看護師になるには?医療の最前線で人の命と健康を守る仕事

医療の最前線で現場を支えている看護師。

先の見えない状況下でも、命を守る最後の砦として闘い続けるその姿に、心を打たれている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんな風にさまざまな医療現場で医師のサポートを行い、患者さんの健康を支える看護師を目指す方法について解説していきます。

看護師の仕事内容

主に、医師の診察や手術をサポートし、患者さんのケアを行うのが看護師の仕事です。

血圧や体温、脈拍などを測定し、患者さんの体調を確認するバイタルサインチェックや、医師の指示のもと、採血や注射などの医療行為を行います。

そのほかにも、病棟勤務の場合は入院している患者さんのお世話をしたり、手術室勤務の場合、オペ中の医師に必要な機材や機器を手渡したりと、その仕事は職場によってさまざまです。

看護師になる方法

看護師になる方法
看護師になるには、国家資格である看護師資格を取得する必要があります。

中学または高校卒業後、看護師の養成所などを卒業して、看護師国家試験に合格。

その後、申請書と必要書類を保健所に提出し、看護師免許を交付してもらうことで、看護師として働くことが可能になります。

看護師の国家試験について

看護師の国家試験は、毎年1回、2月に行われます。

試験地は、北海道、青森県、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県及び沖縄県で、受験手数料は5,400円となっています。

受験資格

看護師国家試験を受験するには、受験資格を満たす必要があります。

受験資格は、文部科学大臣指定の学校もしくは厚生労働大臣指定の看護師養成所を卒業することで取得可能です。

高校を卒業してから看護師を目指す場合、その進路としては主に、4年制の看護大学や3年制の短期大学・看護専門学校などがあげられます。

また、中学卒業後すぐに看護師を目指す場合は、看護師養成課程の5年一貫校に進学するというのも一つの選択肢です。

これまで看護師になるには、専門学校を卒業するルートが一般的でしたが、看護に専門性が求められるようになった近年では、4年制大学の看護学部も充実してきています。

試験の概要

看護師国家試験は、筆記試験にて行われます。
筆記試験の科目は以下の通りです。

「人体の構造と機能」「疾病の成り立ちと回復の促進」「健康支援と社会保障制度」「基礎看護学」「成人看護学」「老年看護学」「小児看護学」「母性看護学」「精神看護学」「在宅看護論及び看護の統合と実践」

問題は必修問題50問、一般問題130問、状況設定問題60問の合計240問。
配点は必修問題と一般問題がどちらも1問1点、状況設定問題が1問2点となっています。

必修問題の合格基準は80%以上となっているため、50問のうち40問は正解しなければなりません。

それに対して、一般問題と状況設定問題の合格基準は毎年変動します。

しかし、必修問題をクリアしないと、一般問題と状況設定問題でどんなに高得点をとっても不合格となってしまうため注意が必要です。

受験者数・合格率などのデータ

看護師国家試験の受験者数や合格者数、合格率などの直近過去5年間のデータは以下の通りです。

受験者数 合格者数 合格率
平成29年 62,534人 55,367人 88.5%
平成30年 64,488人 58,682人 91.0%
平成31年 63,603人 56,767人 89.3%
令和2年 65,568人 58,513人 89.2%
令和3年 66,124人 56,769人 90.4%

看護師国家試験は例年、5万人から6万5千人ほどの人が受験し、そのうち約9割が合格しています。

この数字だけを見ると、意外と難易度が低いように思う人もいるかもしれませんね。

しかし、これは3年以上しっかり勉強してこその結果であり、決して試験が簡単というわけではありません。

合格をつかみとるには、大学や専門学校でじっくりと学習し、その成果を最大限に発揮する必要があります。

看護師が活躍している場所

看護師が活躍している場所
看護師が活躍している場所は、主に以下の通りです。

  • 病院・クリニック
  • 訪問看護ステーション
  • 介護福祉施設
  • 保健所
  • 健診&検診センター
  • 保育園・幼稚園

主な就職先は、病院やクリニックなどの医療機関。
大きな病院では病棟、外来、手術室、ICUなど担当によって仕事内容が異なるのが特徴です。

また、最近では高齢化にともなって、老人ホームなどの介護施設訪問看護サービスなどで活躍する看護師も増えてきています。

看護師の給与・年収

看護師の給料は就職先によって異なりますが、月給は平均33万8000円。

これに年間のボーナスや夜勤手当、残業代などを加えた平均年収は491万8300円です。

看護師は専門性の高い仕事ということもあって、その給与水準は日本の平均年収である433万円を上回っています。

同じ医療関係の資格の中でも、医師、薬剤師に次いで3番目に高い給与水準です。

このように看護師の仕事は、肉体的にも精神的にもハードなぶん、社会から求められている仕事のため、給与などの待遇は良いといえます。

高齢化による慢性的な人手不足に加え、チーム医療の発展とともに活躍できるフィールドはどんどん広がってきていますから、一度資格を取得してしまえば就職には困らないでしょう。

