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精神保健福祉士(Psychiatric Social Worker:PSW)は、精神に障がいを抱える方々やそのご家族を支援する専門職であり、国家資格として認められています。

彼らの主な役割は、精神疾患を抱える方々が社会で自分らしく生活できるよう、多岐にわたるサポートを提供することです。

具体的には、精神科病院での入退院支援、地域生活への移行支援、就労支援、生活訓練の指導などを行います。

また、医師や看護師、臨床心理士といった多職種と連携し、包括的な支援体制を構築することも重要な業務です。

目次

精神保健福祉士とは?

精神保健福祉士とは、精神に障がいを抱える方々が社会で自立した生活を送れるようサポートする専門職です。

この資格は1997年に制定された「精神保健福祉士法」に基づき誕生した国家資格であり、ソーシャルワーカーの一種として重要な役割を担っています。

精神保健福祉士は、一般にPSW(Psychiatric Social Worker)とも呼ばれており、その歴史は古く、戦後の1950年代から医療現場で活躍していた精神科ソーシャルワーカーがそのルーツとされています。

精神保健福祉士の国家試験を受験するには、特定の学校や通信教育のコースを修了する必要があります。通学であれば1年で資格取得を目指せるコースや、通信で学べるコースなど、様々な選択肢があります。

精神保健福祉士の役割とは?

精神保健福祉士の役割は、精神に障がいを抱える方々の相談に応じ、社会で自立した生活を送れるようサポートすることです。

これまでの「入院医療中心」から「地域生活中心」へと移行したことで、その役割はより多岐にわたるようになりました。

具体的には、生活スキルの訓練や就労支援など、精神障がいを持つ方が地域で安心して暮らすための支援を行います。

また、医療機関や行政、学校、職場、家庭など様々な関係機関との連携を重視し、患者さんと社会をつなぐコーディネーターとして、その方が抱える課題解決に努めます。

この専門職には、個々の状況に合わせたきめ細やかな支援と、多職種との密な連携が求められます。

精神保健福祉士と社会福祉士の違いとは?

精神保健福祉士と社会福祉士は、どちらも相談援助業務を行う国家資格ですが、その対象に違いがあります。

社会福祉士は、心身に障がいがある方や生活困窮者など、幅広い人々を対象とする「社会福祉」の専門職です。

一方、精神保健福祉士の対象は、精神に病や障がいを抱える方に特化しており、その方々が地域で自分らしく生活できるよう訓練や就労支援などのサポートを行います。

この違いを理解することが、それぞれの資格の専門性を把握する上で重要です。

精神保健福祉士と臨床心理士・公認心理師の違いとは?

精神保健福祉士と臨床心理士・公認心理師には、それぞれ異なる資格とアプローチ方法があるため、その違いをわかりやすくまとめることが重要です。

精神保健福祉士は国家資格であり、精神的な問題を抱える方の生活面や社会参加に向けた支援を地域や一般の機関と連携して行います。

具体的には、生活訓練や就労支援などの相談指導が主な内容です。

一方、臨床心理士は民間資格、公認心理師は国家資格ですが、両者ともに心の専門家として、心の問題に対して直接的な心理的アプローチを行います。

例えば、学校や医療機関でカウンセリングや心理検査を実施し、問題解決に向けた専門的な訓練や助言を行うのが主な仕事です。

就業先も異なり、それぞれの資格の特性と仕事内容について理解を深めることが大切です。

精神保健福祉士とカウンセラーの違いとは?

精神保健福祉士とカウンセラーには多くの違いがあり、その目的や活動範囲に差があります。

精神保健福祉士は、精神保健福祉士法に基づく国家資格を持つソーシャルワーカーであり、精神的な問題を抱える方の社会復帰を支援するのが主な業務です。

一方、カウンセラーと一言で言っても、心理学の知識に基づいた助言や援助を行う公認心理師や、産業カウンセラーなどの民間資格に認定された者も含まれます。

この違いは、資格の種類や認定を行う機関にも表れています。

精神保健福祉士は厚生労働省が認定する国家資格ですが、カウンセラーには国家資格と民間資格の両方が存在します。

この違いを理解することは、それぞれの専門職がどのような問題解決に対してアプローチするのか、そのワーカーの役割を知る上で重要です。

精神保健福祉士の年齢層は?

