義肢装具士の就職先とは

義肢装具士は医療現場やリハビリテーションの現場において、医療職として大きく貢献しています。
義肢装具を製作する技術に加え、リハビリテーション職として医療分野の知識も持ち合わせていなくてはならず、その国家資格の有資格者の価値はとても高いものとされています。
それでは、義肢装具士の人たちは一体どのようなところに就職しているのでしょうか。
今回は、義肢装具士の就職先について詳しくお話ししていきます。

義肢装具士の概要と就職状況

現在、義肢装具士の国家資格を持っている人の数は他の医療職と比較して多くありません。そのため、求人に対して志望者が殺到してしまうという状況は少なく、一般的な職業と比較して就職しやすい状況となっています。
他の業種からの転職志望者が多いというのも特徴です。実際、義肢装具士の養成機関では社会人として働いた経験のある入学者が半数以上となっているようです。国家資格の有資格者であれば、実務経験がなくとも積極的に採用している企業は多く、義肢装具士として働いていく意志があれば転職もさほど難しくないのです。
ちなみに、義肢装具士の求人に欠員が出ていたり、繁忙期で人員不足の時などには無資格者でも採用の可能性がある場合がごく稀にあります。その場合、採型や適合の業務には携われず、製作技術者としての働き方となりますが、国家資格を取得するまでに実務経験を積んでおきたいという人などはそういった求人を狙ってみるという選択肢を検討してもよいかもしれません。
また、近年では女性の義肢装具士も増えています。女性の患者さんにとっては、身体の相談をしやすい存在として、女性の義肢装具士が求められています。今後はさらに、女性が活躍できる職業としての発展も期待できます。

義肢装具士の主な就職先

製作会社

義肢装具士の最も一般的な就職先は、義肢装具の製作会社となっています。
正式な区分で分けると医療職となるのが義肢装具士ですが、義肢装具を取り扱うのが製作会社のため、一般企業である製作会社の求人がほとんどなのです。
一般企業ということもあり、勤務形態としては普通のサラリーマンと同じようなスタイルになっているところが多く、企業によっては営業職と製作技術者を分けていることもあるようです。

医療機関

上の通り義肢装具士の求人のほとんどは製作会社になっていますが、医療機関での求人が全くないというわけではありません。
全国的に見てみると、義肢装具士を直接採用している医療機関もあります。
医療機関で働きたいという志望者も一定数いると思いますので、そういった人は医療機関から出されている求人を探してみるとよいかもしれません。
限定した地域で探しているとなかなか見つからない場合があるため、その際にはやや範囲を広げて探してみることをおすすめします。
ただし医療機関での勤務になると、義肢装具の研究開発や製作に携わる機会は製作会社で勤務する場合よりも格段に少なくなってしまいます。そのことも考慮して就職先を選ぶようにしましょう。

パラスポーツの分野

少し毛色の違う選択肢として、パラスポーツを支援する義肢装具士もいます。
近年、パラスポーツの発展と共に、プロのみならず市民スポーツの中でも義手や義足を用いて競技を行うアスリートが増加してきました。
スポーツ用の義手・義足は通常使用するものと目的が異なるため、形状も異なります。この製作や適合にも義肢装具士が関わります。
スポーツトレーナーや理学療法士と義肢装具士が連携してパラアスリートを支えています。

まとめ

義肢装具士の主な仕事は患者さんの採型、義肢装具の製作・適合ですが、製作の仕事だけにとどまらず様々な現場で活躍しているようです。
製作の現場、医療の現場、スポーツの分野など、同じ義肢装具士でも働く場所によって培われるスキルや感じられるやりがいは全く違ってきそうですね。
自分がどこでどのような形で働きたいのか、よく考えて就職先を決めていきましょう。

義肢装具士になるには知っておきたいこと

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