整形靴
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この記事の執筆者神戸医療福祉専門学校 三田校 義肢装具士科
神戸医療福祉専門学校 三田校 義肢装具士科は日本で唯一の4年制。
義肢装具士の輩出数全国No.1の名門校で、国際義肢装具協会(ISPO)の認定校です。モノ作りと医療を深く学ぶ実習中心のカリキュラムで確かな力が身につきます。産学連携による特別実習では、グローバルな最新技術が学べ、パラアスリート支援の第一人者である臼井二美男先生など、業界の第一線で活躍されているさまざまな方の講義が受けられます。

足にさまざまな悩みを抱えた人にとっての靴の選択肢として、整形靴というものがあることをご存じでしょうか。
整形靴とはそもそもどんなものなのか、どんな人たちにとってメリットがあるのか解説していきます。

神戸医療福祉専門学校は、整形靴技術者として活躍するのに必要な知識や技術を学べる専門学校です。

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そもそも整形靴とは

整形靴とは、扁平足や外反母趾、左右の脚長差があるなど足にトラブルを抱えている方にとっても履き心地がよく、歩行をサポートするための医療目的の靴のことを指します。
ヨーロッパで“Orthopedic footwear”と言われるもので、日本では整形靴と呼ばれます。

各個人の足の形状や症状に合わせて作られており、足の型を採り木型から作るもの、既製の木型を修正して作るものが挙げられます。
また靴ではありませんが、足の裏にかかる圧の調整や変形の矯正などを目的に作られる靴の中敷(インソール)も整形靴技術の重要な一分野となっています。


整形靴ができることとは

オシャレな整形靴整形靴は患者さん一人ひとりが抱える悩みにあわせてさまざまな対策を行うことができるものです。

整形靴を求める人の多くは、足に悩みを抱えています。
主な悩みとして挙げられるものは、扁平足から外反母趾など多くの人々に知られているものから、かかとの骨が内側に倒れた状態になる外反足や足の横アーチが低下して足幅が広がってしまう開張足などがあります。
また、さまざまな病やケガによって、足に麻痺や変形が起き、歩行が困難になってしまった人々に対して整形靴を製作するケースがあります。

そういった方に対して足に合った靴を提供することで、足のトラブルを改善、もしくは軽減しながら日常生活を快適に過ごすためのサポートができるのが整形靴です。

では次に、整形靴を実際に使用した症状の例を見ていきましょう。

整形靴を使った症状の例とは

先ほどお話ししたように、整形靴はさまざまな足の悩みをかかえている人々に向けて製作されるものです。
では、どのような疾患の方へどんな靴を作るのか、一例をとりあげてご紹介していきたいと思います。

症状の例

  • プロフィール:70歳代、男性
  • 疾患名:急性灰白髄炎
    疾患名:急性灰白髄炎・・・ポリオともよばれ、ポリオウィルスにより脊髄神経の灰白質という部分が侵される。はじめの数日間は風邪のような症状があらわれ、その後足や腕に麻痺が起こる。

Before

  • 左肩のほうが高い(1)左肩のほうが高い
  • ハンマートゥ(2)ハンマートゥ
  • 外側に倒れている(3)外側に倒れている

このケース場合、右足が爪先立ちになり、かかとが地面に着かない状態になっています。
また、かかとの骨が内反し、体重が外側にかかってしまっています。足の指は上に上がって「ハンマートゥ」と呼ばれる状態になります。
その結果、立ったとき左肩の方が上がった状態になり、バランスが取りにくくなっています。

以上の症状から、整形靴を製作することになりました。

After

  • 倒れている外側を支える(4)倒れている外側を支える
  • 指が当たらないよう高くした靴(5)__上に延長した位置
    – – –通常の位置
    (6)指が当たらないよう高くした
  • 外側に倒れにくくなった(7)外側に倒れにくくなった

整形靴を用いて足が外側に倒れないように中敷で支え、さらにカウンターと呼ばれるかかとの補強を通常より上に長くしました。また、足の指が当たらないように厚みをつけて余裕を持たせました。
それによって外側に倒れにくくなり、体が傾くことなく歩行ができるようになりました。

歩行の様子

次に、整形靴を履くと、歩行の様子がどの程度変化するのかを見ていきましょう。

素足での歩行と比較

今回は、ポリオの後遺症によるケースを見ていきたいと思います。

素足での歩行

整形靴なしでの歩行素足の状態での歩行の様子を見ていくと、ポリオの後遺症によって足をかばい、足をなかなかうまく前に出せないでいる様子が見えてきます。

その結果、右足が爪先立ちの状態と、不安定な歩行の様子となっています。
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整形靴での歩行

整形靴を履いて歩行整形靴を履いた状態での歩行の様子を見ていきましょう。
爪先だけで体重を支えていた右足に、足全体で体重を支えるように整形靴を調整したことによって、ポリオの後遺症によってかばっていた歩行に変化があるのが見えてきます。
整形靴によって歩行が安定し、足もスムーズに前に出るようになりました。
Play movie動画を閲覧する▶︎

まとめ

今回は、整形靴の役割から、歩行の様子などを見ていきました。
上記からわかるように、痛みがあって既製靴が履けない場合でも、整形靴によって変形の進行を遅らせたり痛みを軽減させたりして、より歩きやすくサポートができるのです。

靴の歴史の浅い日本では、靴によって健康が左右されるという認識が薄いのが現状です。
ご自身やもしくは身近な人が足の悩みで困っているという方は、ぜひ整形靴について調べてみてください。
必要に応じて医療機関で整形靴についてご相談いただくか、整形靴技術を持った靴店に相談すれば、インソールの製作・加工など相談に乗ってもらえます。


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「患者さんに本当に喜んでいただけた時、やりがいを感じます。」(2008年度卒業)

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