精神保健福祉士の年齢層は幅広く、社会福祉の国家資格であるため、様々なバックグラウンドを持つ方が目指されています。

公益財団法人社会福祉振興・試験センターが公表している第25回精神保健福祉士国家試験の結果を見ると、30代以上の受験者も多く、60代の方も合格しています。

最短1年で資格取得が可能な通信制の学校もありますので、働きながら学習を進め、国家試験に挑戦することも可能です。

この資格は、年齢を問わず、社会人としての経験を活かして活躍できるチャンスがあるといえるでしょう。

精神保健福祉士の男女比は?

精神保健福祉士の男女比は、女性が多い傾向にあります。

公益財団法人社会福祉振興・試験センターが公表しているデータによると、登録者数の全体で見ると、おおよそ3対7で女性の精神保健福祉士が多いことが分かります。

また、最新の国家試験合格者の男女比も、女性が約7割を占めています。

女性の精神保健福祉士が多い背景には、デスクワーク中心で体力的な負担が少ないことや、心の悩みに寄り添う仕事において女性が適しているという社会的な認識があるためと考えられます。

さらに、非正規雇用で働く選択肢もあるため、育児や家庭と両立しやすいことも一因としてあるようです。

社会福祉士も同様に女性が多い傾向にありますが、精神保健福祉士は特にその傾向が顕著であると言えるでしょう。

これは、精神保健福祉士が精神障がいのある方々とのコミュニケーションを重視する職種であるため、きめ細やかな対応を強みとする女性がこの分野で活躍しやすいという特性があるためかもしれません。

精神保健福祉士の主な職場・就職先とは?

精神保健福祉士の主な職場は多岐にわたり、社会福祉の専門職として様々な機関で活躍しています。

特に医療機関や障害者支援施設、そして地域に根差した相談支援事業所などが代表的な就職先です。

医療機関では、精神科病院や精神科以外の医療機関で、患者さんの入退院支援や社会復帰に向けたサポートを行います。

障害者支援施設では、利用者の日常生活の支援や就労支援に携わります。

また、地域包括支援センターや市区町村の社会福祉協議会など、地域に密着した機関でも多くの精神保健福祉士が働いています。

さらに、近年では教育機関や産業分野、司法の分野でもその専門性が求められるようになり、活躍の場は広がり続けています。

精神保健福祉士養成施設で2年以上の実務経験を積むことで、より専門性の高い職務に就くことも可能です。

医療機関(精神科病院など)

