
心理カウンセラーとは、相談にのることで相手の心を軽くしたり、悩みを解決へと導いたりする職業です。
そんな悩める全ての人にあたたかく手を差し伸べる、心理カウンセラーになる方法とは?
この記事では、自分のなりたい心理カウンセラー像に合わせて、おすすめの資格やその取得方法を紹介。
あなたの「誰かを救いたい」という気持ちが実を結ぶために、必要な学びについて解説します。
目次
心理カウンセラーになるには
心理カウンセラーとは、病気やストレスで悩んでいる人の話を聞いたり、相談にのったりと、対話を通して相談者の心をケアする職業です。
心理学の知識や技法を使った「心理カウンセリング」を通じて、問題を解決へと導いたり、相談者が自己成長できるよう支援。
主に、病院や学校などで、患者さんや子どもの心のケアを行うほか、最近では民間企業で、働く人のメンタルケア活動やストレスケアなどにも取り組んでいます。
実は、「心理カウンセラー」という資格はないため、資格を所持していなくても、心理カウンセラーと名乗る自体は可能です。
しかし、その道のプロとして働いている人は、何かしら心理系の資格を取得している場合がほとんど。
資格を取得していることは専門知識を身につけていることの証明となるため、相手から信頼を得ることにつながりますし、何より就職に有利となります。
心理カウンセラーになるために、心理系の資格を取得するためには、以下の2つの方法があります。
- ・大学・大学院・専門学校で学ぶ
- ・通信教育で学ぶ
大学・大学院・専門学校で学ぶ
しっかりと知識・技術をつけた心理カウンセラーになりたいのであれば、専門の学科やコースが用意されている、大学や大学院、専門学校で学ぶのが一番です。
大学や大学院の心理学部や臨床心理学科など、専門の学部で学べば、心理学系の代表的な資格である臨床心理士の受験資格が得られます。
さらに、大学と大学院で必要な科目を修了すれば、2018年に新設された国家資格「公認心理師」の資格も取得が可能です。
その他、心理系の国家資格としては、精神保健福祉士という国家資格もあります。
精神保健福祉士とは、精神に障がいのある人の相談にのったり、社会復帰を支援したりする職業です。
精神保健福祉士なら専門学校で学ぶこともでき、指定科目を履修することで、その資格が取得可能です。
通信教育で学ぶ
心理系の資格として信頼性の高い臨床心理士や公認心理師の資格ですが、これらを取得するには、大学や大学院に通学する必要があります。
臨床心理士や公認心理士以外にも、各協会や団体が認定する心理系の資格はたくさんあり、その中には通信教育を受けるだけで、資格取得が可能なものも多いです。
通信教育なら仕事や家事で忙しい人でも、スキマ時間を使って賢く心理学の勉強ができます。


心理カウンセラーの仕事内容
心理カウンセラーの仕事は、心理カウンセリングを行って、悩みや不安を抱える人の支援をすることです。
病気が原因で悩みや症状を抱える患者さんは、精神科や心療内科など医師による治療が必要な場合もあります。
しかし、その一方で、相談者や相談の内容によっては、カウンセラーが話し相手になることで、問題の改善や解決につながることも決して珍しくはありません。
あらゆる相談者の悩みに向き合い、解決していくために、心理カウンセラーがよく利用するのは「カウンセリング」と「心理療法」という2つの手段です。
カウンセリング
カウンセリング(counseling)とは英語で「相談・助言」という意味。
相手との対話を通して、相談者の抱える悩みや問題の解決を図るアプローチ方法です。
実生活における人との関わり方など、日常的な悩みや問題を取り扱うのによく使われます。
常に受容的な態度で相手に共感する姿勢や、的確なアドバイス、そして相談者に気づきや変化が与えられるようなコミュニケーションをはかり、問題の改善に取り組みます。
心理療法
心理療法とは、催眠や暗示などさまざまな精神的な働きかけによって、病気を治療しようとする方法です。
精神分析や行動療法、集団精神療法などその心理的手段は多岐にわたり、病気や重い心理的問題を抱えている人に対してよく使われます。
心理カウンセラーが活躍している場所
心理カウンセラーが活躍している場所としては主に、病院などの医療機関、学校などの教育現場、そして民間企業があります。
それぞれの場所でどのように活躍できるのか、解説していきます。
病院などの医療機関
メンタルクリニックや病院などの医療機関では、心理カウンセラーの力が特に求められています。
病院なら心療内科や精神科、メンタルクリニックであれば専門のカウンセラーとして働くことができます。
病院やメンタルクリニックでは心理テストなどを使い、医師と連携しながら患者がどういう状態にあるのかを把握し、治療を行います。
学校などの教育現場
心理カウンセラーは、スクールカウンセラーとして教育現場に従事することも多いです。
いじめや不登校などの問題に悩まされる児童だけでなく、保護者や教員まで幅広くサポートし、児童に対するサポートには、いじめや不登校だけでなく、子どもによる犯罪、災害やPTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)など多岐にわたる対応が求められます。
民間企業
企業で働く心理カウンセラーは、産業カウンセラーとして労働者の悩みや相談にのり、問題の解決へと導きます。
現代社会では、長時間労働やパワハラ・モラハラなど、ストレスを抱えている労働者がたくさんいます。
そんな労働者の心身の健康を支えるために、心理カウンセラーの活躍が期待されています。
独立・開業
心理カウンセラーとして経験を積み、専門知識やスキルを身に付けた人の中には、独立・開業する人もいます。
カウンセリングサロンやカウンセリングルームを開設し、そこであらゆる人の悩みや相談に乗ります。
自宅の一室を利用すれば資金もそこまでかからず、手続きも簡単なため、心理カウンセラーは比較的独立しやすい職業でもあります。


心理カウンセラーの代表的な資格は2つ!
