義肢装具士の将来性はある?気になる年収や就職先などをご紹介

  • 神戸医療福祉専門学校
    義肢装具士科

  • 神戸医療福祉専門学校 三田校 義肢装具士科は日本で唯一の4年制。
    義肢装具士の輩出数全国No.1の名門校で、国際義肢装具協会(ISPO)の認定校です。
    モノ作りと医療を深く学ぶ実習中心のカリキュラムで確かな力が身につきます。産学連携による特別実習では、グローバルな最新技術が学べ、パラアスリート支援の第一人者である臼井二美男先生など、業界の第一線で活躍されているさまざまな方の講義が受けられます。

「義肢装具士の仕事を目指そう」と思ったとき、将来性があるのかを見据えていく必要があります。

人々の役に立つだけではなく、希望を与える仕事とはいえ、将来性が見えないとなかなか踏み入れて良いものか迷ってしまう人も多いと思いのではないでしょうか。

そこで、今回は義肢装具士の現状を見たうえで、将来性について言及していきたいと思います。

義肢装具士の現状

まず、義肢装具士は医療職という一面だけではなく、技術職としての一面を持っているだけではなく、リハビリテーションの土台を作る役割も持っている職業です。

そのため、工場で装具の設計、病院では患者の方と接しながらメンテナンスや寸法調整を行っていくという、閉鎖的になりがちな医療現場を違った形でサポートできます。

医師からの処方を受けないと動くことができないのですが、患者さんから感謝されることが多いので、やりがいが持てる仕事と言っても良いでしょう。

求人は多く存在する


今日の義肢装具士の求人ですが、そもそも義肢装具士の資格を所持する人は全国に約5000人と多くないため、求人倍率はほかの医療職より低いのが特徴です。

義肢装具士の資格があれば、介護施設や病院でなどでもニーズが高いため、すぐに見つけることができるでしょう。

さらに、先ほどお話ししたように義肢装具士は医療職であり、技術職であるため、多くの求人は義肢装具製作会社が募集しています。

また、義肢装具士の求人は義肢装具製作会社だけではなく、医療現場で働くことも可能です。

ただし、医療現場で働く場合は、地域を限定してしまうとなかなか見つからないので、範囲を全国まで広げて探すのがおすすめです。

とはいえ、医療現場で働くと義肢装具の開発や研究に携われなくなる可能性もあります。
そのため、自身がどちらに重きをおきたいのかを見極めたうえで、求人を探すことが大切です。

研究開発がまだまだ進む分野

義肢装具士は義肢を利用する人にとって、いなくてはならない存在です。そのため、義肢装具製作所では、さらなる生活向上のために研究開発がされています。

しかし、最新テクノロジーを駆使して歩行の可能性を広げ研究を行っているものの、まだ一般に流通する際の価格の問題や機能などがあり課題だらけです。

近年では義足製作方法として「3Dプリンター」で作る方法もあります。3Dプリンターとは、3Dデータをもとに立体造形物を作成する機械です。

3Dプリンターで義足を大量生産できるようになれば、安価な値段で購入が可能になるかもしれません。

ただし、3Dプリンターの義足は耐久性や強度が低いと言われていて、こちらも課題が多いです。

こちらの記事もおすすめ:3Dプリンターで作る義足の可能性とは

義肢装具士の将来性は?

