皆さんはオステオパシー(Osteopathy)という言葉をご存知でしょうか?
オステオパシーはアメリカでは立派な医学として多くの方に認知されていますが、日本はまだ情報不足で知られていないという現状があります。
そこでこの記事では、オステオパシーについて効果や施術内容などに関して解説します。
また、どんな資格が必要なのかも紹介しているので参考にしてください。
目次
オステオパシーとは
オステオパシーは19世紀にアメリカのアンドリュー・テーラー・スティル博士によって創始されました。
オステオパシーの意味はオステオ(Osteo=骨)とパシー(Pathy=病気、治療)を合わせた造語で、スティル博士の「健康か病気かは身体の構造と関連する」という考えをあらわしたものです。
ここでは、オステオパシーの理論や原理、効果などを解説します。
オステオパシーの理論・4つの原則
スティル博士は、身体が異常な構造になることで循環器系に悪影響を及ぼすと考え、「身体・精神・魂は三位一体の存在」を発見しました。
スティル博士が発見したオステオパシーには4つの原則があります。
- 身体は一つの単位で身体と心、精神のユニットである
- 構造と機能は相互に関係する
- 身体は自己調整できる
- オステオパシーの治療は上記の原則に基づいて行われる
オステオパシーは筋肉や骨、臓器など全体的に捉え、原因を探し出して手技で治療する施術です。
オステオパシーとは手技の名前ではなく、医学の中にある“医療哲学”のことを示します。
オステオパシーの効果
オステオパシーによって改善される症状は以下の通りです。
部位 | 改善が期待できる症状 |
---|---|
頭頸部 | 頭痛 耳鳴り 眼精疲労 頸椎症・頸椎ヘルニア ストレートネック 顎関節症 |
脳神経系 | 自律神経の乱れ 自閉症 発達障害 吃音注意欠陥・多動性障害(ADHD)チック障害 |
上肢 | 肩こり 四十肩・五十肩 肘の痛み 腱鞘炎 手の痺れ |
体幹 | ぎっくり腰 椎間板ヘルニア 腰痛 猫背 骨盤の歪み |
下肢 | 坐骨神経痛 股関節の痛み 外反母趾 膝の痛み O脚・X脚 変形性膝関節症 |
上記を見て、あらゆる部位の不調を改善できることがわかります。
カイロプラクティックの違い
カイロプラクティックが背骨の歪みに対してアプローチする施術だとすれば、オステオパシーは総合的に身体へアプローチできる施術です。
カイロプラクティックは自然治癒力を高めることを目的としているため、オステオパシーと似ているともいわれています。
しかし、オステオパシーの身体の機能障害を回復させるために解剖学や生理学などを用いて施術する点に関しては、カイロプラクティックとは哲学やアプローチ方法が違うといえるでしょう。
オステオパシーの施術のやり方は大きく分けて2種類
オステオパシーの手技は「直接法」と「間接法」に大別されます。
身体の症状によってこれらを使い分けて施術します。
①直接法
直接法は症状に対して、直接的に手技を用いて治療する方法です。
例えば筋肉が固くなってストレッチができなかったり、関節を柔らかくしたりするなどの治療に用いられます。
つまり直接法とは病的限界の先にある力学動作を加えて、正常に動けるようにするものです。
②間接法
間接法は直接法とは違い、制限のない方法で行います。
オステオパシーの間接法は機能障害の方向に動かすことで脳神経にその状態を把握させることで、正常な状態に戻すということに意識を向けるものです。
身体に刺激を与えない分、正確かつ繊細な手技が求められます。
テクニックの種類
オステオパシーのテクニックの種類もあり、
- 筋膜リリース
- 内蔵マニピュレーション
- 頭蓋オステオパシー
などに分けられます。それぞれどのようなテクニックなのか簡単に説明します。
筋膜リリース
筋肉のコリは筋膜の緊張からくるものです。
筋肉とその表面を覆っている筋膜を探し、直接刺激を与える直接法や刺激を与えない間接法で改善します。
これにより筋肉の柔軟性を高めたり、痛みの原因となっている部分へ働きかけたりすることが可能です。
内臓マニピュレーション
スティル博士の時代からすでに行われていた手法です。
呼吸や身体の動きに合わせて関節が動く「可動域」と、内臓固有のリズムでもある「自動力」の不調に対して内臓をスムーズに機能させることを目的としています。
内蔵マニピュレーションという名前ですが、関節との関わりが強いのが特徴です。
頭蓋オステオパシー
頭蓋オステオパシーは、スティル博士の弟子でもあるウィリアム・ガナー・サザーランド氏が開発した手法です。
頭蓋骨の中の脳にはたくさんの神経が通っており、頭蓋骨オステオパシーによって頭蓋骨を手で触れて不調を調整します。
脳の中は中枢神経とその神経を覆う軟膜やくも膜、硬膜の三層の膜をつくる脳脊髄液などがセットになっています。
この硬膜が不調になったり頭蓋骨に動きの制限があったりすると、脳脊髄液の流れが不調になるのです。
これによって身体の神経機能にも悪影響を及ぼして、身体機能自体が不調になってしまいます。
頭蓋骨の不調を根本的なところから調整することで、これまで治療が難しかった神経系や痛みなどの症状に効果を発揮するとされています。
オステオパシーの施術者になるには資格が必要?
アメリカやフランスなどの先進国に比べてオステオパシーの知名度が低い日本ですが、
オステオパシーの施術者になるためには、どのような資格が必要なのでしょうか?
MRO(J)認定試験受験がある
日本では日本オステオパシー連合が「MRO(J)」という認定基準を設けています。
MRO(J)とはMember of Registered Osteopaths (Japan)の略で、 筆記や実技の試験に合格した者に与えられる日本オステオパシー連合(JOF)認定の証です。
MRO(J)は国内外を問わず、 オステオパスに関する一定以上の水準を証明できる資格となります。
MRO(J)の試験を受けるためにはジャパンカレッジオブオステオパシー(JCO)を卒業し、日本オステオパシー学会(JOA)からMRO(J)受験推薦を受けなくてはなりません。
オステオパシーに似たおすすめの資格
オステオパシーのような医学哲学は、東洋医学にも通ずるものがあります。
実際独立して開業されている方の中には、オステオパシーとはり師、きゅう師の資格を持っていることが多いのが特徴です。
手技にこだわりたい方なら、オステオパシーの知識と合わせて鍼灸師について学んでみるのも良いかもしれません。
まとめ
オステオパシーは2つの手技で、脳や身体の不調を根本的なところから改善する治療法ということがわかりましたね。
特に自律神経や神経系などの不調は、現代の医療でも改善が難しいとされています。
上記でもおすすめした鍼灸師の資格も一緒に取得しておくことで、身体に違和感があり苦しんでいる方に役立つでしょう。
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