筋電義手について

  • この記事は、神戸医療福祉専門学校の義肢装具士科が執筆しています。

筋電義手は、もしかしたら普段の生活においてあまり聞き慣れない言葉なのではないでしょうか。
確かに筋電義手は日本ではあまり普及されていませんが、ここ数年で特に欧米では普及し始めています。
ここでは、筋電義手についてのあらゆる情報をお伝えしたいと思います。
   

  • この記事は、神戸医療福祉専門学校の義肢装具士科が執筆しています。

義手とは

義手とは、事故や病気などが原因で切断された手の代わりに、木やプラスチック、金属などで人工的に作られた手の事です。
義手は目的別に種類があり、外観を重視した装飾用義手、ハーネスを用いる能動義手、特定の作業のための作業用義手に分類されます。
その他にも、切断レベルに合わせて装着する上腕義手や前腕義手などの分類があります。

筋電義手とは

筋電義手とは、数ある義手の種類の1つです。
人間は筋肉を動かす際に脳から命令を送るのですが、その際に発生する微弱な電流である筋電(表面筋電位)を感知して、筋電義手を動かします。
残された腕の電気信号を通じて直感的に操作できることが特徴で、外観よりも機能面に重きがおかれた義手と言えるでしょう。
把持力が強く、作業の環境にも左右されないため、他の義手と比べて特殊なシステムを有しています。
厳密に身体に適合し、リハビリテーションをする必要がある事から、使用するには、経験が豊富な作業療法士や義肢装具士、そして切断に詳しい医師のサポートが必要不可欠です。

問題点

万人向けではない

筋電義手は筋電を検知して作動する仕組みなのですが、そもそも筋電は極めて微弱な電流なので、検知が難しい場合もあります。
そのため、機能的でありながら誰でも使用ができるという訳ではない、という欠点があります。

日本において

日本国内における筋電義手の普及率は芳しくなく、初めて筋電義手が開発された1998年には、わずか8本しか売れていないという事が起きています。
そもそも、筋電義手の支給は要件が厳しく、普及しやすい土台が日本にはないと言えるのかもしれません。
また、筋電義手はとても高価なのですが、筋電義手の世界市場シェアはほぼとある海外企業が占めている状態なので、価格が下がりにくいです。
額にしてみると150万円以上であるため、確かに誰もが購入しやすいという訳ではありませんね。

日本における様々な取り組み

人工知能搭載の筋電義手

日本における様々な取り組み2015年に電気通信大学に勤めている教授が率いる研究チームが、思うがままに動かせる筋電義手を開発しました。
開発した筋電義手には学習機能を備えた人工知能が搭載され、装着をする前に、装着者の動作と筋電位の結び付きを全て記憶させます。
最後に実際に装着し、装着者の動きに適応するようにパソコンを使用しながら微調整を繰り返せば、思うがままに義手を操れるようになります。
処理速度などまだまだ問題が山積みとの事ですが、3Dプリンターを使用することで軽量化と低コスト化を図ったりと、着実に前進しているようです。

exiiiのhandiii、HACKberryについて

exiiiという会社は、handiiiという低コストかつ優れたデザイン性の筋電義手を開発しました。
3Dプリンタやスマートフォンを使用することで、低コスト化(約3万円で製造可能)を実現させたのです。
また、人目を引くようなデザインにすることで、人前でも堂々と装着できるように配慮されています。
低コストという事で早期から注目を集めていましたが、日常生活で使用するにはまだ厳しかったようです。
exiiiは会社である以上、実用化が不透明なhandiiiの開発にずっと取り組むわけにはいきませんでした。
そこでexiiiは、handiiiを基盤としたHACKberryというオープンソースプロジェクトを始動しました。オープンソース化により、世界中の誰もが開発できるようになった事で、更に注目を集めるようになったそうです。

筋電義手と義肢装具士の関係

筋電義手と義肢装具士の関係義肢装具士を育成するための専門学校では、筋電義手に関する授業を行っている場合があります。
日本ではまだまだ普及率が低いですが、法の改正や、先程ご紹介した取り組みによって、普及率が上がる事があるかもしれません。
そういう時が訪れたのならば、義肢装具士の役割はきっと大きくなるでしょう。
経験豊富な義肢装具士がいてこそ筋電義手の装着ができるので、義肢装具士になりたいと考えている方は、その点にも留意しておきましょう。

まとめ

筋電義手は、まだまだ様々な課題がありますが、普及に向けて様々な方が取り組んでいます。
低価格で筋電義手を誰もが装着できる時が訪れれば、きっと今よりも多くの人が笑顔になるでしょう。
そんな時が、早く訪れてほしいですね。

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