義肢装具士の将来性は?
義肢装具士を目指すのなら仕事の将来性があるのか気になりますよね。ここでは義肢装具士の将来性について解説します。

需要は多いが養成施設が少ない

日本には現在、義足を利用している方が7万人いると言われており、生活習慣病や不慮の事故などで手足を切断しなくてはならない方も増え続けています。

義肢を求める人たちは一定数いるのですが、日本ではまだ義肢装具士になる環境が整っていない状態です。

その理由の一つとして、大学や養成所として指定されている専門学校は国内でわずか10校しかないことが挙げられます。

さらに国家資格を取得している人は5000人ほどしかおらず、圧倒的に需要に対して供給が追いついていない状態です。

そのため、就職先でも義肢装具士は重宝がられる存在となるでしょう。

幅広く活躍できる

近年、パラリンピックの知名度も高まり、スポーツ界で義肢装具士が活躍するようになってきました。

通常の義肢ではなく、スポーツ用義肢の開発は、義肢装具士にとってスポーツ選手をサポートできるというやりがいも感じられるでしょう。

その他にも義肢装具士が活躍できる場として、医療やリハビリ、介護系などの職種が挙げられます。また、下記でも詳しく解説しているので参考にしてください。

義肢装具士の今後がある理由

現在、さまざまな形で注目されている義肢装具士は、今後は求人の数や待遇が良くなり、将来性があるとされている職業です。

その理由は大きく3つ挙げることができます。

デザイン性の高いオーダーメイド対応

まず1つ目は、デザイン性の高いオーダーメイド対応ができるようになっているからです。

義肢装具はその人の生活スタイルをはじめ、仕事内容や体重、運動量、住んでいる地域など多岐に渡って考慮し、オーダーメイドで作り上げていきます。

かつては人の体に近い義肢装具が多かったのですが、近年はデザイン性の高い義肢工具も増えてきています。

生活スタイルだけではなく、希望したデザインの義肢装具をオーダーメイドで作るという形で、患者の人々に希望を与えることができるでしょう。

パラスポーツで義肢装具士が注目されている

2つ目は、パラスポーツがきっかけで義肢装具士が注目されているからです。

パラスポーツでも多くの選手が活躍する姿を見て、義肢装具を作っている人がどのような人たちなのかと関心を持つ人が年々増えてきています。

「パラスポーツでの義肢」と聞くと、陸上競技の義足を連想する人が多いと思いますが、実は義手をつけて出場している選手もいます。

今は資格を所持する人が少ないですが、今後スポーツ義肢装具から義肢装具士に興味を持ち、目指していく人が増えていくでしょう。

ペット専門の義肢装具士として働く道もある


3つ目は、ペット専門の義肢装具士として働く道があるからです。実は義肢装具を必要としているのは人だけではありません。

家族としてともに暮らす犬や猫などにも病気や事故、生まれつき足の不自由な状態で生まれてくる場合もあります。

そのような犬や猫などが楽しそうに歩き回れるようになるために、義肢装具が注目されるようになりました。

犬や猫などを救いたいという思いがある人が、義肢装具士という仕事に注目しています。

義肢装具士の就職先

義肢装具士の就職先
義肢装具士の就職先はいくつかあり、国内外からも必要とされています。

義肢装具製作所

義肢装具士としての資格を取得した後、約9割もの人たちが義肢装具製作所に就職しています。義肢装具製作所では、手足や身体機能の欠損がある方に合わせた義肢をオーダーメイドで作るのが主な仕事内容です。

また、義肢装具士として義肢装具製作所に所属する際、契約や提携している病院を訪問して患者さんにカウンセリングし、生活しやすいように義肢を合わせます。

大半の義肢装具製作所ではスタッフの人数が少なく、一人の患者に対してカウンセリングから制作、リハビリまでトータルサポートを行うことがほとんどです。

病院

リハビリ科や形成外科、整形外科のある大きな病院では、施設内に義肢室を設置していることがあります。

病院で働くと医師や看護師などとすぐに連携が取れるため、治療やリハビリだけではなく、義肢装具の修正や調整もしやすくなるでしょう。

リハビリテーション施設

義肢装具士の就職先の一つとして、リハビリテーション施設が挙げられます。リハビリテーション施設は理学療法士や作業療法士が働いているというイメージがありますが、義肢を初めて装着した患者さんがリハビリするために義肢装具士は必要です。

義肢装具士なら専門知識があるため、患者に合わせて義肢を調整・修正ができます。理学療法士や作業療法士が駐在しているので、協力しながら患者をサポートできるのがメリットと言えるでしょう。