精神科病院などの医療機関は、精神保健福祉士の主要な勤務先の一つです。

この機関では、精神障がいを抱える方の社会復帰を支援するため、多岐にわたる役割を担っています。

具体的には、入院から退院までの相談に応じ、退院後の生活支援、地域社会への移行支援が主な業務です。

また、精神保健福祉士は、患者さんの社会復帰や生活の質の向上を目指し、医師や看護師といった多職種と連携したチーム医療の一員として働くことが特徴です。

他機関との連携を通じて、患者さんが安心して地域で生活できるような支援体制を構築することも重要な役割となっています。

高齢者福祉施設

高齢者福祉施設では、特別養護老人ホームや介護老人保健施設といった介護保険に関連する施設が多く含まれます。

これらの施設では、精神保健福祉士が認知症を抱える高齢者のケアや、生活に関する相談業務を担当することが主な役割です。

精神的な側面から高齢者の生活を支え、QOLの維持・向上に貢献しています。

障害者支援施設

障害者支援施設は、障がいを抱える方々が地域社会で自立した生活を送ることを支援する施設です。

ここでは、生活介護や就労移行支援、自立訓練といった多様な内容の支援が提供されています。

精神保健福祉士は、これらの施設において、利用者の相談支援や生活訓練、就労に向けたサポートを行うことが主な役割です。

支援の対象は知的障害、発達障害、身体障害など様々な障がいを持つ方々であり、個々のニーズに合わせたきめ細やかな支援が求められます。

施設によっては、食事や入浴の介助といった介護業務が多くある場合もあり、他の職種と連携しながら利用者の生活全般を支えています。

就労支援事業所の精神保健福祉士

就労支援事業所における精神保健福祉士は、精神障がいのある方が社会で自立し、仕事に就くためのサポートを専門的に行う職種です。

就労移行支援事業所や就労継続支援A型・B型事業所などで、利用者一人ひとりの状況に合わせた支援計画を立て、仕事に必要な知識や技術の習得をサポートします。

また、職業指導員や生活支援員、サービス管理責任者などの他の職種と密に連携を取りながら、多角的な支援を提供することも重要な役割です。

精神障がいを抱える方の就労を対象とするため、精神疾患に関する専門的な知識がある精神保健福祉士が求められています。

相談支援事業所

相談支援事業所は、精神に障がいのある方が地域で自立した生活を送るためのサポートを提供する重要な機関です。

精神保健福祉士は、利用者一人ひとりの状況やニーズに応じた支援内容を検討し、さまざまなサービスや制度に繋げる役割を担っています。

具体的には、福祉サービス利用の相談に応じ、計画作成や関係機関との調整を行うことが業務内容に含まれます。

地域で生活する上で生じる課題を解決できるよう、多角的なサポートを提供することで、利用者の地域生活を支えています。

教育機関(スクールソーシャルワーカー)

スクールソーシャルワーカーは、教育機関において子どもたちの抱える多様な問題に対し、専門的なサポートを提供するソーシャルワーカーです。

いじめや不登校、虐待、発達障がいなど、学校生活における様々な課題に直面する児童生徒や保護者に対し、問題解決に向けた支援を行います。

彼らは学校と地域、関係機関との連携を密に行い、子どもたちが安心して学校生活を送れるよう環境を整える役割を担っています。

精神保健福祉士としての専門知識を持つワーカーは、特に精神的な問題に対するアプローチに強みを発揮し、個別のサポートプランの策定や、必要に応じて専門機関への繋ぎ役としても機能します。

複数の学校を担当し、地域全体で子どもたちを支えるシステムを構築することも重要な業務です。

産業精神保健の分野

産業精神保健の分野では、従業員のメンタルヘルスをサポートする精神保健福祉士が活躍しています。

彼らは、働く人の心の健康を維持・増進し、休職や復職のサポートを専門的に行います。

主な対象は従業員個人ですが、企業組織全体のメンタルヘルス対策にも関わります。

具体的には、電話やメール、対面での相談業務や、困りごとのサポートを提供しています。

また、産業医や臨床心理士、産業カウンセラーといった専門職と密接に連携し、個別相談だけでなく、メンタルヘルスに関する教育や研修も担当します。

このように、職場で働く人々の心の健康を支える重要な役割を担っています。

行政機関

行政機関での精神保健福祉士の業務は、地域の保健所や精神保健福祉センター、福祉事務所などで多岐にわたります。

ここでは相談員として、精神に障がいのある方やそのご家族の相談に応じ、専門的な視点から適切な助言や支援を行います。

具体的には、利用可能な福祉サービスや支援制度の紹介、生活支援、就労支援、住居の手配など、個々の状況に合わせたサポートを提供しています。

また、地域住民への精神保健に関する普及啓発活動や、関係機関との連携による地域支援体制の構築も重要な役割です。

司法の分野

司法の分野における精神保健福祉士は、犯罪を犯した人々の社会復帰を支援する重要な役割を担っています。

社会復帰調整官や精神保健参与員として、保護観察所や刑務所、更生施設といった機関で活動し、地域への定着をサポートします。

彼らの仕事は、単に更生を促すだけでなく、罪を犯した人が抱える心の病気や障がい、経済的な問題など、多様な背景にある問題と向き合うことにあります。

弁護士や検察官といった関係機関との連携も不可欠であり、多角的なサポート体制を構築することで、再犯防止にも貢献します。

地域社会での生活基盤を整えるための支援も行い、社会的な孤立を防ぐ役割も果たします。

精神保健福祉士の仕事内容とは?

