
現代におけるITやテクノロジーの発展は目覚ましく、その技術は、介護の現場にも多く導入されています。
その中でも特に、今注目されているのが、介護ロボットの開発です。
この記事では、そんな介護ロボットの中でも、認知症のケアに役立つドールセラピーについて紹介していきます。
目次
今、介護業界では介護ロボットが注目されている
介護ロボットには、「見守りセンサー」や、ベッドから車椅子、車椅子からトイレへの移乗介助を手伝う「装着型パワーアシスト」、さらには高齢者の歩行を支援する「歩行アシストカー」などさまざまな種類があります。
こういった介護ロボットには、介護者の負担の軽減や、介護業界における人手不足を解消するなどの役割が期待されています。


認知症のケアにも役立つ介護ロボットがある?
こういった介護ロボットの中には、身体的な支援だけでなく、認知症ケアにも役立つものも存在します。
認知症とは老化などが原因で、脳の機能がうまく働かなくなって起こる、進行性の疾患です。
主な症状としては、「記憶を忘れてしまう」、「今まで出来ていたことが出来なくなる」などがあげられます。
そんな認知症を治療するドールセラピーという方法でも、最近は介護ロボットが活用されているんです。
認知症ケアに効果がある介護ロボットのドールセラピーとは?


ドールセラピーとは赤ちゃんの人形を用いて、患者さんの心にアプローチする治療法のことです。
重さや感触、表情など、本物そっくりの赤ちゃんの人形を抱くことで、認知症患者さんに失われがちな、愛情や幸せなどの感情を呼び覚まします。
そんなドールセラピーにロボットの技術を導入することで、高齢者の声や身体の動きに合わせて動いたり、声を出したりと、リアルな動きが可能になりました。
より本物そっくりで、感情移入しやすい赤ちゃん人形の製作ができるようになったことで、ドールセラピーの効果がさらに高まったんですね。


ドールセラピーに期待される効果
実際、数年前から日本でも多くの施設でドールセラピーの試みが始まっています。
ドールセラピーの効果は非常に大きく、「今までは表情に乏しく発語もほとんどなかった
認知症高齢者が、セラピーを始めた途端に表情が穏やかになった」「ご自身の希望をしっかりと言えるようになった」などの事例が多く報告されています。
介護ロボットの技術を活かしたドールセラピーには、具体的には以下のような効果が期待できます。
・感情がよみがえる
・人の役に立つ喜びや自信を取り戻す
・コミュニケーションが生まれる
記憶や感情がよみがえる
認知症は、記憶障がいを伴うことの多い脳の病気です。
ドールセラピーでは、人間の機能の中でも最後まで残りやすいといわれる「感触」や「感情」に訴えかけることで、脳を刺激。
本物そっくりの赤ちゃんを抱くことは、多くの女性に、子育ての頃の幸せな記憶や感情を思い起こさせます。
また、感情表現が乏しくなったり、意欲が低下するなどというのも、認知症の症状の一つです。
しかし出産経験のない男性でも、電車などで赤ちゃんを見るとニッコリ微笑みかけるように、赤ちゃんをかわいいと思い、いつくしむ心は誰にでもあるもの。
ドールセラピーではこのように、赤ちゃんをかわいいと思う心や、守ってあげたいという気持ちを生み出すことで、忘れていた記憶や感情をよみがえらせる効果があります。
実際に、老人ホームなどの介護施設ドールセラピーを導入したら、入所以来初めての表情を見せたという入居者さんも少なくありません。
自信や自立した生活を取り戻す
赤ちゃんは、いたいけで無力で、守ってあげるべき存在です。
このため「世話をしなければ」という意欲を引き出して、自立的な生活を回復させるきっかけにつながります。
また、人は誰かの役に立っているということに喜びを感じる生き物です。
抱いたり、話しかけたり、靴下を履かせてあげたりと「赤ちゃんのお世話」という役割があることは、精神的な安定をはかり、認知症によって失われた自信を取り戻すのにも役立ちます。
コミュニケーションが生まれる
他者との会話は、不安感やストレスの軽減につながるほか、脳を刺激するため、認知症の予防にも効果が期待されています。
ドールセラピーには、そんなコミュニケーションの機会を増やす効果もあります。
赤ちゃんを抱いていると、どんなに気難しい人でも、少し表情が柔和になるものです。
また、そのかわいらしさから、入居者やスタッフから、抱いている本人に対しても笑顔が向けられることが自然と多くなります。
今まで自分の殻に閉じこもっていた方でも、人との交流が生まれやすくなることで、コミュケーションをとったり、感情を表したりする機会が無理なく増えていきます。
海外では動物のドールセラピーも盛ん


日本では、赤ちゃんの人形を用いたドールセラピーが一般的。
しかし、オーストラリアなど海外の一部では、犬やアザラシや馬といった動物を使ったドールセラピーが盛んに実践されています。
大規模農業が盛んで、昔の職業が「カウボーイ」だったという男性もいるオーストラリアならではのセラピーですね。
セラピー犬など、実際に生きている動物を扱うアニマルセラピーの場合、エサや排泄、散歩などの世話が必要なほか、利用者様が怪我をしてしまう恐れもあります。
しかし、介護ロボットでのドールセラピーなら、まるで本物のペットのような可愛らしさでありながら、お世話に手間をかけず、なおかつ安全にセラピー効果を得ることが可能です。
ちなみに神戸医療福祉専門学校 中央校でも、毎年11月頃に「海外研修プログラム」で「オーストラリアのドールセラピー」を学ぶ機会がありますよ。


福祉の仕事で「ふつうに・くらせる・しあわせ」を叶えよう
このように福祉業界も、時代の流れとともに大きく変化しています。
ドールセラピーをはじめ、新しい介護ロボットの技術が、どんどん導入される時代が、もうすぐそこまで来ています。
でも、今も昔も、そしてこれからも、福祉職の方々が持つ「優しいココロ」と、高齢者からの「ありがとう」という言葉は決して変わらないでしょう。
福祉の仕事は、高齢者や障害を持つ方々が「ふつうに、くらせる、しあわせ」を支える仕事です。
みなさんもぜひ、目指してみてくださいね。 神戸医療福祉専門学校の介護福祉士科では、国家試験全員合格と就職全員内定に向けて取り組んでいるので、開校以来の国家試験の合格率は、99%!(※2017〜2023年度実績)
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