心理系の資格にはさまざまなものがありますが、心理学の分野でもっとも信頼性のおける資格は、臨床心理士と公認心理士の2つです。
この2つのうちいずれか、または両方の資格を取得すれば、心理カウンセラーとしてはもちろん、心理学の分野で幅広く活躍することができます。
臨床心理士
臨床心理士は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格です。
主に投薬はせず、心理テストや1対1の心理カウンセリングで相談者の問題を解決します。
臨床心理士の資格を取得すれば、スクールカウンセラーの仕事に就くことが可能。
学校や教育センターなどの教育の現場で、いじめや不登校などの問題に苦しんでいる子どもを手助けする活動ができます。
その他にも精神科や心療内科、児童相談所、老人ホーム、少年院、刑務所など幅広い職場で活躍できるので、心理カウンセラーとしての就職にはかなり有利な資格といえるでしょう。
臨床心理士の資格を取得する方法
臨床心理士の資格は、日本臨床心理士資格認定協会の資格試験に合格することで取得できます。
ただし、その資格試験を受けるためにはまず、主に以下いずれかの方法でその受験資格を得る必要があります。
- 日本臨床心理士資格認定協会が認定する第1種指定大学院を修了する
- 第2種指定大学院を修了し1年以上の心理臨床を経験する
- 大学院で臨床心理学を修了する
- 医師免許を所持しており、2年以上心理臨床経験がある
つまり、臨床心理士の資格を取得するには、大学および大学院で必要なことを学ばなければなりません。
公認心理師
公認心理師とは2018年に新設された、心理系の資格の中で唯一の国家資格。
国家資格とは、知識・技術が一定水準であることが国から認定される資格のことです。
このため、2018年に第1回目の試験が行われたばかりですが、その社会的な信頼性は高くなっています。
公認心理師の資格を取得すると、相談者やその周囲の人の問題解決に向けた援助や、心の健康に関する教育や情報提供を行うことが可能になります。
公認心理師の資格を取得する方法
公認心理師の資格は、国家試験に合格することで取得できます。
ただし、国家試験を受けるためにはまず、主に以下のいずれかの方法でその受験資格を得る必要があります。
- 大学か大学院で必要科目を修了する
- 大学で必要科目を修了した後、厚生労働省・文部科学省指定の施設で2年以上の実務経験を積む
つまり、公認心理師の資格を取得するためには、必要科目を履修できる大学または大学院に通わなければなりません。
臨床心理士と公認心理師の違い
民間資格として名高い臨床心理士と、国家資格である公認心理師。
どちらも心理学の分野で信頼性のある資格ですが、その違いはどこにあるのでしょうか?