スポーツの現場

前述したように義肢装具士はパラリンピックやスポーツなどの大会で、メカニックという役割で活躍することがあります。

近年、義肢を利用したスポーツが増えたとともに、義肢装具士が必要不可欠な存在なのです。

海外でのニーズもある

国内だけではなく、発展途上国や戦争で身体に障がいを持ってしまった方々に対して国際援助活動している義肢装具士もいます。

義肢装具士は手先の器用さを求められますが、日本人は特に海外から評価が高いため、どこに行っても重宝されるでしょう。

義肢装具士に向いている人の特徴

義肢装具士に向いている人の特徴
義肢装具士に向いている人の特徴をまとめました。義肢装具士は病院に行って患者さんに営業するなど行うため、コミュニケーション能力も必要です。

ものづくりが好きな人

上記でも紹介したように、医師から処方が出たら採型・採寸を行い、必要であれば仮合わせして適合させます。さらに装具・義足の作製・修理・調整などを行う仕事です。

また、石膏を流したりモデルを修正したりといった作業も行うため、何かものを作りたいという方に向いています。地味な作業ではありますが、時間をかけて丁寧に作り上げた装具を納品したときの喜びはひとしおでしょう。

誰かに喜んでもらいたい人

やはり一番のやりがいは、患者さんから感謝されることです。予後が良くなったと患者さんから言われたら、やっていて良かったと思えるはず。

患者さんの人生を大きく好転させられます。直接感謝されるとモチベーションが高まり、さらに誰かを喜ばせたいと感じるでしょう

さらに病院スタッフに信頼されると装具をどんどん任せてもらえるようになり、独立への道も開きやすくなります。

患者さんだけではなく、医師とのコミュニケーションを図りながら仕事するため、人に接することが好きな方におすすめの職業です。

また、理学療法士や医師などのチームワークも重要なポイントとなってきます。

粘り強さのある人

最初は上手くできずに、何度も作り直さなくてはならない場面もあるかもしれません。地道にコツコツと作業を行うため、強い意志を持った方が向いています。

また、資格を取得した後でも技術や知識を学び続ける必要があるので、向上心の高い方におすすめの職業です。

義肢装具士の平均年収・給与

令和2年賃金構造基本統計調査」によると、義肢装具士の平均年収は約426万円、給与は18〜30万円でした。一般の平均年収は461万円(国税庁調べ)なので、若干低めということがわかります。

しかし、専門性の高い知識や技術を取得することで、年収アップも夢ではありません。さらに独立して自分の会社を持つようになれば、平均年収よりも上がることが期待できます。

こちらの記事もおすすめ:義肢装具士の給料とは?

義肢装具士になるには?

義肢装具士になるためには、国家資格が必要です。

学べる場所は限られている

上記でも記載したように、全国に10校しか学べる場所がありません。(2023年3月時点)

大学 養成施設
広島国際大学
北海道科学大学
新潟医療福祉大学
人間総合科学大学
神戸医療福祉専門学校
国立障害者リハビリテーションセンター学院
専門学校 日本聴能言語福祉学院
熊本総合医療リハビリテーション学院
西武学園医学技術専門学校
北海道ハイテクノロジー専門学校

義肢装具コースのある4年制大学か、専門学校で規定の単位を習得して卒業することで、国家資格が得られます。

義肢装具士国家試験の合格率

厚生労働省によると、令和4年2月25日に実施した義肢装具士国家試験の合格率は、68.5%と低い数字でした。受験者数は181名、合格した人は124名となっています。

難易度は高めですが、専門学校などでしっかり学ぶことで合格が期待できるでしょう。

まとめ

義肢装具士は、近年さまざまな形で注目されている職業です。

多くの可能性を秘め、患者の方々を助けていく志があれば、義肢装具士として目指すためには十分な理由になり得るのではないでしょうか。

多くの患者さんに希望を与えていく義肢装具士になるために、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

義肢装具士になるには知っておきたいこと

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