻く環境は常に変化しているため、新しい情報や社会情勢への対応力を磨くことも重要です。

これらの学びを現場で活かし、実践を通してスキルを向上させることで、より多くの子どもたちや保護者の悩みに対応できるようになります。

実力が評価されることで、講演会や書籍の執筆など、活動の幅を広げ、収入アップにもつなげられるでしょう。

まとめ~スクールカウンセラーになるには?~

スクールカウンセラーは、学校で生徒や教師の心のケアを行う専門職であり、近年その需要が高まっています。

いじめや不登校、発達障害、精神疾患など、子どもたちを取り巻く問題が複雑化しているため、スクールカウンセラーの必要性は今後も増していくと考えられています。

文部科学省の資料によると、スクールカウンセラーの配置校数は増加傾向にあり、2022年度には小中学校合わせて約29.9万人の不登校児童生徒が確認されており、相談体制のさらなる充実が求められています。

このように、スクールカウンセラーの需要は安定して存在し、今後も求人増加が予想されます。

しかし、現状ではスクールカウンセラーの多くが非常勤での雇用であり、週1回程度の勤務や年間の勤務日数が定められているケースが一般的です。

このため、複数校を掛け持ちしたり、他の仕事と両立したりする働き方が主流となっています。

給与も時給制がほとんどで、地域によって差があるため、収入面での課題も指摘されています。

休暇制度や社会保障についても改善の余地があるという声もあがっており、専門職としての待遇改善が求められています。

一方、子どもたちのケアを行う職業としては、スクールソーシャルワーカーも挙げられます。

スクールソーシャルワーカーは、家庭環境や生活環境など、子どもたちを取り巻く環境面からサポートする福祉職です。

スクールカウンセラーが主に学校生活における心のケアを担当するのに対し、スクールソーシャルワーカーは福祉制度の活用支援など、より広範な環境への働きかけを行います。

スクールソーシャルワーカーの配置数も年々増加しており、将来性の高い職種として注目されています。

このように、子どもたちの心の健康を支える職業は多岐にわたり、それぞれ専門性や働き方が異なります。

自身の得意なことやなりたい立場を考慮し、臨床心理士や公認心理師、社会福祉士、精神保健福祉士といった資格取得を目指すことで、子どもたちを支える専門家として活躍できるでしょう。


>>資料請求はこちら

>>精神保健福祉士科のオープンキャンパスはこちら


精神保健福祉士を目指すなら神戸医療福祉専門学校で学びませんか?

神戸医療福祉専門学校の精神保健福祉士科では、国家試験の合格率は、96%!(※2015~2023年度実績)
高い合格率に裏付けられ、希望者の就職率も100%に達しています。(※2020年度実績)

通学制ならではの講義・演習・実習を組み合わせたカリキュラムで、夜間1年間で国家試験合格と、就職活動をサポートします。

ご興味がある方は、ぜひ以下のオープンキャンパスや精神保健福祉士科の詳細情報をご覧ください。また、精神保健福祉士科の学科の詳細を知りたい方は「精神保健福祉士を目指す専門学校」でご紹介していますので、こちらも併せてチェックしてみてください。

卒業生の声

「利用者さんの役に立てるよう学び続けていきたい。」(2013年度卒業)

「患者さんの暮らし全般を支えることができる。」(2011年度卒業)

「自分自身の成長を実感できる仕事。」(2010年度卒業)

「国家資格の取得を通して仕事の幅を広げる。」(2009年度卒業)

>>卒業生の声の詳細はこちら

ご興味がある方はぜひ以下のリンクより学校の詳細をご覧ください!