仕事内容の違い
次に臨床心理士と公認心理師で異なるのは、仕事内容です。
臨床心理士は調査・研究を行うのに対し、公認心理師は心の健康に関する情報提供を行うという違いがあります。
しかし、公認心理師はまだ2018年に誕生したばかりの資格。
このため、公認心理師の資格取得者は今のところ、病院や診療所、リハビリテーションセンターなどの医療分野、そしてスクールカウンセラーなどの教育分野といったように、主に臨床心理士が活躍している場所で同じように働いています。
しかし今後、公認心理師の資格取得者が増えれば、臨床心理士と公認心理師の間で、活躍するフィールドの住み分けが行われる可能性は十分にあるでしょう。
例えば、その仕事内容の違いから、公認心理師は臨床心理士に比べて教育の場での活躍が増える、そして臨床心理士は、より研究職としての専門性を高めていくなどの展開が予想されます。
資格の取得方法と更新制度
臨床心理士と公認心理師では資格が異なるため、その取得方法と更新制度も異なります。
臨床心理士は基本的に大学院卒が前提ですが、公認心理師では「大卒+実務経験のルート」でも受験資格が認められます。
そして、臨床心理士は5年に1回の更新制ですが、公認心理師の資格は一度取得すればもう更新する必要はありません。
受験者数と合格率
臨床心理士と公認心理師の試験について、直近過去5年間のデータを見てみましょう。
(※公認心理師は3年前に資格設立のため、第3回まで掲載としています。)
<臨床心理士>
平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | |
受験者数 | 2,582人 | 2,427人 | 2,214人 | 2,133人 | 1,789人 |
合格者数 | 1,623人 | 1,590人 | 1,408人 | 1,337人 | 1,148人 |
合格率 | 62.9% | 65.5% | 63.6% | 62,7% | 64.2% |
<公認心理師>
平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | |
受験者数 | 35,020人 | 16,949人 | 13,629人 | 21,055人 |
合格者数 | 27,876人 | 7,864人 | 7,282人 | 12,329人 |
合格率 | 79.6% | 46.4% | 53.4% | 58.6% |
臨床心理士は例年、受験者数が2,200人前後、それに対して合格者数は1,400人前後で、合格率は64%前後となっています。
それに対して公認心理師は、少し3年間の間で数値の上下が目立ちます。
しかしこれは、まだ資格設立から間もないことと、初回は現役の臨床心理士が多数受験していたことが関係していると考えられます。
このため公認心理師の合格率は、第2回、第3回の合格率が、今後の目安となっていくことが予想されます。
【参考URL】
第3回公認心理師試験-一般財団法人 日本心理研修センター
第2回公認心理師試験(令和元年8月4日実施)合格発表について
(第1回も同じ)


その他の心理系の資格にはどんなものがある?
ここまでは代表的な心理系の資格として、民間資格の中でも権威ある臨床心理士と、国家資格ゆえにその信頼性が高い公認心理師という二つの資格について紹介してきました。
しかし、心理学の分野にはこの二つ以外にも、さまざまな協会や団体が認定している資格は数多くあります。
その中でも心理カウンセラーに活かせる資格としては、教育機関の関わる資格や、民間の学会が認定している資格が多いです。
教育機関の関わる資格
日本臨床心理士資格認定協会や日本心理学会などは、子どもの心理カウンセリングを中心に、下記のような資格を認定しています。
- 認定心理士
- 産業カウンセラー
- 学校心理士
- 教育カウンセラー
- チャイルドカウンセラー
- 不登校訪問支援カウンセラー
民間の学会が認定している資格
ストレスの多い現代社会では、教育や医療以外でも、さまざまな場所で心理カウンセラーの需要が高まっています。
そこで、福祉や人材業界、それから労働者のストレスケアやメンタルケアを必要とする全ての民間企業が、それぞれの分野で心理カウンセリングの技法を活用できるよう、民間の学会でも下記のようにさまざまな資格を認定しています。
- メンタルケア心理士(R)
- 認定カウンセラー
- メンタル心理カウンセラー
- メンタルケアカウンセラー
- NLPプラクティショナー
通信講座だけで取得できる心理系の資格は?
