パーソナルトレーナーといえば、一昔前まではプロのスポーツ選手や芸能人がつけるものというイメージがありましたね。
しかし、フィットネスブームで一般の利用者も増えてきた今はパーソナルトレーニングもより身近なものとなり、それにともなって「パーソナルトレーナーになりたい」という人もまた増えてきています。
そこでこの記事では、いま人気のパーソナルトレーナーになる方法や主な仕事内容、おすすめの資格などについて紹介していきます。
目次
パーソナルトレーナーになるには
実は、パーソナルトレーナーという職業に資格は必須ではありません。
つまり、理論上は資格がなくても誰でもパーソナルトレーナーとなることが可能です。
しかし、パーソナルトレーナーの仕事はダイエットやリハビリなどクライアントの目的を達成するために食事や運動の指導を行うこと。
トレーニングや栄養学などに関する幅広い知識が必要なほか、クライアントの信頼を得るためにも実際にパーソナルトレーナーとして活躍している人のほとんどは何らかの資格を取得しているというのが現状です。
パーソナルトレーナーになる方法
パーソナルトレーナーになるには主に以下の四つの方法があります。
資格を取得する
パーソナルトレーナーになるための公的な資格はありませんが、ジムに所属している方でもフリーの方でも、現在活躍しているパーソナルトレーナーはそのほとんどが健康・スポーツに関する資格を取得しています。
その中でも特にパーソナルトレーナー向けの資格であるNESTA PFT、NSCA、JATI-ATIなどは業界でも認知度が高いことから人気の資格となっています。
体育大学やスポーツ関連の学校に入学する
体育大学やスポーツに関する専門学校に入学・卒業するというのも、パーソナルトレーナーを目指す方法の一つです。
運動生理学や機能解剖学、トレーニング理論や栄養学などパーソナルトレーナーとなるために必要不可欠な知識を体系的に学ぶことができます。
民間資格の取得をサポートしてくれる学校を選べば、在学中に資格を取得することも可能です。
パーソナルトレーニングジムに就職する
パーソナルトレーニングジムの中には未経験者を正社員として採用しているところもあります。
こういったところに就職できれば、社内の研修で必要な知識と技術を身につけてすぐにパーソナルトレーナーとして活躍することが可能です。
働きながらパーソナルトレーナーを目指す
独自の社内資格を準備しているフィットネスクラブなどにアルバイトとして入社し、パーソナルトレーナーおよび正社員登用を目指すというのも一つの手段です。
給料をもらいながらパーソナルトレーナーとなるのに必要な知識と技術を学ぶことができます。
ただし、あくまでも会社独自の資格となるため転職時にはあまり評価されない可能性があります。
パーソナルトレーナーの仕事内容
パーソナルトレーナーの仕事は、クライアントにマンツーマンでトレーニングや食事、メンタル面の指導を行うことです。
まずはカウンセリングを行い、健康増進やリハビリ、ダイエットやボディメイクなどトレーニングの目的や理想の状態をヒアリング。
目標を達成するために、クライアントの筋力や体の状態に合わせて運動やストレッチを組み合わせたオリジナルのメニューを提案、実施していきます。
また、必要に応じて食事制限や栄養指導などのアドバイスを行うこともあります。
パーソナルトレーナーを目指すのにおすすめの資格
フィットネス系の資格にはさまざまなものがありますが、その中でもパーソナルトレーナーに特化したおすすめの資格は以下の3つです。
- NSCA-CPT
- NESTA-PFT
- JATI-ATI
NSCA-CPT
NSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)が発行するパーソナルトレーナー向けの資格です。
年代、性別を問わず幅広いクライアントを対象としたトレーニングやコンディショニング指導を学ぶことが可能です。
世界で46,000人以上の資格保有者がいるNSCAの認定資格であることから業界での知名度も高く、実際、2020年9月 現役パーソナルトレーナー300人を対象とした調査でも取得して良かった資格ランキング第1位という結果を残しています。
NESTA-PFT
NESTA(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)が認定するパーソナルトレーナー向けの資格です。
クライアントのニーズに的確に応えるプログラムを提供するために必要なスキルを身につけることができます。
NSCA-CPT同様国際的に認知度が高いため、こちらも人気のパーソナルトレーナー資格です。
JATI-ATI
JATI(日本トレーニング指導者協会)が認定するパーソナルトレーナー向けの認定資格です。
トレーニング法や指導法など日本におけるパーソナルトレーニングのスタンダードな知識と技術が身につきます。
国内のトレーナー資格としては最も知名度が高いため、パーソナルトレーニングジムやフィットネスクラブへの就職を考えている場合はかなり有利な資格だといえるでしょう。
トレーニングの現場で活躍できる国家資格はある?