精神保健福祉士は、精神的な課題を抱える方々やそのご家族を支える専門職です。

その仕事内容は多岐にわたり、精神障がいを持つ方々が地域社会で安定した生活を送れるよう、個別のニーズに応じた多様なサポートを提供します。

たとえば、日常生活のスキル向上を目指す訓練施設では、掃除や料理といった家事の練習、金銭管理の指導などを行います。

これは、一人暮らしやグループホームでの生活を円滑に進める上で非常に重要です。

また、就労を目指す方々に対しては、ハローワークなどの関係機関と連携し、履歴書の書き方や面接練習といった就職活動の支援を実施します。

さらに、就職後も職場に定着できるよう、定期的な面談や職場への訪問を通じて、精神的なサポートを継続的に提供します。

これは、精神障がいを持つ方が長期的に社会参加を続ける上で不可欠な支援です。

加えて、医師や臨床心理士、看護師といった他の専門職と密に連携を取りながら、より包括的な支援計画を立案・実施します。

行政機関との連携も重要で、障害者手帳の申請手続きや生活保護、障害年金などの公的給付金制度の案内、福祉サービスの利用調整など、社会資源を最大限に活用できるようサポートします。

これらの業務を通じて、精神保健福祉士は、精神障がいを持つ方々が孤立することなく、自分らしい豊かな生活を送れるよう、多角的に支援する役割を担っています。

【医療分野】における精神保健福祉士の仕事内容

医療分野における精神保健福祉士の仕事内容として、精神科病院などの医療機関での相談援助業務があります。

ここでは、精神疾患を抱える方々が適切な医療サービスを受けられるよう、多職種と連携し、サポートすることが重要な役割です。

具体的には、入院中の患者さんやそのご家族の相談に応じたり、退院後の生活や地域での支援について共に考えるなど、メンタル面のサポートも行います。

医師や看護師などの医療スタッフと密に連携を取りながら、患者さんの視点に基づいた支援計画を立案し、その実行をすることに尽力します。

また、地域との連携も欠かせず、退院後の生活を円滑に進めるためのサポートも大切な内容の一つです。

【地域分野】における精神保健福祉士の仕事内容

地域分野における精神保健福祉士は、精神障がいを抱える方が地域社会で安心して生活できるよう、さまざまな問題に対してサポートを行う専門職です。

その仕事内容は多岐にわたり、地域生活を送るためのスキル習得に向けた訓練の提供や、住居探し、就労支援などが挙げられます。

これらの支援を通して、地域で暮らす方々が直面する社会的な障壁を取り除き、地域全体で精神障がいを抱える方を支える環境を構築します。

そのためには、医療機関や行政機関といった様々な機関との連携が不可欠であり、個々のケースに応じた専門性のある支援計画を策定し、実施していく役割を担います。

【行政分野】における精神保健福祉士の仕事内容

行政分野における精神保健福祉士は、地域住民のメンタルヘルスに関する多様な問題に対応し、サポートを提供しています。

具体的には、保健・医療・福祉に関する計画の策定やメンタルヘルスに関する研修・普及活動、精神障害者保健福祉手帳の発行手続きなどが挙げられます。

また、相談援助業務も重要な内容であり、精神に障がいを抱える方が適切なサービスを受けられるよう、行政や医療機関などの関係機関と密接に連携しながら活動します。

このような役割を通して、地域におけるメンタルヘルスケアを推進し、住民が安心して生活できる社会の実現に貢献しています。

【教育分野】における精神保健福祉士の仕事内容

教育分野では、精神保健福祉士はスクールソーシャルワーカーなどとして学校に配置され、学校内で生じるさまざまな問題に対応する役割を担っています。

具体的な仕事内容は、生徒や保護者が抱える精神的な課題に対するサポートをはじめ、教員のメンタルヘルス向上や学校のチーム体制の整備などが挙げられます。

子どもたちの福祉と利益を優先し、一人ひとりに寄り添った支援を行うことが重要です。

