リハビリテーションの専門学校とは?大学との違いや取得が目指せる国家資格を紹介

リハビリテーションの専門学校とは?大学との違いや取得が目指せる国家資格を紹介

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などが目指せるリハビリテーションの専門学校とは?

大学や短大との違いや、最終学歴で給与に差は出るのかなど、進学先選びで気になる疑問点を解説します。

「リハビリ系職種を目指したいけど進路の決め方で悩んでいる」という人はぜひ参考にしてみてくださいね。

リハビリテーションの専門学校とは

リハビリテーションをおこなう代表的な職業としては主に、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などがあります。

こういったリハビリテーションの専門職として働くためには、文部科学大臣または都道府県知事が指定する養成校を卒業。
その後、国家試験に合格し、国家資格を取得する必要があります。

リハビリテーションの専門学校は、そんなリハビリ系の国家資格取得が目指せる養成校の一つです。

リハビリテーションの専門学校と大学の違い

リハビリテーションの専門学校と大学の違い
リハビリ系の国家資格取得が目指せる養成校には、専門学校以外にも大学、短大などがあげられます。
どの学校でも卒業することで国家試験の受験資格が得られますが、主に以下の点において違いがあります。

  • 目的・学習内容
  • 就学期間
  • 入試方法
  • 定員
  • 学費

ここからは上記の項目に沿って、リハビリテーションの専門学校と大学(短大)の違いについて説明していきます。

目的・学習内容

大学も専門学校も同じ教育機関ではありますが、学ぶ目的はそれぞれ異なります。

大学では大卒という学位の取得を目指して、専門分野から一般教養まで幅広く勉強しますが、それに対して専門学校では、特定の職業に就くために必要な知識と技術を勉強します。
このため専門学校では、卒業後すぐに現場で活躍できるよう、演習や実習など実践的な授業が多くなっています。

短大は、大学と専門学校の中間に位置するポジションです。
一般教養とともに、職業に役立つ知識・技能を短期間で学べるようなカリキュラムが組まれています。

就学期間

専門学校と大学、短大では学ぶ期間にも違いがあります。
一般的には大学は4年制、短大は2〜3年制、専門学校は学科によって1〜4年制となっています。

しかし、理学療法士や作業療法士の国家試験を受験するためには養成校で3年以上学ぶ必要があるため、リハビリ系の学校の場合、短大は3年制、専門学校は3〜4年制が一般的です。

入試方法

専門学校で主に実施されているのは、一般入試、AO入試、推薦入試です。
多くの学校が書類審査と面接をメインに選考を進めます。

それに対して大学・短大で主に実施されているのは、一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜です。
また、大学入学共通テストを導入しているところもあり、短大の方が推薦入試の比率が高くなっています。

志望校や入試方法によって倍率は異なりますが、一般的には専門学校の方が大学よりも倍率が低く、入学しやすい傾向にあります。
また、大学や短大の選考では学力が重視されるのに対し、専門学校ではその職業に就くための資質が見られるのも、違いの一つといえるでしょう。

定員

一般的に専門学校は少人数制、大学は大人数制をとっている場合が多いです。

学校や学科によっても異なりますが1学年1学科につき、専門学校は30〜40人程度、大学は80〜100人程度で構成されていることが多くなっています。

生徒数の多い大学では、100〜200人が1つの教室でまとまって授業を受けることも珍しくありません。

専門学校は生徒の人数が少ないですが、そのぶん教員との距離が近い、質問しやすい、丁寧に指導してもらえるなどのメリットがあります。

学費

養成校の種類や就学期間によって学費の総額も変わってきます。

理学療法士の養成校を例に見てみると、国公立の大学は250万円前後、私立大学は600万円前後。

それに対して専門学校は、4年制の場合400〜600万円前後、3年制の場合は300〜400万円前後です。
4年制と比べて学習する期間が1年短いぶん、3年制の方が学費は安い傾向にあります。
しかしそのぶん、病院での臨床実習と国家試験対策を同時に進めなければならないなど、スケジュールがタイトになりやすいので注意が必要です。

全体を比較してみると、もっとも学費を安く抑えられるのは国公立の大学ですが、これらの学校は試験の難易度が高く、募集人数も少ないことから入学が非常に難しいといわれています。
合格をつかみとるためには、かなりの努力が必要だといえるでしょう。

>>理学療法士の専門学校で学費が安いのはどこ?関西・関東で比較!

専門学校で取得が目指せるリハビリ系の国家資格

専門学校で取得が目指せるリハビリ系の国家資格
リハビリテーションの専門学校で取得が目指せる代表的な国家資格は以下のとおりです。

  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士

ここからはそれぞれの職業ごとの特徴や目指し方などをご紹介します。

理学療法士

理学療法士「Physical Therapist(PT)」とは、身体障がい者や高齢者、怪我や病気などで体が思うように動かせなくなってしまった人に対して、リハビリテーションをおこなう職業です。

具体的には「立つ・歩く・座る」など日常の基本動作ができるように、理学療法にもとづいたリハビリテーションを実施します。

理学療法士の目指し方

理学療法士になるには、文部科学大臣または都道府県知事が指定した理学療法士養成校を卒業。
国家試験に合格して、厚生労働大臣の免許を受ける必要があります。

20231年度における理学療法士の養成校の数は全国で279校。

そのうち4年制大学は121校、短大(3年制)は8校、専門学校(3年制または4年制)は145校。
残り5校は、2019年にスタートした専門学校と大学を掛け合わせた専門職大学が占めています。
参照:統計情報-日本理学療法士協会

