スポーツコンディショニングとは?アスリートに必要な心身の健康

「スポーツコンディショニングという言葉をよく耳にするけど、意味をちゃんと理解していない」という方も多いのではないでしょうか。

スポーツコンディショニングは、プロスポーツ選手から趣味でスポーツをしている方まで、運動をする人全員に必要なものです。

この記事では、スポーツコンディショニングとは何かを解説するとともに、その重要性や効果、方法をご紹介します。

スポーツコンディショニングとは

スポーツコンディショニングとは、競技などで最大限のパフォーマンスを発揮できるように、心身の状態を良好にすることです。

プロのスポーツ選手はもちろん、部活動で結果を出したい学生やスポーツを楽しみたい社会人など、スポーツに関わる全ての人におすすめです。

スポーツコンディショニングには主に、体力、精神、技術、医療、栄養、環境の6つの要素があるとされます。

これらを総合的に調整することで、心身の状態をコントロールしていきます。

1.体力面

体力面におけるスポーツコンディショニングとは、筋力や柔軟性のトレーニングを行うことで、怪我をするリスクをできる限り避けるというものです。

厚生労働省の「運動器の機能向上マニュアル」によると、運動に慣れていない方が安全に運動できるようにするためには、十分な準備運動と、運動負荷を段階的に上げていく「コンディショニング期間」を設けることが大事だとされています。

慣れないうちから無理に負荷をかけすぎると、身体を痛める可能性があるので注意しましょう。

参照:厚生労働省 運動器の機能向上マニュアル

2.精神面

スポーツにおいて、精神的な健康の良し悪しはパフォーマンスに強く影響します。

そのため、日常的なストレス解消やメンタルトレーニングが重要です。

プロのスポーツ選手は、緊張を緩和するための独自のルーティーンを行っていることが多いです。

また、リフレッシュするための時間を定期的に確保することも有効です。

3.技術面

バイオメカニクス(生物の構造や運動を力学的に研究し、応用する学問)などを用いて、技術面からアスリートのパフォーマンス向上にアプローチすることも、スポーツコンディショニングのひとつです。

最新の技術を駆使して、アスリートの動作を解析しアドバイスする、アスリートにとって効果的なトレーニングメニューを考えるといったサポートが行われています。

4.医療面

医療面のスポーツコンディショニングとは、スポーツ医学やリハビリテーションなどの医療的なアプローチで、スポーツをする方を支えることを指します。

具体的な例としては、アスリートが怪我をした際、理学療法士によって行われるリハビリテーションや、メディカルトレーナーによる競技復帰へのサポートなどがあげられます。

また、疲労骨折や膝前十字靭帯損傷、脳しんとうなどのスポーツ障害を防止するためには、コーチや選手自身が、障害の発生リスクに対する正しい知識をもっていることも重要です。

5.栄養面

スポーツでパフォーマンスを発揮できる身体作りをするためには、栄養を意識して食事を摂ることが大切です。

主食、主菜、乳製品、果物などをバランス良く取り入れた食事を意識しましょう。

  • 主食…白米、パン、うどんなど 糖質が豊富。運動する際のエネルギー源になる。
  • 主菜…肉、魚、卵、豆腐など たんぱく質が豊富。血や骨、筋肉を構成する
  • 副菜…野菜、きのこ、いも類など 食物繊維、ビタミンやミネラルが豊富。
  • 乳製品…牛乳、ヨーグルトなど カルシウム、たんぱく質、ビタミンB2が豊富。
  • 果物…糖質、水分、ビタミンCなど 抗ストレス作用が期待できる。

