
人間の体は実に精巧にできており、その筋肉の動きは特に複雑です。
例えば、ただ足を前に一歩踏み出す時でも、もう片方の足できちんと踏ん張らないと転んでしまいます。
このように普段わたしたちが無意識で行っている動作を、義足で行うことは簡単なことではありません。
あまり義肢についてよく知らない人がこれを聞くと、「じゃあ義足で走るなんて夢のまた夢?」なんて思うかもしれませんね。
しかし、障がい者の方が活躍するパラリンピックでは、全速力で走ったり、跳んだり跳ねたりしている義足アスリートたちの勇敢な姿がみられます。
そこでこの記事では、人生で走る喜びをもう一度かなえるスポーツ用義足を紹介!
アスリート用のスポーツ義足の仕組みから、子ども用のスポーツ義足の開発、そして「走ること」が人々にもたらす希望について解説します。
神戸医療福祉専門学校は、義肢装具士として活躍するのに必要な知識や技術を学べる専門学校です。
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目次
身体の一部として進化する義足
人間は、脳から届いた指令に体が反応することで、一つ一つの動作を行うことができます。
しかし、足の一部を欠損または切断した人の場合、脳からの指令を義足に直接伝えることはできません。
このため、身体からうまく義足へ力を伝達することが求められます。
そのためにはなるべく、義足は身体からの力が反映されやすい作りでなくてはいけません。
とはいえ、義足の動かし方は、生まれもった筋肉や関節の動かし方とはまったく異なるものです。
実際義足でいきなり歩き始めるのは難しく、少し前までは、訓練用義足で歩けるようになるまで、切断から半年以上かかることも珍しくありませんでした。
しかし現在では、義肢装具士の活躍や医療・技術の発展により、2〜3ヶ月での歩行が可能になってきています。
また最近では、シリコンゴムや強化プラスチックなどの新しい素材を使った、軽くて快適な義肢が次々に誕生。
障がい者がよりQOL(人生の質)の高い毎日を送れるよう、身体の一部としての義足の進化がすすんでいます。


「走る」を叶えるスポーツ用義足とは?
はじめはあくまでも、日常生活の補助機能として生まれた義足。
しかし技術が発展した今では、義足を使っている人がなるべく切断前と同じように過ごせるよう、さまざまな取り組みが行われています。
そのうちの一つが、もう1度人生で走ることを叶える、スポーツ用義足です。
板バネという仕組みなら走行や跳躍が可能
スポーツ用義足とは日常用の義足とはちがい、陸上競技から水泳用、スキー用までさまざまなスポーツに合わせて作られた義足です。
日常用義足の場合は、外見に配慮してウレタンなどでそのパイプ部分が覆われていますが、競技に特化したスポーツ用義足は、機能を重視した独特の形状となっています。
スポーツ用義足のはじまりは1984年、板バネという仕組みを採用した競技用義足です。
板バネとは、アルファベットのJやCのような形状をしている足部。
反発力があるので、日常用の義足ではかなわない走行や跳躍が可能となっています。
低価格・子ども向けのナイロン製義足に期待
通常、板バネには軽量で反発性のあるカーボン繊維がその素材として使われています。
ただしカーボン繊維を使用した板バネは1〜2年で反発性が劣化するため、その都度交換する必要があります。
また、その値段も20万円〜50万円と決して安いものではありません。
このためスポーツ用義足の用途は主にアスリートに限られ、一般市民にはあまりなじみのないものでした。
しかし2019年、鉄道弘済会がナイロン樹脂製スポーツ用義足の開発に成功します。
体重が20キロ〜40キロの人が対象になりますが、約7万円という低価格で手に入るため、子ども向けのスポーツ用義足としての期待が高まっています。
まだ軽量化や耐水性などいくつかの課題を残していますが、改良・大量生産がすすめば、障がいのある子どもたちでも元気にスポーツを楽しめる時代が来るかもしれません。
「義足でも走れる」ことが人生に希望をもたらす
かつては、本来義足は日常生活をサポートするというものだという観点から、日常用の義足に対して、スポーツ用の義足を「お金持ちの義足」「娯楽用の義足」といった見方をする人もいました。
しかし、「義足でも走れる」ということは、体育に今まで参加できなかった子どもはもちろん、大人にも生きる希望をもたらします。
なぜなら、他の人とくらべてできないと自分で思っていた事、周りに思われていた事を克服できるのは、間違いなく人生の成功体験であり、それと同時に一種の新しい社会参加に他ならないからです。
板バネの研究が今後も発展し、手の届きやすい値段になれば、切断によってスポーツを諦めざるを得なかった人はもちろん、生まれつきの欠損により今までスポーツをしたことがなかった人でも、運動が楽しめるようになるでしょう。


あなたの作る義足が人の未来を変えるかもしれません
障がい者が気軽にスポーツができる時代をつくるためには、義肢装具士の活躍が欠かせません。
義肢装具士とは、一人一人に適した義手や義足を作る職人のことです。
「人生でもう一度走る喜びを味わいたい」
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卒業生の声
「患者さんの願いを叶えられるスペシャリストをこれからもめざしていきます。」(2017年度卒業)
「患者さんに本当に喜んでいただけた時、やりがいを感じます。」(2008年度卒業)
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監修・運営者 | <神戸医療福祉専門学校 三田校> 理学・作業・言語・救急・義肢 |
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