
神戸医療福祉専門学校
整形靴科整形靴科 Instagram
神戸医療福祉専門学校 三田校 整形靴科は、本場ドイツの整形靴マイスター養成校のカリキュラムを踏襲し、2年間で医学的にもデザイン的にも優れた靴作りの技術が学べる2年制の専門学校。
靴作りの長い歴史を持つ、本場ヨーロッパ(ドイツ、オーストリアなど)での海外研修など、靴作りの本場を訪れ、視野を広げることも可能です。
市販の靴はなるべく多くの人が履けるよう、同一の規格で大量生産されています。
さらに、その規格も靴を製造する国やメーカーによってばらばら。
このため、一人一人の足にフィットした靴を見つけるのは大変難しいです。
特に、足に病気や変形などの障がいを抱えている場合、自分にぴったりの靴を探すのはさらに困難を極めます。
そんな風に「なかなか自分に合う靴が見つからない。」という人のために誕生したのが、オーダーメイドの整形靴。
一人一人の足の形や症状に合わせて作るので、義足の人や、足に変形がある人でも、かならず自分にぴったりの靴ができあがります。
この記事では、そんなオーダーメイドの整形靴の工夫について解説していきます。
目次
足に障がいがあっても快適に歩ける整形靴とは?
整形靴とは、足に病気や障がいなどのトラブルを抱える人のために作られる、オーダーメイドの靴のことです。
医者の処方をもとに、義肢装具士や靴職人の手によって製作されます。
歩行時の足の痛みや体にかかる負荷を軽減し、快適な起立・歩行などの動作をサポート。
歩きやすく、疲れにくいというだけでなく、障がいの悪化を防ぐ予防効果もある医療器具となっています。


整形靴はこんな足の悩みがある人におすすめ
整形靴は、障がいや疾患・変形など、足に何らかのトラブルを抱えている人におすすめです。
具体的には、以下のような症状がある人に多く利用されています。
・義足などの装具をつけている
・外反母趾など足が変形している
・糖尿病などによる歩行困難
それぞれの解説をしていきましょう。
義足などの装具をつけている
義足などの装具をつけていると、その上から市販の靴を履くのはかなり困難です。
さらに、履くこと自体はできても、装具によって足首が固定されているため、脱いだり履いたりがしづらいというストレスがあります。
整形靴はこういった義足などの装具をつけている方のための装具用靴にも対応しています。
歩行時のサポートだけでなく、装具を装着したままでも着脱しやすい工夫がほどこされているため、日常のストレスや体にかかる負荷を軽減することが可能です。
外反母趾など足が変形している
足の親指が小指の方向に「く」の字に曲がっている外反母趾や、土踏まずがつぶれてしまっている状態である扁平足。
こういった足の変形にも、整形靴の使用がおすすめです。
歩行時の痛みを緩和するだけでなく、足の変形や症状の進行を食い止め、改善する効果も期待できます。
糖尿病などによる歩行困難
糖尿病の合併症の一つに、糖尿病足病変という歩行困難をまねく病気があります。
糖尿病足病変は、糖尿病による神経障害や血流障害が原因で起こってしまう病気です。
具体的な症状としては、足に潰瘍ができたり、組織が死んでしまう壊疽が起きたりなどがあります。
糖尿病足病変の治療は難しく、症状が進行すると最悪の場合、足を切断せざるを得ないこともあるほどです。
こういった糖尿病による歩行困難をサポートしたり、糖尿病足病変の悪化を防いで切断リスクを軽減したりするためにも、整形靴が活用されています。
歩きやすい整形靴の工夫とは?製作例を紹介
整形靴には、一からその人に合わせた靴を製作する靴型装具と、インソールやサポーターのように部分的に足を保護する足底装具があります。
どちらも患者さんの症状や目的に合わせてオーダーメイドで作られ、足に障がいがある方でも快適に歩けるよう、さまざまな工夫が施されています。
たとえば義足などの装具をつけている方のためには、つま先まで大きく開閉できるようになっているなど着脱しやすい靴型装具を製作します。
また、外反母趾の方には、その人に合った足幅、甲の高さ、素材で靴を製作し、内部で足が圧迫されないようにしています。
扁平足や開帳足など足のアーチが崩れている症状の場合は、足底装具であるインソールで対応。
アーチ機能を補助し、体重を足の裏全体で支えることができるよう補正します。