>>理学療法士になるには?資格の取得方法と必要な勉強を紹介

作業療法士

作業療法士「Occupational therapist(OT)」とは、日常生活をスムーズに送れるよう「からだ」と「こころ」両方のリハビリテーションをおこなう職業です。

「からだ」のリハビリテーションでは、身体障がい者や高齢者の方に、食事や入浴、歯を磨くなど応用的な動作のリハビリテーションを担当。
さらに「こころ」のリハビリテーションでは、精神障がい者やこころの病気をかかえている人を対象に、料理や陶芸などの作業活動を通じて、社会適応能力の回復や心のケアをはかります。

>>理学療法士と作業療法士の違いは?【現役PTが解説】

作業療法士の目指し方

作業療法士になるまでの流れは、理学療法士とほぼ同じです。

文部科学大臣または都道府県知事が指定した作業療法士養成校を卒業。
国家試験に合格して、厚生労働大臣の免許を受ける必要があります。

2023年度における作業療法士の養成校の数は全国で205校。

そのうち4年制大学は95校、短大(3年制)は4校、専門学校(3年制または4年制)は100校、専門職大学は6校となっています。
参照:作業療法士養成校-日本作業療法士協会

>>作業療法士になるには?資格の取得方法と必要な勉強を紹介

言語聴覚士

言語聴覚士「Speech Therapist(ST)」とは、「話す」「聞く」「食べる(飲み込む)」のリハビリテーションをおこなう職業です。

小さな子どもから高齢者まで幅広い層を対象に、言葉によるコミュニケーションや嚥下(飲み込む力)に関するリハビリテーションを実施します。

>>理学療法士・作業療法士・言語聴覚士。リハビリ3資格の違いとは?

言語聴覚士の目指し方

言語聴覚士になるには、文部科学大臣が指定する学校、あるいは都道府県知事が指定した養成校を卒業。
国家試験に合格して、厚生労働大臣の免許を受ける必要があります。

高校卒業後に言語聴覚士を目指す場合は、理学療法士と作業療法士と同様、養成校で3年以上学ぶ必要があります。
しかし、4年制大学を卒業後に言語聴覚士を目指す場合は、大学・大学院などの2年制の養成校で受験資格が取得可能です。

2023年度における言語聴覚士の養成校の数は全国で84校。
そのうち大学は42校、短大(3年制)は2校、専門学校(3年制または4年制)は40校となっています。
参照:養成校検索 – 一般社団法人 日本言語聴覚士協会

専門学校卒と大学で初任給に差は出る?

専門学校卒と大学で初任給に差は出る?
給与などの待遇は、働くモチベーションを保つうえで重要な要素の一つです。
進学先選びで悩んでいる人のなかには「どちらを卒業するかで待遇が違ったりするのかな」と心配な方もいらっしゃるでしょう。

結論からいうと、リハビリ職における待遇は、専門学校卒でも大卒でもほとんど変わりません。
なぜならどちらが最終学歴でも、リハビリ職員が患者さんにリハビリテーションを実施したときに、病院に入る診療費は同じ。
勤務先である病院側としては給料などの待遇に差をつける必要がないためです。

ただし一部の地域や病院によっては、大卒・4年制の専門学校の出身者と、3年制の専門学校の出身者で給料に差があるところもあります。

高度専門士なら大卒と同等として認められる

高度専門士が取得できる専門学校を卒業すれば、4年制大学の卒業者と同等の学力と認められ、学歴・待遇面でも大卒と同じ扱いを受けることが可能です。

高度専門士とは、国が認める公的な称号です。
基準を満たした専門学校・学科を卒業するとともに自動的に付与され、大学院の入学資格も得ることができます。

神戸医療福祉専門学校 三田校に設置されている「理学療法士科」「作業療法士科」「言語聴覚士科」はすべて4年制。
いずれも卒業後、大学卒業者と同等の高度専門士として社会で活躍することが可能です。

まとめ

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などリハビリ系の国家資格を取得するには、それぞれ養成校として指定されている学校を卒業する必要があります。

リハビリテーションの養成校には専門学校や大学、短大などがあり、それぞれ目的や学習内容、就学期間は異なります。

そのなかでも、専門学校は特定の職業を目指すことを目的とした教育機関です。
演習・実習など実践的な授業が多いほか、少人数制で講師に質問しやすい環境も整っているため、卒業してすぐに現場で活躍できる力を身につけたいという人にぴったりといえるでしょう。

神戸医療福祉専門学校 三田校は、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などが目指せるリハビリテーションの専門学校です。

リハビリ系の学科である「理学療法士科」「作業療法士科」「言語聴覚士科」は、どれもじっくり学べる4年制。

大学卒業者と同等の高度専門士の称号が得られるため、給与などの待遇も大卒と変わらないほか、大学院への進学も可能です。

どのリハビリ専門職を目指すか悩んでいる人のために進学相談会なども実施していますので、まずはぜひお気軽にオープンキャンパスにご参加ください。
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