心理系の資格としてメジャーな臨床心理士や、国家資格である公認心理師ですが、その資格を取得するのは、大学または大学院に通う必要があります。
つまり、心理学を勉強する前に、大学受験の対策が必要ということです。
これから心理学の道を志す高校生ならまだしも、心理学分野への転職を考えている社会人が、今から大学に入って勉強するのは難しいでしょう。
そんな人には、通信教育で取得できる以下のような心理系の民間資格がおすすめです。
- メンタルケアカウンセラー
- メンタル心理カウンセラー
- メンタルケア心理士(R)
- チャイルドカウンセラー
- キャリアカウンセラー
ここでは、その中でも代表的なメンタルケアカウンセラーと、メンタルケア心理士(R)の2つの資格について紹介していきます。
メンタルケアカウンセラー
メンタルケアカウンセラーの資格は、心理学をはじめて勉強する方におすすめ。
メンタルケアにおける入門的な資格なので、心理学の基礎知識やカウンセリングの基本から学ぶことができます。
メンタルケア学術学会指定の講座を2〜3ヶ月受講し、レポート試験に合格することで資格の取得が可能です。
メンタルケア心理士(R)
メンタルケア心理士(R)は、メンタルケア学術学会が認定する民間資格です。
基本的なカウンセリング技法や精神医科学・薬理学・生化学など様々な視点から心理学を学び、福祉や医療・教育などの場で活躍が期待できます。
通信教育で取得できる心理系の資格の中では比較的難易度が高い方ですが、そのぶん心理学に関する知識をしっかりと身につけられるのが特徴です。
認知度も高く、様々な分野角度から専門的に心理学の知識・技術を身につけられるため、就職にも役立ちます。
メンタルケア心理士の資格の取得方法
メンタルケア心理士(R)の資格を取得するにはまず、全国200箇所のテストセンターで受験可能なこころ検定2級に合格する必要があります。
それに加えて、以下いずれかの条件を満たすことではじめて、メンタルケア心理士(R)の登録申請が可能です。
- メンタルケア学術学会指定教育機関において、メンタルケア心理士(R)教育課程を修了した人
- 認定心理士または産業カウンセラーの資格を保有している人
- メンタルケア学術学会が定める「学士・修士申請規定」を満たし、文部科学省の定める4年制大学心理学部、学科または心理隣接学部、学科卒業者で証明できる人


【分野別】心理カウンセラーになるのにおすすめの資格を紹介
今後、心理学のプロとして活動していきたいなら、臨床心理士または公認心理師の資格を取得するのが一番です。
それ以外の心理系の資格については、取得方法や難易度、そしてその知識を活用できる場所もさまざま。
このため、一概に心理カウンセラーになりたいといっても、どのような職場で働きたいのか、あるいはどのような人を対象に心理カウンセリングを行いたいのかによって、おすすめの資格は変わってきます。
そこで次は、心理カウンセラーが活躍する、以下の主な三つの領域に合わせて、臨床心理士や公認心理師以外にも、心理カウンセラーを目指すのにおすすめの資格を紹介していきます。
- 医療・福祉の分野で活躍できる資格
- 子どもを対象とする心理カウンセリング資格
- 民間企業で活かせる心理系の資格
医療・福祉の分野で活躍できる資格
認知療法などの心理療法を活かして医療に貢献するには、基本的には臨床心理士の資格が必要です。
実際に、臨床心理士の資格を取得した人の多くが、病院や診療所、そしてリハビリテーションセンターの精神科・心療内科に就職しています。
しかし、臨床心理士の資格を取得するには大学および大学院の卒業が必要と、ハードルが高いのが現状。
そこでもし、今から大学・大学院への通学が難しい場合は、臨床心理士と類似した職業である精神保健福祉士の資格取得がおすすめです。
精神保健福祉士
精神保健福祉士とは福祉の専門職の国家資格です。
精神科ソーシャルワーカー(PSW)とも呼ばれ、心に病を抱えている人の生活上の相談に乗ったり、社会復帰のアドバイスをしたりすることで支援を行います。
公認心理師が心の問題を解決するアドバイザーなのに対して、精神保健福祉士は、就労支援や自立した生活を送るための訓練など、実生活を送るための支援を行うのが特徴です。
精神保健福祉士の資格を取得する方法
公認心理師の受験資格を獲得するには、大学と大学院合わせて6年の通学が必要ですが、精神保健福祉士の場合はもっと簡単!
福祉系の大学を卒業するか、福祉系以外の大学を卒業した人でも一年以上養成施設に通学すれば、その受験資格を獲得できます。
このように精神保健福祉士は、心理学に関係がある仕事がしたい、または精神的に障がいを抱えている人の役に立ちたいという人におすすめです。
特に、神戸医療福祉専門学校の中央校は、夜間一年制の養成施設!