また、学校内のワーカーとして、行政機関や医療機関、児童相談所など、学外の多様な機関との連携も仕事内容に含まれ、専門性が期待されています。

これにより、複雑な問題を抱える生徒や家庭に対して、より包括的なサポートを提供し、学校全体のメンタルヘルス環境の向上に貢献します。

【産業分野】における精神保健福祉士の仕事内容

産業分野における精神保健福祉士の仕事内容については、従業員のメンタルヘルス対策を軸に多岐にわたります。

企業の健康経営が重要視される中で、その役割への期待は高まっています。

主な内容としては、従業員への情報提供や上司へのコンサルテーションを通じて、会社全体の働き方改善をすることです。

また、従業員との面談やヒアリング、ストレスチェックの実施などを通して、個々のストレス状況を把握し、適切な支援へとつなげることも重要な業務です。

企業のメンタルヘルスに関する知識向上を促進すること、そして必要に応じて医療機関や専門相談機関といった他機関との連携を図ることも精神保健福祉士の役割です。

具体的には、メンタルヘルス研修の企画・実施を通じて、従業員のメンタルヘルスリテラシーを高めることなどが挙げられます。

産業分野での働き方は多様化しており、企業内への直接配置だけでなく、企業等外部のEAP機関や精神科クリニックのリワーク・デイケアなどでも活躍しています。

従業員が能力を最大限に発揮できるような環境整備や、ストレスへの予防的取り組み、ワークライフバランスの実現に貢献することが、精神保健福祉士には期待されています。

精神保健福祉士の一日の仕事の流れ

精神保健福祉士の一日の仕事の流れは、勤務する機関によって多岐にわたります。

ここでは、主に精神科病院のデイケアで働く場合を例に、具体的な内容を説明します。

午前中は朝礼や申し送りで利用者に関する情報を共有し、デイケアの利用者を受け入れてプログラムの準備や参加を行います。

午後は利用者やそのご家族との面談、カンファレンスへの参加、そして行政機関への連絡・調整といった記録業務が中心です。

担当する機関や専門分野によって仕事内容やスケジュールは異なりますが、利用者の社会復帰を支援するために、多職種連携をしながら個別の支援計画に基づいたサポートを行います。

精神保健福祉士になるには?

精神保健福祉士として働くには、国家試験に合格し、資格を取得する必要があります。

しかし、この国家試験は誰でも受験できるわけではなく、受験資格が定められています。

大学や専門学校などで必要な科目を取得することで、受験資格を得られます。

ここでは、精神保健福祉士になるにはどうすれば良いのかを詳しく見ていきましょう。

精神保健福祉士の国家資格を取得するには?

精神保健福祉士の国家資格を取得するには、精神保健福祉士国家試験に合格することが必要です。

この資格は、精神障がいを持つ方々を支援する専門職として、社会福祉分野で重要な役割を担っています。

受験資格を得るためのルートは複数あり、一般養成施設ルートや短期養成施設ルートなどがあります。

例えば、4年制大学を卒業している場合は一般養成施設に入学し、通学で1年、あるいは通信で9ヶ月から1年程度の学習期間を経て受験資格を得ることが可能です。

社会福祉士の資格を持っている場合も、通信による短期養成施設ルートで9ヶ月間の学習で受験資格が得られます。

このように、学歴や実務経験によって異なるルートを選択できるため、ご自身の状況に合った方法で資格取得を目指すことができます。

精神保健福祉士 国家試験の受験資格について

精神保健福祉士の国家試験を受験するには、定められた資格が必要となります。

資格取得ルートは複数ありますが、ここでは代表的な内容についてご紹介します。

一般的には、福祉系の4年制大学で指定科目を履修し、卒業することで受験資格を得るルートや、福祉系の2年または3年制の短大・専門学校で学び、実務経験を積んだ上で短期養成施設を修了するルートがあります。