足に障がいがある方の靴選びのポイント
一人一人に適合するよう作られている整形靴は、足に障がいを抱えている方に最適です。
しかし、基本的にオーダーメイド制なので、保険適用でも平均3〜5万円と一般的な靴より割高になるという弱点があります。
そこで、ここからは足に障がいがある方のために、市販の靴選びのポイントもあわせて紹介していきます。
整形靴で工夫されているポイントを参考にすると、自分にあった靴の選び方が見えてきますよ。
義足の場合は履き口が広くて、しっかり締められるものを
義足などの装具を付けている場合は、足首が固定されているため、着脱がしづらくなります。
このため、足を入れる際に十分に履き口が開くものを選ぶとよいでしょう。
また、脱げてしまうことのないようベルトなどの留め具でしっかり締められるものがおすすめです。
外反母趾の方は圧迫されないものをチョイス
外反母趾や扁平足などの変形は、サイズの合わない靴が原因で起こることも多いです。
小さな靴を履いて窮屈な思いをしていたり、逆に大きな靴を履いて、中で足が前すべりしていたりすると、足が圧迫されて変形につながります。
このため外反母趾の方は靴のつま先や幅が広く、足が圧迫されないものを選ぶのがおすすめです。
さらに、靴の中で足が前に滑らないよう、バンドや紐などで固定できるものや、親指の付け根にあたる部分がソフトな素材のものだと安心です。
足のアーチ機能はインソールで補正
足の裏側には、内側と外側に縦のアーチが二本、そして前方に横のアーチが一本あります。
この三本のアーチが土踏まずを形成し、体のバランスを維持したり、衝撃を吸収したりする役割を担っているんですね。
こういったアーチが縦・横に崩れることで起きる扁平足や開帳足には、足底板(インソール)の活用がおすすめ。
アーチ機能をサポートするタイプのインソールは市場にたくさん出回っているので、症状が軽度の場合はまず、市販のものから試してみると良いでしょう。
整形靴とは人生が歩みやすくなる靴
どんなに靴選びに気をつけても、足に障がいがある方がなかなか履けない靴があります。
それは革靴やブーツなど、デザイン性の高い靴です。
義足の場合、スニーカーなら市販の靴でも、サイズ違いで2足買えば大丈夫という人もいるかもしれません。
しかし、少し作りの凝ったおしゃれな靴になると、そもそも履けなかったり、着脱に時間がかかったりしてしまうことが多いです。
その点、オーダーメイドの整形靴なら市販のものでは履きにくい革靴でもブーツでも、自分にぴったりのものを好きなデザインで注文可能となっています。
足に障がいがあるからといって、おしゃれを諦める必要はもうどこにもありません。
このように、最近の整形靴には、物理的な歩きやすさだけでなく、障がいを抱えた人が人生そのものを楽しく歩めるような工夫が施されているんですね。


まとめ
一人一人に適合するようオーダーメイドで作られた整形靴は、足に障がいを抱えている人に最適です。
整形靴には快適な歩行をサポートするだけでなく、症状の進行を予防・改善する効果もあります。
さらに、最近では機能性だけでなく、ファッションとしても楽しめるようなデザイン性の高い整形靴も増えてきています。
「歩くのが楽になって、外に出かけるのが楽しみになった。」
「今まで諦めていたおしゃれができて嬉しい。」
そんな風に、すべての人が人生を楽しく歩めるような整形靴を作るのが、整形靴技術者の仕事です。
あなたも神戸医療福祉専門学校で靴作りの技術を学んで、世界に一つだけの整形靴を作ってみませんか?
監修・運営者情報
監修・運営者 | <神戸医療福祉専門学校 中央校> 鍼灸・介護・精神 |
---|---|
住所 | 〒650-0015 兵庫県神戸市中央区多聞通2-6-3 |
お問い合わせ | 078-362-1294 |
詳しくはこちら | https://www.kmw.ac.jp/ |
中央校