「整体師になって痛みや歪みなど身体の不調を訴えている方々を助けたい」「整体師として開業したい」などの理由で、整体師を目指している方は多いでしょう。
整体師になるには、どのような資格が必要なのでしょうか。
そこでこの記事では、整体師になるために必要な資格や仕事内容などを紹介します。
また、整体師としてスキルアップできるおすすめの資格も紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
目次
整体師になるには資格が必要?
整体師は肩こりや腰痛、歪みなどを改善する職業です。
人体の知識が必要になるのですが、国家資格が必要なのでしょうか?
国家資格や公的な資格は必要がない
整体師には、“整体師”という名目での国家資格や公的な資格がありません。
関節や骨格の矯正についての知識や技術を身につけ、整体院やリラクゼーションサロンで働く人のことを整体師と呼ぶので、民間の資格だけでも整体師になることができるのです。
実務経験が必要
整体師になるには、とにかく「実務経験がどのくらいあるのか」が重要になってきます。
未経験から働ける整体院やリラクゼーションサロンもありますが、実際に施術するには一定期間の研修などが必要です。
多くは実務経験が半年〜3年以上ある人でないと雇ってくれません。
また、整体師として開業を目指している場合は、実務経験が信頼につながってきます。自分が開く整体院やサロンへの集客のためにも、実務経験は欠かせないでしょう。
ただし、実務経験のみで整体師として活躍するのは簡単ではありません。
カイロプラクターやボディセラピストなどの民間資格や、後述する国家資格”鍼灸師”や”あん摩マッサージ指圧師”の資格を取得している人が多く見られます。
整体師の仕事内容とは
整体師が実際に行う仕事内容は、身体のコンディション調整や自宅でのストレッチ指導。これらについて詳しく見ていきましょう。
身体のコンディションを整える
整体師の仕事のひとつは、手指や足を使い、関節や骨格の歪みを整える施術を行うことです。お客さまの身体の不調に寄り添って、解決に導いていきます。
病院ではレントゲンに映らない筋肉や靭帯の構造などを診るのは苦手としているため、的確な判断ができないことも。
そんなとき、ちょっとした身体の不調を解消する整体師が活躍します。
手足を使って施術を行うと聞くと力が必要そうに思えますが、人体の仕組みを理解すれば力を入れなくてもできる施術がほとんどです。
さらに患者の不調な症状を長期に渡り改善していくことで、距離が縮まり信頼関係が生まれやすく、仕事に対してのやりがいを感じられます。
自宅でのストレッチも指導
整体師は患者が自宅で簡単なストレッチや、運動ができるように指導することもあります。
例えば腰をケアするストレッチ法や、体幹を鍛えるトレーニング法など、患者の症状や悩みに合わせた方法を患者に伝えることも仕事のうちの一つです。
ストレッチや運動法を独学で行う方もいますが、間違った方法を患者に教えるのは危険なので、専門学校などできっちり学ぶほうがよいでしょう。
整体師としてスキルアップできる3つの資格
整体師は資格がなくてもなれる職業ですが、学んでおくと施術に活かせる内容の国家資格がいくつかあります。
これらの国家資格を取ることでスキルアップにつながるのはもちろん、病院などの医療現場でも働くことができるようになるので幅広い場で活躍ができるでしょう。
おすすめの資格①鍼灸師
鍼灸師は患者の自然治癒力や健康回復などを目的として、鍼やお灸を用いて治療をする職業です。
「小児鍼」という幼児に鍼を刺す治療法もあり、小さな子供から高齢者まで幅広いニーズがあります。
鍼灸師になるには「はり師」と「きゅう師」2つの国家資格が必要です。
それぞれひとつずつでも取得可能ですが、ほとんどの人が両方の資格を取得し、鍼灸師として活躍しています。
2022年2月26・27日に実施された標記試験の受験者は「はり師」が3,982名、「きゅう師」が3,892名でした。
受験者はそれぞれの国家試験をほぼ同時に受けていることがわかります。
合格者は「はり師」が2,956名(合格率74,2%)、「きゅう師」が2,963名(合格率76,1%)です。
また、近年は小顔や美肌効果が期待できるということで「美容灸師」の需要も増えています。
美容灸師になるためには、鍼灸師と同じ「はり師」と「きゅう師」の資格が必要です。
鍼灸師で美容関係の仕事に就きたい方は、神戸医療福祉専門学校の鍼灸科で勉強するのも良いでしょう。
神戸医療福祉専門学校 鍼灸科なら、国家資格合格率93%の実績を誇ります(2021年度)。
整体師からもっと仕事の幅を広げたい方は、鍼灸師の資格を取得するのがおすすめです。
参考:はり師国家試験の施行|厚生労働省
参考:きゅう師国家試験の施行|厚生労働省
おすすめの資格②あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師は、「あん摩」「マッサージ」「指圧」の3つに大別されており、患者の身体の不調改善や体力回復などを目的とする職業です。
あん摩マッサージ指圧師になるためには国家資格が必要です。
2022年2月26・27日に実施された標記試験の受験者は1,278名、合格した人数は1,082名(合格率84.7%)でした。
「はり師」と「きゅう師」の資格を取得するよりも、あん摩マッサージ指圧師のほうが比較的簡単に取得できるのがわかります。
おすすめの資格③柔道整復師
柔道整復師は「接骨院」や「ほねつぎ」でも知られる職業で、主に捻挫や骨折、脱臼など外的要因のケガを治療します。
それだけではなく、運動の指導や療法、患者に対して健康面についてもアドバイスする職業です。
柔道整復師も国家試験が必要となります。
2022年3月6日に実施された標記試験の合格者は4,359名のうち2,740名(合格率62.9%)でした。
資格取得後は実務経験や研修の受講を行うことで、「接骨院」や「整骨院」などの施術所を開業できます。
整体師と柔道整復師の違いは?