また、相談援助の実務経験を4年以上積んだ方が、一般養成施設で1年以上学ぶことによって資格を得るコースも存在します。

受験資格には様々な種類があるため、ご自身の学歴や職歴に合わせて、最適なルートで学校を選ぶことが大切です。

保健福祉系大学ルート

保健福祉系の大学で指定科目を修めて卒業するルートは、精神保健福祉士を目指す方の一般的な選択肢の一つです。

このルートでは、大学で心理学や社会福祉学などの専門知識を深めるとともに、精神保健福祉に関する制度とサービス、地域における多機能な支援のあり方についても学びます。

具体的な科目としては、「人体の構造と機能及び疾病」や「現代社会と福祉」、「地域福祉の理論と方法」などがあり、4年制大学で必修科目を履修することで、精神保健福祉士国家試験の受験資格が得られます。

専門的な科目を体系的に学ぶことで、精神障がいを持つ方の社会参加を支援するために必要な知識と実践的なスキルを習得できます。

短大や専門学校を卒業した場合、別途実務経験や短期養成施設の修了が必要となることがあります。

短期養成施設ルート

精神保健福祉士国家試験の受験資格が得られる短期養成施設ルートは、福祉系大学で指定科目を履修した方や社会福祉士として登録している方などが対象となります。

カリキュラムの期間は最短6ヶ月から9ヶ月程度で、集中的に精神保健福祉に関する専門知識や技術を学びます。

このルートでは、精神保健福祉に関する基礎的な科目から専門的な科目まで幅広く学習し、実践的な機能訓練も行われます。

地域に密着した支援を展開するためには、地域特有の課題を理解し、その解決に向けた知識と技術を習得することが重要です。

一般養成施設ルート

一般養成施設ルートは、4年制大学を卒業した方が目指すためのルートです。

このルートでは、指定された一般養成施設に1年以上通学し、精神保健福祉士として必要な専門知識や技術を修得します。

実習も含まれるため、実践的なスキルを身につけられる点が特徴です。学歴や職務経験に応じて、必要な履修期間が異なります。

精神保健福祉士 国家試験の概要と合格率

精神保健福祉士の国家試験は年に一度、2月初旬の土日に実施され、その内容は、令和6年から適用される新カリキュラムにより変更があります。

試験地は北海道、宮城、東京、愛知、大阪、広島、福岡といった主要都市にあり、五肢択一を基本とする多肢選択形式です。

この国家試験の合格率は例年60%台で推移していますが、5年ぶりにカリキュラムが変更されたため、今後の合格率に影響があると考えられます。

受験資格を満たすには、福祉系大学で指定科目を履修するか、短期養成施設または一般養成施設での学習が必要です。

専門的な知識と技術を問われる科目が多く、社会福祉の専門職としてのソーシャルワーク能力が重視されます。

実は社会人から精神保健福祉士を目指す人も多い!

精神保健福祉士は国家試験の合格が必要な資格ですが、実は社会人から目指す方も多くいらっしゃいます。

実際に、50代以上の方も積極的に受験しており、年齢にかかわらず挑戦できる魅力的な資格と言えるでしょう。

通信制の学校に通うことで、仕事と両立しながら学習を進めることが可能です。

通信制は、自宅で学習できるという点が魅力ですが、一部の期間では実習や対面授業もありますので、学校選びの際には、その内容についてよく確認することが大切です。

精神保健福祉士の給料・年収について

精神保健福祉士の給料や年収は、勤務先や雇用形態によって幅があります。

日本精神保健福祉士協会が行った調査では、平均年収は300~400万円未満という回答が最も多くを占めていることが分かりました。

特に地方公務員として精神保健福祉センターなどの行政分野で働く場合、勤続年数や年齢によって給料が上昇し、平均年収はおよそ420万円に達する傾向があります。

一方、規模の大きい総合病院や精神科病院では、平均年収が430万円程度になることもあります。

これは、業務内容の専門性や責任の重さに応じて、給料水準も変動するからです。

このように、精神保健福祉士の給料は多様な要因によって決定されると言えるでしょう。

性別、年代別の平均年収は?

