義足ってどんな仕組み?基本の構成4パーツと代表的な種類を紹介

  • 神戸医療福祉専門学校
    義肢装具士科

  • 神戸医療福祉専門学校 三田校 義肢装具士科は日本で唯一の4年制。
    義肢装具士の輩出数全国No.1の名門校で、国際義肢装具協会(ISPO)の認定校です。
    モノ作りと医療を深く学ぶ実習中心のカリキュラムで確かな力が身につきます。産学連携による特別実習では、グローバルな最新技術が学べ、パラアスリート支援の第一人者である臼井二美男先生など、業界の第一線で活躍されているさまざまな方の講義が受けられます。

体重の支持や安定した歩行など、病気や事故で切断した脚の代わりを果たす義足の仕組みとは?

ずり落ち防止やスムーズな曲げ伸ばしなど、さまざまな機能を持つ義足の構成パーツを解説。

さらに構造の違いや切断レベルなど、それぞれの分類方法に応じた義足の種類についても紹介していきます。

  • 神戸医療福祉専門学校 義肢装具士科

  • 神戸医療福祉専門学校 三田校 義肢装具士科は日本で唯一の4年制。
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義足の仕組み

義足は、断端(切断部位)と義足をつなぐソケットを中心に、切断レベルに応じて必要なパーツを組み合わせて製作されます。

なるべく患者さんの希望をかなえられるよう、年齢や身体機能、活動レベルやニーズに合わせたパーツ選択が行われるのが基本です。

義足を構成する基本的なパーツ

義足を構成する基本的なパーツ
義足を構成する基本的なパーツとしては「ソケット」「懸垂装置」「継手」「足部」の4つがあります。

ソケット

足の切断部分(断端)を収納するカップ状のパーツです。
体と義足をつなぐ部分となるため、義足の中で一番重要なパーツと言っても過言ではありません。
体重を支え、義足に力を伝えるという役割があります。

懸垂装置

義足が身体から落ちないよう固定するための装置です。

バルブ(吸着システム)やピンなどさまざまな方法があり、切断レベルや断端の状態、装着のしやすさなどを考慮して選択されます。

継手

関節の代わりになる部分です。

足関節(足首)の代わりとなる足継手(あしつぎて)、膝関節の代わりとなる膝継手(ひざつぎて)、股関節の代わりとなる股継手(こつぎて)など、機能を代替する部分によって種類が分かれます。

足部

地面につく足部分(足首から先)のかわりとなるパーツです。

体重移動や衝撃吸収、歩行をサポートする機能があります。

義足の種類①構造による分類

次は、代表的な義足の分類方法とそれに応じた義足の種類を紹介していきます。
まず、構造の違いによる分類としては「殻構造」と「骨格構造」の2種類があります。

殻構造

エビやカニなどの甲殻類のように、殻のような構造で動く義足です。

形状を作り込みやすいためよりリアルな外観に近づけることができますが、表面は硬く強度のあるもので覆われているため触ると気づかれやすいという特徴があります。

骨格構造

人体の骨格と同じように中心がパイプ構造となっている義足です。

骨となる支柱や関節となる継手部分は金属など硬いもので、それを覆う外観はスポンジなどの柔軟性のある素材で製作されます。

殻構造に比べて外観を作り込みにくいですが、表面は柔らかい素材で覆われているため触れても気づかれにくいです。

パーツごとの交換が簡単で調整・修理もしやすいことから、最近では殻構造よりもこの
骨格構造が主流になってきています。

義足の種類②切断レベルによる分類

義足は、股関節や太もも、膝から下など切断された箇所によっても種類が異なります。

こういった切断レベルによる分類としては主に以下のようなタイプに分かれます。

股義足:股関節の部分で切断

股関節部分(足の付け根)から切断された人が使用する義足です。

支柱と断端(切断した部分)を収納するソケット、股関節の代わりとなる股継手、膝関節の代わりとなる膝継手、足関節の代わりとなる足継手、足部などによって構成されます。

大腿義足:膝から上(太もも周辺)で切断

膝より上(太もも周辺)から切断された人が使用する義足です。

支柱と断端(切断した部分)を収納するソケット、膝関節の代わりとなる膝継手、足関節の代わりとなる足継手、足部などによって構成されます。

下腿義足:膝から足首の間で切断

膝から足首の間で切断された方が使用する義足です。

支柱と断端(切断した部分)を収納するソケット、足関節の代わりとなる足継手、足部などによって構成されます。

その他

その他にも、膝関節離断などの方が使用する膝義足や、足首から切断した人が使用する足根中足義足、足の指を切断した人が使用する足指義足など切断レベルに応じてさまざまな種類があります。

義足の種類③目的による分類

義足の種類③目的による分類
義足は、日常生活での使用を想定した常用義足以外にも、使用する人やシーンに応じてさまざまなものが作られています。

ユーザーによる分類としては、子ども向けの義足や、ファッションを楽しみたいという女性向けに本物の足に近い見た目になっているリアルコスメチック義足などがあります。

また、使用シーンにおける分類としては、農作業や重作業などで使用することを想定した作業用の義足スポーツ用義足などがその例です。

特にスポーツ用義足には陸上用や水泳用、スキー用や自転車用からボート用まで、競技に特化したさまざまなものが製作されています。

>>走る喜びをもう一度!夢を叶える『スポーツ用義足』とは?

義足の未来を変える?身体×ロボット技術

義足には骨と関節の機能がありますが、筋肉の機能はありません。
このため義足を動かすには、ユーザー自身が自分の力で振って動かす必要があります。

こういった従来の受動式の義足に対して近年注目を集めているのが、AI(人工知能)やモーターなどを搭載したロボット義足の開発です。

筋肉や脳からの電気信号を伝える機能や、ユーザーの動きをアシストする機能など義足自身が動力を持つことで、より疲れにくくスムーズな歩行の実現が期待されています。

>>今注目を浴びているAI(人工知能)を搭載したロボット義足とは?

基礎から最新技術まで!神戸医療福祉専門学校で一から学ぶ義足作り

神戸医療福祉専門学校で一から学ぶ義足作り
義足を構成するパーツは、切断レベルやユーザー、使用目的などによってさまざま。

そんな多種多様なパーツの中からニーズに応じた選択を繰り返し、患者さん一人一人に合った義足を作るのが義肢装具士という職業です。

神戸医療福祉専門学校の義肢装具士科は、日本で唯一の4年制専門学校。
ISPO(国際義肢装具協会)認定校で、世界最高峰の義肢装具教育が受けられます。

義足作りについて一から教わるだけでなく、産学連携や海外講師による特別実習などで、グローバルな知識や最新技術を身につけることが可能です。

日常生活用の義足からパラスポーツ、ロボット義足まで、自分の興味がある分野についてとことん追求した義足作りを学びませんか?

まとめ

義足を構成するパーツには、体と義足をつなぐソケットや固定装置、関節の代わりとなる継手、足首から先までの代わりとなる足部などがあります。

義足の作り手である義肢装具士には、切断レベルやユーザー、目的に応じた細かいパーツ選択が求められますが、そのぶん患者さんのニーズを満たした義足ができた時の感動はひとしお。

自分がつくったものが人の役に立っていることを実感できる、やりがいのある職業です。

監修・運営者情報

監修・運営者<神戸医療福祉専門学校 中央校>
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