その需要から、妊娠・出産などのライフイベントを迎えても社会復帰しやすいため、「長く働き続けたい」という女性にもおすすめの資格です。

他の看護職との違い

他の看護職との違い
看護師は、保険助産師看護師法で定められた看護職の一つです。

看護職には、看護師以外にも准看護師、助産師、保健師の3つの種類があります。

今後のキャリアアップの見通しを立てるためにも、そのほかの看護職について、看護師との役割や仕事内容の違いを知っておきましょう。

准看護師

准看護師とは、看護師が国家資格であるのに対し、都道府県知事が認定する知事資格です。

基本的な業務内容は、看護師とほぼ変わりません。

しかし、准看護師は医師や看護師の指示にしたがって業務を行う必要があるため「自分で判断して看護業務を行うことはできない」「他の看護師に指示を出すことはできない」など行動に一部制限があります。

看護師を目指す

准看護師は、中学卒業後、最短2年でその受験資格を得ることが可能です。

看護師と比べると最小限のコストで早く働き始めることができるため、社会人や主婦の場合は、まずは准看護師を取得し、働きながら看護師を目指すという人も少なくありません。

准看護師の資格取得した後、一定の実務経験を積み、3年または2年看護師養成校に通えば、看護師の受験資格を得ることができます。

ただし、将来的に准看護師は、看護師資格取得へ一本化する方向性で検討されています。

このためこれからは看護師を目指す場合は、准看護師を経由する方法ではなく、最初から看護師を目指すのがおすすめです。

助産師

助産師とは、妊娠から出産まで、母子の健康を専門的にサポートする仕事です。

妊婦の体調管理や出産の介助、出産後の新生児のケアなどを行うほか、不妊治療や月経に関わるトラブル、更年期障害の相談に乗るなど、女性ならではの問題をサポートします。

助産師となるには、看護師資格を取得してから助産師養成学校で1年以上学び、助産師国家試験に合格する必要があります。

保健師

保健師とは、地域で暮らす人の健康を守るため、保健指導や健康管理を行う仕事です。

地域の保健所や市役所で働く行政保健師は、乳幼児健診・母親学級を実施したり、各種検診を行ったりして、地域住民の健康づくりに貢献。

そのほかにも企業などで働く産業保健師、小中学校で働く学校保健師などがあり、健康相談や保健指導を行って、それぞれの場所ですべての人の健康の維持・向上につとめています。

保健師となるには、看護師免許を取得後、保健師養成学校で1年以上学び、保健師国家試験に合格しなければなりません。

しかし最近では、看護師と保健師、両方の国家試験受験&合格を目指せる4年制の大学や専門学校も増えてきています。

介護福祉士という選択肢

医療に直接携わる仕事ではありませんが、人を助けるという仕事につきたいと考えているなら介護福祉士もおすすめです。

看護師と介護福祉士の大きな違いとして、介護福祉士は要介護者などの日常生活をあらゆる形で支援していくという業務にあたっている「福祉職」です。
それに対して看護師は、患者が療養する上での世話や診察の補助などといった業務にあたっている「医療職」です。

高齢者は増加の一歩を辿っており、総務省によると2060年には日本の人口の約40%は65歳以上になるという報告がでています。
高齢化が進んでいくなかで、介護に関する仕事は今よりもさらに重要視されていくこと「福祉職」はどんどん需要が高まっていくことでしょう。

介護福祉士を目指すなら神戸医療福祉専門学校がおすすめ。

神戸医療福祉専門学校の介護福祉士科では、国家試験全員合格と就職全員内定に向けて取り組んでおり、国家試験である介護福祉士の合格率は96.8%!(2017~2020年度実績)

学内でしっかりと学び、自信をもって学外実習にのぞめ、2年間の実習で即戦力となる介護福祉士が目指せます。
まずは、神戸医療福祉専門学校の介護福祉科をチェックしてみてください。

まとめ

医師の治療を手助けし、患者さんの命や健康を支えるのが看護師の仕事です。

人の命に携わるぶん責任のある仕事ですが、そのぶんやりがいは大きいといえるでしょう。

また、高齢化による人手不足によって今後も看護師のニーズは増加。
さらにチーム医療の発展によって、活躍できる場所もどんどん拡大されていくことが予想されます。

就職先やキャリアアップの選択肢が多いぶん「どのような看護師になりたいのか」「どのような現場で活躍してみたいのか」をしっかり考え、なるべくその夢を叶えやすい進路を選択しましょう。

監修・運営者情報

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