精神保健福祉士の平均年収は、年齢を重ねるごとに上がる傾向にあり、50代でピークを迎えるのが一般的です。

これは、この年齢層で管理職などの役職に就く方が増えるためと考えられます。

一方で、60代になると年収が減少する傾向が見られますが、これは定年を迎え、正規雇用から非正規雇用に切り替える方が多いことが要因として挙げられます。

男女別のデータを見ると、男性の方が女性よりも高い年収水準にありますが、年齢による年収の変動傾向は男女ともに同様です。

施設・事業所別の年収(目安)

精神保健福祉士の年収は、勤務する施設や事業所によって異なります。

主な就職先とその平均年収の目安として、「その他の司法関係」では平均年収690万円、「保護観察所、地方更生保護委員会」では647万円と最も高い水準にあります。

市役所や町村役場(地方自治体)も、精神保健福祉士の就職先として人気があり、平均年収は464万円となっています。

その他にも精神科病院や障害者支援施設、相談支援事業所など、地域に根ざした多様な機関で活躍されています。

年収の傾向を把握することは、キャリアプランを検討する上で重要な情報となります。

雇用形態別の年収(目安)

精神保健福祉士の年収は、パート・アルバイトと正職員で大きく異なります。

パート・アルバイトでは、年収が103万円未満の割合が約2割と最も多く、多様な働き方が反映されています。

一方、正職員の場合、年収300〜399万円の層が約26%を占め、次に400〜499万円が続く傾向です。

これは、正職員として働くことで、より安定した収入が得られることを示しています。

このように、雇用形態によって年収の目安が異なるため、自身のライフスタイルやキャリアプランに合わせて選択することが重要です。

サービス別の年収(目安)

精神保健福祉士の年収は、勤務するサービス内容や雇用形態によって幅があります。

全体の平均年収は約404万円ですが、勤務先ごとの目安としては以下のようになります。

**医療機関**:精神科病院やクリニックなどでの平均年収は396万円です。大規模な病院では平均430万円程度、小規模なクリニックでは380万円程度となる傾向があります。

**行政機関**:保健所や精神保健福祉センターのような行政機関では、地方公務員の給与規定に基づき、平均年収は約485万円です。特に保健所勤務の場合は平均約559万円に達することもあります。

**障害者福祉関係**:障害者支援施設などでの平均年収は386万円です。

**学校教育関係**:学校などの教育機関では平均年収が315万円と、他の施設と比較して低い傾向にあります。

また、雇用形態別に見ると、正規職員の平均年収は男性で約426万円、女性で約368万円です。

パート・アルバイトの場合、男性で約162万円、女性で約131万円が目安となります。

経験年数を積むことで年収が上がる傾向にあり、管理職などの役職に就くと、さらに高い年収が期待できます。

このように、精神保健福祉士の年収は多様であるため、自身のキャリアプランや働き方に合わせて勤務先を選択することが重要です。

【機関別】精神保健福祉士の仕事内容

精神保健福祉士は、精神障がいを抱える方々を支える専門職であり、その仕事内容は勤務する機関によって多岐にわたります。

ここでは、主要な機関ごとに精神保健福祉士がどのような業務を担っているのかを詳しく解説します。

医療機関では、入退院支援や地域移行支援が主な役割です。

生活支援施設では、日常生活の訓練や就労支援を行います。

また、地方自治体の福祉行政機関では、地域の精神保健福祉に関する計画策定や普及啓発活動に携わります。

さらに、保護観察所では、犯罪を犯した精神障がい者の社会復帰をサポートするなど、その専門性は様々な分野で活かされています。

これらの機関における精神保健福祉士の具体的な仕事内容について、次の項目からそれぞれ詳しくご紹介していきます。

医療機関(精神科病院など)