精神福祉士国家試験の合格率は98.3%(2015〜2019年実績)と高く、その後の就職率も97.3%(2019年度実績)と非常に高いです。
現場経験豊富な先生により充実したカリキュラムや、在学中に業界アルバイトを経験できるので、1年間で即戦力になれる力がつくでしょう。
また、平日の夜と土曜日に授業が受けられるので、社会人からでも心理学の道を志すことが可能です。
子どもを対象とする心理カウンセリングの資格
スクールカウンセラーとは小中学校に配属され、不登校やいじめなどの問題に悩む生徒を支援する職業です。
子どもだけでなく、指導に悩む保護者やさらにはストレスを抱えた教員など、学校生活に関係する全ての人の心のケアを行います。
文部科学省がスクールカウンセラーとして規定しているのは、以下いずれかの条件に当てはまる人です。
- 臨床心理士
- 公認心理士
- 精神科医
- 大学教授
ちなみに、現在働いているスクールカウンセラーの中で最もその割合が多いのは、臨床心理士。
このため、もしスクールカウンセラーを出したければ臨床心理士の資格を取得するのが1番の近道です。
ただし、子どもを対象とする心理カウンセリングに必要な知識、技術を身につけられる資格は他にもあります。
そこで、子どもに向けた心理カウンセリングを学ぶのにおすすめの資格を紹介していきます。
学校心理士
学校心理士とは、社団法人学校心理士認定運営機構が認定する資格です。
「学校心理学」に基づいて子どもはもちろん、教師や保護者に対しても心理的な支援を行います。
学校心理士は文部科学省によって「スクールカウンセラーに準ずる者」と規定されているため、人材が不足している地域でスクールカウンセラーとして採用してもらえる可能性もあります。
学校心理士の資格の取得方法
資格試験に合格すれば、学校心理士の資格を取得することができます。
ただし、その受験資格を得るには、以下いずれかの条件を満たす必要があります。
- 大学院で必要科目を修得、修士課程・専門職学位課程を修了し、学校心理学に関する専門的実務を1年以上経験した者
- 大学または大学院で学校心理学関係の授業を2年以上担当し、学校心理学に関する研究業績を5編以上有する者
- 大学を卒業後、学校心理学に関する専門的な実務を5年以上経験している者
- 学校の管理職または教育行政職として3年以上、心理教育に関して指導的な立場にあった者
上記から分かる通り学校心理士は、すでに教育関係で活躍している人がそのスキルアップをはかるのに適した資格だといえるでしょう。
チャイルドカウンセラー
臨床心理士や公認心理師、そして学校心理士などの資格は、その受験資格を得るのに大学院の卒業や専門職での実務経験が必要。
このため普段仕事がある社会人の方や、家事のスキマ時間をぬって心理学を勉強したいという主婦の方には少しハードルが高いといえます。
そこで、おすすめなのが一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認定する、通信教育だけで取得できる資格です。
その中でもチャイルドカウンセラーという資格は、幼児から高校生まで、不登校やいじめ、暴力、非行問題などさまざまな子どもの問題の解決方法や、心のケアについて学ぶことができます。
チャイルドカウンセラーの資格の取得方法
チャイルドカウンセラーの資格は、講座の受講や課題の提出などの通信教育のカリキュラムを修了し、検定試験に合格することで取得可能です。
通信教育だけで資格を取得できるので、子どもを対象とする心理カウンセリングを学びたいけど、通学する時間はない、という忙しい方にぴったり。
最短4ヶ月程度で取得可能で難易度も易しめ、検定試験も在宅で受けられます。
保育・教育関係の仕事で心理学の知識を活かしたいという人や、繊細な対応が求められるお子さんをお持ちの親御さんにおすすめの資格です。
そのほかにも一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)は、いじめや不登校に悩む子どもたちへの支援に特化した心理カウンセリングを学べる、不登校訪問支援カウンセラーなどの資格も通信教育で認定しています。
自分が学びたい分野や、解決したい子どもたちの悩み・問題に合ったものを探してみるといいでしょう。
民間企業で活かせる心理系の資格
心理系学の知識や技術は、医療や福祉、教育の場だけでなく、労働者のストレスケアや個人の職業選択のサポートなどにも活かすことが可能です。
そこで次は、民間企業での就職にも活かせる心理系の資格について紹介していきます。
産業カウンセラー
産業カウンセラーとは、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定する民間資格です。
主な活動としては、労働者のメンタルヘルスケアやキャリア開発、そして職場における人間関係の改善などを行い、健康な組織づくりを支援します。
産業カウンセラー自体の需要はまだそこまで高くありませんが、もし民間企業でカウンセラー職として働きたい場合は、他の資格と合わせて産業カウンセラーの資格を取得しておくと、就職に有利となるでしょう。