6.環境面

運動することによって身体に起こる変化や仕組みについて研究する運動生理学の観点から身体を整えることも、スポーツコンディショニングのひとつです。

規則正しい生活習慣を送ることで、心身のコンディションを良好に保ちましょう。

また、仰向けや座った状態のストレッチ、四つ這いや膝立ち姿勢でのバランス運動、運動前のウォーミングアップまたは運動後のリラクゼーションも効果的です。

スポーツコンディショニングの効果

スポーツコンディショニングの効果

スポーツコンディショニングには、運動パフォーマンスの向上や怪我の予防以外にも効果があります。

スポーツコンディショニングを行うことで、血管やリンパ液の流れが良くなり、老廃物を排出しやすくなります。

また、運動による疲労が十分に回復しないまま慢性疲労状態に陥る「オーバートレーニング症候群の予防につながるのも嬉しい効果だといえるでしょう。

主なスポーツコンディショニングの例

主なスポーツコンディショニングの例

スポーツコンディショニングとは、具体的にどういった行動を指すのでしょうか。

主なスポーツコンディショニングの例として、ストレッチ、クライオセラピー(身体冷却法)、鍼灸をご紹介します。

ストレッチ

厚生労働省が推奨しているコンディショニングのためのストレッチをご紹介します。

以下の運動を、ゆっくりとした動作で20~30回反復して行いましょう。

〜座って行うストレッチ〜

  • 首、肩を回す
  • 肩の上げ下ろし、腕の上げ下ろし(肩甲骨を意識する)
  • 天井を押すように片手を伸ばして側屈、反対の手は床に置く
  • 胸を開くようにして、肩甲骨を寄せる
  • 胸の前で手を組み、腕を前に伸ばす、背中を丸めて肩甲骨を開く
  • 足を伸ばして、足首を回す(内回し、外回し両方)

〜仰向になって行うストレッチ〜(左右それぞれ行う)

  • 足を腰幅に広げて膝を曲げ、おへそが上に向く状態で、下半身を捻って倒す
  • 両膝を曲げ、片方の膝を両手で胸に近づけて臀部を伸ばす
  • 両膝を曲げ、片方の太ももの裏側を両手で持ち、足を天井に向けて伸ばす
  • 両方の足裏を合わせて股関節を開く(腰が浮かないように)

クライオセラピー(身体冷却法)

クライオセラピー(寒冷療法)は、氷や冷却装置によって身体を冷やすことで、組織損傷に伴う出血や浮腫、筋の痙攣、疼痛などの症状を緩和させるものです。

冷却によって局所の血行と代謝を減少させて代謝産物の放出を抑え、組織損傷の進展を最小限にする効果があります。

トレーニングや競技の後に実施すると効果的です。

鍼灸

東洋医学の治療法で、細い鍼(はり)やお灸を使って経穴(ツボ)を刺激する鍼灸(しんきゅう)というものがあります。

鍼灸は、高齢者向けの治療であると考えている方も多いです。

しかし、鍼灸の施術はスポーツにおいて、スポーツ傷害の治療や予防、コンディショニングの目的で行われていることをご存知でしょうか。

運動前に鍼治療を行うことで、抗酸化力が上がり、酸化ストレスによる影響が少なくなることや、動体視力の低下を抑える効果があることがわかっています。

つまり鍼灸は、スポーツを行うあらゆる世代の人に必要とされる治療法であり、重要なスポーツコンディショニングの一つです。

鍼灸師になることで、スポーツ選手やスポーツを楽しみたい若者をサポートすることができます。

スポーツコンディショニングを支える鍼灸師を目指すなら

スポーツコンディショニングは、アスリートやスポーツを楽しむ方々の心身の健康を保つ、重要なプロセスです。

スポーツコンディショニングのひとつである鍼灸の施術は、高齢者だけではなく、現役のプロスポーツ選手を始め、スポーツを趣味とする全ての年齢の人に効果的です。

そのため、鍼灸師は、スポーツ選手やスポーツファンをサポートする職業でもあります。

鍼灸師を目指すなら、医療系の専門学校へ通うことをおすすめします。

神戸医療福祉専門学校(中央校)の鍼灸科なら、スポーツ、美容、福祉、医療といった様々な分野の授業を履修することができ、自分の活躍したいフィールドの幅を広げることが可能です。

鍼灸師としてアスリートを支えたいと考えている方は、ぜひ神戸医療福祉専門学校(中央校)の鍼灸科への進学を検討してみてはいかがでしょうか。

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