柔道整復師は整体師と同じく運動療法や指導も行います。
しかし、柔道整復師は外傷の専門家として、医師以外に骨折や脱臼の初回処置が可能です。
柔道整復師の目的は、ケガの改善や治療などがメインといえます。
一方、整体師は国家資格がないことから、ここで紹介してきたあん摩やマッサージや、鍼灸などの医療行為ができないというデメリットもあります。
どちらかというと整体師は健康維持やリラクゼーションを目的とするので、その点ではかなりの違いがあるでしょう。
整体師になるまでにかかる費用
ここまでで説明してきたように、整体師になるまでのステップにはさまざまなパターンがあります。
実務経験のみで整体師を目指していくのであれば、それほど費用はかからないでしょう。
しかし、鍼灸師や柔道整復師などの資格も取得したいなら、専門学校や大学に通って学ぶことが近道です。
例えば専門学校なら本科(1年以上)で入学金や授業料、施設管理費を含めて約530〜590万円、専科(1年未満)なら300〜400万円が相場となっています。
整体師の年収・給料はいくらが相場?
整体師として正社員で勤務する場合の年収は、約250〜350万円です。
経験や技術を磨いて整体院の店長クラスになれば、350万〜400万円以上になることも。
大学や専門学校を卒業している場合、職場の条件によっては給与が20万円以上からスタートすることもあります。
また、固定のお客を獲得すれば指名のインセンティブがもらえたり、独立・開業することによって単価をアップできたりすると、これ以上の収入が見込めることもあります。
これから整体師を目指していこうと考えている人にとって、気になるのは年収や給料。今後のために相場がいくらなのかを知っておきましょう。
スキルアップで年収が変わる
整体師としてのスキルアップ、そして年収アップを図るためには
- 場数を踏むことは重要
- 資格を取得すること
の2つが大切です。
場数を踏むことは、技術の向上と固定客の獲得につながります。
満足のいく施術をし、次回も指名をもらうことでインセンティブがもらえるだけでなく、勤め先での評価もどんどんアップしていくでしょう。
資格に関しては、初期投資はかかりますが年収アップの近道に。
ここまでで紹介した柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師などの資格はもちろん、難易度の高い資格を保有しておくのがおすすめです。
例えば合格率が74〜76%の鍼灸師は、「はり師」「きゅう師」と2つの資格を取得しなくてはならないため、難易度が上がります。
鍼灸師は独学ではなれず、専門学校などで3年間学ぶ必要があるのです。
国税庁が発表した令和2年度「民間給与実態統計調査結果」によれば、鍼灸師の平均年収は379万円となっており、整体師だけの年収と比較しても100万円以上アップしているのがわかります。
まとめ
人の体に直接関わる整体師は、確かな経験と知識が必要なことがわかりましたね。
高齢化が進んでいく中で、健康に携わる職業はこれからさらにニーズが高まっていくとされているため、この先比較的安定して働くことができるでしょう。
その中で、整体師としての活躍の場を広げていくのなら、資格を取得しておくのが得策です。
神戸医療福祉専門学校 中央校では、今回記事の中で紹介した鍼灸師の資格取得を目指すことができます。
整体師としてはもちろん、スポーツや医療、美容などさまざまな分野で活躍できるような教育カリキュラムと実習を行います。
また、全員が国家試験に合格できるように、全国模試や小テストなどを繰り返し行い、サポート体制も万全です。
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