
みなさんは、吃音(きつおん)という障害を知っていますか?
吃音とは、発話障害の一つで、最初の音節を繰り返したりして、なめらかに話すことができない状態などを指します。
この記事では、そんな吃音の症状や原因、治療が受けられる場所や、周囲の人の関わり方などについてご紹介していきます。
目次
吃音(きつおん)とは
吃音(きつおん)とは、発話障害の一種で、流暢に話すことができない状態です。
滑らかに発音したり、リズミカルな流れで会話することが難しく、具体的には、話すときに言葉に詰まったり、一部の音を繰り返したり、引き伸ばしたりするなどの症状があげられます。
少し前までは「どもり」と呼ばれることもありましたが、この言葉は差別的な意味合いが強いため、公式な場で使用されることはなくなっています。


吃音の種類
吃音とは、以下の代表的な症状が一つまたは複数現れることをいいます。
- 連発(繰り返し)
- 伸発(引き伸ばし)
- 難発(ブロック)
一般的には連発、伸発の段階を経て、難発(ブロック)へと進行することが多いといわれていますが、その発現には個人差があります。
連発(繰り返し)
音や語の一部を繰り返す症状です。
例えば、「わ、わ、わたし」のように語頭音を繰り返すことが多くあります。
伸発(引き伸ばし)
一部の音を引き伸ばす症状です。
「わーーたし」など母音を引き伸ばして話すケースがよくみられます。
難発(ブロック)
言葉が出せずに詰まってしまい、間があいてしまう症状です。
「(………)っわたし」「(……)こっこんにちは」というように、最初の一音が出るまで時間がかかることもあります。
言葉を出そうとするあまり、顔をしかめたり、舌に力が入ったり、体を動かしたりする随伴運動が見られることが多いのも難発の特徴です。
吃音の原因
吃音の原因はまだはっきりと特定されていませんが、大別すると主に、発達性吃音と獲得性吃音に分かれます。
発達性吃音
吃音の9割を占めるのが、発達性吃音です。
身体・認知・言語能力などが発達する幼児期(2歳〜5歳)頃に、5〜8%くらいの割合で発症します。
獲得性吃音
一方、神経性の疾患や脳の損傷など、神経系に問題を抱えることで発症する吃音や、心的外傷やトラウマ、ストレスなどの心理的な理由で発症する吃音を、獲得性吃音といいます。
神経性と心因性、どちらの場合も青年以降(10代後半〜)に発症することが多いです。
つまり、吃音は必ずしも生まれつきのものというわけではなく、大人になっても外的または心理的な要因によって起こる可能性があるということです。


吃音が現れやすい場面とは?
吃音は原因や症状が多岐にわたるだけでなく、症状が出やすい時期や場面にも個人差があります。
発達性の吃音では、苦手だと思っている音を発する時や、緊張や不安など抱えた時に、その症状が現れやすくなります。
苦手な音を発する時
吃音が現れやすい場面の一つとして、話し言葉の問題があげられます。
同じ吃音の人でも、「サ行が苦手」「イ段が苦手」など、人によって不得意だと思っている言葉はさまざま。
このように、苦手な特定の音や言葉を発さなくてはいけないときに、吃音が現れることがよくあります。
不安な状況やプレッシャーを感じた時
吃音は、緊張や不安、プレッシャーを感じる場面など、心理的な問題を抱えた時に発現することも多いです。
特に、吃音で笑われたり、叱られたりした経験があると、どうしても周りの目を気にするようになってしまいます。
特に「どもらないようにしよう。」と吃音を意識すればするほど、逆に症状が増えるケースが多いです。
吃音の対処法
それでは、身内や同僚に吃音、または吃音の傾向がある人がいる場合、周囲にいる人は一体どのような関わり方をすればいいのでしょうか?
次は、吃音の治療が受けられる場所や、吃音のある人との基本的な話し方について紹介していきます。
吃音のある人との話し方
吃音のある人と接するときは、相手のペースに合わせることが大切です。
たとえ親切心のつもりでも、「落ち着いて」「ゆっくり話して」など、話し方のアドバイスをしたり、相手の言おうとすることを先回りしたりするのは逆効果になる場合もあります。
焦ったり、もし誤解があっても言い直せなくなってしまったりと、結果的に心理的な負担をかけることになってしまいます。
相手がつっかえながらも一生懸命話そうとしている間は、さえぎらずに最後まで聞いてあげてくださいね。
特に子どもと話す場合は、最後に「〜だったんだね」と話の内容を繰り返したりして、子どもが「お話しすることの楽しさ」や「伝える喜び」を感じられることを第一に接することが重要です。
吃音の治療
吃音を持つ子どもは、学齢期(満6歳〜15歳)の場合、小学校に設置されている「ことばの教室」で吃音の症状軽減や自己肯定感を保つ指導を受けることが可能です。
また、幼児や「ことばの教室」が設置されていない小学校に通学しているお子さんの場合は、療育センターや、病院のリハビリテーション学科で、言語聴覚士という言葉のリハビリ専門の先生から、親子で吃音に関する理解促進等の指導を受けることができます。
ことばの教室については、お住まいの市区町村の教育委員会に、そして療育センターや病院については、市区町村の保健センターや各都道府県の言語聴覚士会に問い合わせましょう。


吃音がある人のための支援制度
発達性吃音は、発達性言語障害の一つとして、2005年に施行された発達障害者支援法の対象となっています。
その支援制度としては、治療の自己負担額を軽減できる自立支援医療や、障害者手帳の取得、障害年金の受給などがあります。
障害者手帳を取得すると、障害者雇用枠での就職や、働くために必要な知識やスキルを習得し、職場への定着をサポートする就労移行支援など、さまざまな福祉・就職に関するサービスが利用可能になります。
まとめ
吃音は100人に1人程度は症状を持っているといわれており、決して珍しい障害ではありません。
幼児期(2歳〜5歳)に発症する先天的なものだけでなく、脳の障害やストレスなどによって後天的(10代後半〜)に発症するものもあります。
また、吃音がある人と話す時は途中で遮ったりせず、最後まできちんと聞いてあげることが大切です。
吃音の軽減や改善をはかるためには、小学校に設置されている「ことばの教室」のほかに、療育センターや病院のリハビリテーション学科にいる言語聴覚士に指導を受けるという方法があります。
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