産業カウンセラーの資格の取得方法
産業カウンセラーは、学科試験と実技試験に合格することで、その資格を取得可能です。
ただし、産業カウンセラーの試験の受験資格を得るには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
- 産業カウンセラー養成講座を修了した者
- 大学院で心理学関連の所定の専攻を修了、所定の科目の単位を取得後、専門職で3年以上の実務経験を積んだ者
大学や大学院を出なくても、養成講座を受講すれば受験資格を取得できるのはありがたいですよね。
ちなみに養成講座は、通学や通信教育など自分に合った学習方法を選ぶことが可能です。
キャリアカウンセラー
キャリアカウンセラーとは、日本能力開発推進協会 (JADP)が認定する民間資格です。
学生や求職者の職業選択や、労働者の相談・アドバイスを行うキャリアカウンセリングの基礎知識について学ぶことができます。
企業の人事部や人材派遣会社、就労支援センターなど、個人のキャリア形成を支援する職業の方がスキルアップとして、心理学の知識や技術を身につけるのにおすすめです。
キャリアカウンセラーの資格を取得する方法
キャリアカウンセラーの資格の検定試験は、在宅で受験可能。
さらに、その受験資格も、日本能力開発推進協会 (JADP)の指定するカリキュラムを修了することで獲得できます。
最短5ヶ月の通信教育で資格を取得できるため、人材関係の職種で、今の仕事に心理学の知識を活かしたいという方におすすめの資格です。
心理カウンセラーに向いている人
心理カウンセラーは相手の話を聞くプロフェッショナルですから、傾聴力のある人が向いています。
また、患者さんから心の内にある悩みを打ち明け、相談してもらうには、誠実で穏やかな人柄であることも大切。
具体的にはよく人から相談されるという人や、周囲から信頼されるような包容力のある人に適性があるでしょう。
また、心理カウンセラーは心の問題と向き合う仕事なだけに、相談者に共感しすぎると自分もつらくなってしまうという懸念点があります。
そうならならないよう、上手に気持ちを切り替えたり、感情をコントロールしたりする力も必要です。


心理カウンセラーの年収
心理カウンセラーの給与は、病院で働く場合は年収300〜500万円。
そして、学校でスクールカウンセラーとして働く場合や、企業で産業カウンセラーとして働く場合、その年収は300〜400万円前後が一般的となっています。
本を出したり講演を行ったりするような著名な心理カウンセラーの場合は高収入が得られますが、それ以外は平均的なサラリーマンと同程度の年収といえるでしょう。
しかし、今後は需要の増加にともなって、給与面や雇用面での待遇改善が期待されています。
心理カウンセラーの将来性
現状、心理カウンセラーの働き方は、常勤ではなく非常勤として複数の職場を掛け持ちしたりする非正規雇用がほとんどで、他の職業に比べて恵まれた状況とは言えません。
しかし、複雑化した社会で現代人は、ストレスやうつ病などさまざまな心の問題を抱えています。
教育の現場でも不登校やいじめなどが大きな問題となっていることを考えると、今後、心理カウンセラーの活躍の場は広がっていくと考えられるでしょう。
実際にこういった現状をうけて、国家資格である公認心理師の整備など、国も少しずつ心理学という分野に対して動き始めています。
心理カウンセラーに期待される役割は年々大きくなっているため、今後は社会的地位の確立にともなって求人の増加や待遇の改善が期待できます。


まとめ
今回は、心理カウンセラーになるのに有利となる資格や、就職に役立つ資格をご紹介しました。
心理学の分野では、国家資格である公認心理師や民間資格の中の臨床心理士が就職にはとても有利になります。
しかしその他にも、認定心理士や認定カウンセラーのように知識・技術を証明する資格や、通信教育で取得できる補助的なものまで、その資格は様々です。
心理カウンセラーを目指す方はぜひ、自分の興味のある分野や、将来なりたい心理カウンセラー像に適した資格を取得し、就職やキャリアアップに役立ててくださいね。 神戸医療福祉専門学校の精神保健福祉士科では、国家試験の合格率は、96%!(※2015~2023年度実績) 通学制ならではの講義・演習・実習を組み合わせたカリキュラムで、夜間1年間で国家試験合格と、就職活動をサポートします。 ご興味がある方は、ぜひ以下のオープンキャンパスや精神保健福祉士科の詳細情報をご覧ください。
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高い合格率に裏付けられ、希望者の就職率も100%に達しています。(※2020年度実績)
卒業生の声
「利用者さんの役に立てるよう学び続けていきたい。」(2013年度卒業)
「患者さんの暮らし全般を支えることができる。」(2011年度卒業)
「自分自身の成長を実感できる仕事。」(2010年度卒業)
「国家資格の取得を通して仕事の幅を広げる。」(2009年度卒業)
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