パーソナルトレーナー向けの資格であるNSCA-CPT・NESTA-PFT・JATI-ATIは民間の事業者が認定する民間資格です。
それでは、民間資格よりさらに社会的な信頼性や信用性が高いといわれている国家資格の中で、パーソナルトレーナーを目指すのに役立つものはないのでしょうか?
実は最近では、鍼灸師や理学療法士などの医療資格を持つ人々が、パーソナルトレーナーなどのトレーニングの現場で活躍するケースが増えてきています。
鍼灸師(はり師・きゅう師)
鍼灸師とは、全身にあるツボを鍼(はり)や灸(きゅう)で刺激する鍼灸治療で、病気の予防・治療や健康回復を助ける職業です。
もともと患者さんのお悩みや体質、症状やその日の体調などに合わせて施術する医療技術であることからパーソナルトレーニングとの相性は◎
はり師・きゅう師の資格を取得することで鍼灸治療×パーソナルトレーニングというオリジナリティのあるプログラムを提案することが可能となります。
理学療法士
理学療法士とは、起きる・立つ・歩くなど基本動作の改善を図るリハビリテーションの専門職です。
身体の動きのサポートや指導経験など仕事内容で共通する部分も多いため、パーソナルトレーナーとしても歓迎される傾向にあります。
リハビリに特化したパーソナルトレーニングや医学的根拠に基づいたプログラムが提案可能となるため、他のトレーナーとの差別化はもちろん、メディカルフィットネス施設への就職にも強いといえるでしょう。
パーソナルトレーナーの収入
パーソナルトレーナーの平均年収は約352万円です。
月給に換算すると29万円、アルバイト・パートの場合は時給1,031円が平均となっています。
日本の平均年収である443万円に比べると低い傾向にありますが、人によっては年収が600万円を超えることもあるため、勤務先やスキル、人気度などの個人差も大きい職業だといえるでしょう。
パーソナルトレーナーに似ている職業
パーソナルトレーナーに似ている職業としてはスポーツトレーナーがあります。
スポーツトレーナーとは、スポーツ選手のコンディションを整えるサポートをする職業で、
具体的にはパフォーマンス向上のための指導や怪我のリハビリ、心身のケアや食事管理などが仕事です。
パーソナルトレーナーが個人のお客様に対してダイエットやボディメイク、健康増進などのを目的とした指導を行うのに対し、スポーツトレーナーはプロのアスリートや実業団の選手などに対してトレーニング指導を行うという違いがあります。
『鍼灸師』はスポーツの現場で活躍できる国家資格
近年では『スポーツ鍼灸』といって、スポーツ選手の心身のメンテナンスに鍼灸治療を役立てようという考え方が広まりつつあります。
実際、鍼灸師の中にもスポーツ施設に就職する人やスポーツトレーナーとして活躍している人が増えてきています。
そして最近ではさらにそのフィールドが広がって、パーソナルトレーナーとして活躍する鍼灸師も現れ始めました。
このように鍼灸師はスポーツの現場でもさまざまな活躍の仕方が選べる国家資格です。
「スポーツと医療で人々の健康を支えたい」
「医療・スポーツ関係に興味があるけどなりたい職種はまだ決まっていない」
という人はぜひ鍼灸師の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
パーソナルトレーナーとなるのに必須の資格はありません。
しかし、現在活躍しているパーソナルトレーナーのほとんどは何らかの運動・スポーツ系の資格を取得しているというのが現状です。
パーソナルトレーナー向けの資格としては、NSCA-CPTやNESTA-PFT、JATI-ATIなどの民間資格がメジャーですが、そのほか鍼灸師や理学療法士などの国家資格と組み合わせても、パーソナルトレーナーとして付加価値を高めることができるでしょう。
どんな人を対象にどんなトレーニングを行いたいかなど、なりたいヴィジョンを明確にしておくと自分の取得すべき資格が自ずと見えてくるはずですよ。
監修・運営者情報
監修・運営者 | <神戸医療福祉専門学校 中央校> 鍼灸・介護・精神 |
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