精神科病院は、精神保健福祉士の主な就職先の一つです。

精神科の医療機関および医療機関に併設されるデイケアでは、多くの精神保健福祉士が活躍しています。

精神障がい者の生活の支援が主な仕事になっており、入退院の援助や退院後のサポート、医療機関から社会生活への移行支援などを行なっています。

生活支援施設

就労移行支援事業や自立訓練事業なども、精神保健福祉士の活躍の場となっています。

これらの施設はその設置目的によって精神保健福祉士の役割も異なります。

日常生活を送るための訓練が目的の施設では、家事などで行う基本動作を利用者とともに行ったり、アドバイスをしたりします。

就労のための訓練や作業訓練が目的の施設では、就職に関するアドバイスや、職場に定着するための支援などを行います。

地域生活を営んでいくための支援を目的とする相談支援事業所や地域活動支援センターなどでは、電話によるヒアリングや訪問での相談および各種サービスの提供を行います。

地方自治体の福祉行政機関

地方自治体の福祉行政機関では、法律に準拠した様々な支援事業や手続きの実施を行います。

また、現状の分析や将来計画の立案にも関わります。

またその他にも、関係機関のネットワークを構築するコーディネート、就労支援事業、地域移行支援活動、地域住人への普及啓発活動などを行うことで精神障がい者の生活支援をします。

保護観察所

保護観察所で社会復帰調整官としての役割を担う精神保健福祉士もいます。

一般職の国家公務員である社会復帰調整官とは、犯罪を犯した精神障がい者の社会復帰をサポートする仕事です。

業務には専門性が求められることから、採用にあたっては精神保健福祉士の資格や実務経験が求められます。

勤務先となる保護観察所とは、犯罪や非行の結果として家庭裁判所の決定で保護観察になった少年や、少年院や刑務所から仮釈放になった人、保護観察が条件の刑執行猶予となった人に対して保護観察を行う機関です。

精神保健福祉士のやりがいと大変さ

精神保健福祉士の仕事は、精神に障がいがある方々を支援し、社会生活を送るうえでのサポートを行うことで、ある人にとっては大きなやりがいを感じられるでしょう。

しかし、その一方で、支援対象の方々が抱える課題の複雑さや、精神的な負担が大きいという大変さもあります。

精神保健福祉士を目指す際には、これらのやりがいと大変さの両面を理解し、自身の適性を慎重に検討することが重要です。

精神保健福祉士のやりがいとは?

精神保健福祉士の大きなやりがいは、ご自身の支援が精神的な問題を抱える対象の方々やそのご家族の抱える困難を解決へと導けたときにあります。

対象となる方々は、仕事や学校、日常生活における問題、経済的な困窮など、多岐にわたる課題に直面しています。

精神保健福祉士は、これらの方々と真摯に向き合い、解決に向けてのサポートを粘り強く行います。

困難な状況に直面し、なかなか進展が見られないこともありますが、最後まで諦めずに支援を続け、その結果として状態が改善された際には、自身の喜びとして感じられることでしょう。

精神保健福祉士の大変さとは?

精神保健福祉士の業務において、人の心という複雑で難しい問題に向き合うことには大変さもあります。

精神障がいがある方々が抱える問題は多様であり、生活環境や人間関係、過去の経験などが一人ひとり異なるため、定型的な解決策では対応できないことがあります。

ある支援方法が特定の利用者には有効でも、別の利用者には効果がないというケースも少なくありません。

心の問題は時間をかけてじっくり取り組む必要があり、すぐに成果が出ないこともあるため、精神的な負担を感じることもあるでしょう。

精神保健福祉士の需要や将来性について

精神保健福祉士は、精神障がいを持つ方々が地域で自立した生活を送るための支援をすることから、今後も需要が高まることが予想されます。

これまでは医療機関での入院治療が中心でしたが、近年は地域での生活を重視する方向へと変化しており、福祉や医療、地域が連携して包括的な支援体制を構築することが求められています。

これにより、病院以外の福祉施設や相談支援事業所など、精神保健福祉士の活躍の場は広がっています。

また、政府は「ニッポン一億総活躍プラン」の中で精神障がい者の雇用促進を掲げ、すべての職業能力開発校への精神保健福祉士の配置を進めるなど、求人数の増加が見込まれます。

精神保健福祉士は、単に知識があるだけでなく、相手に寄り添い、個々の状況に応じた支援を計画し実行する能力が不可欠であり、AIでは代替できない専門性の高い仕事と言えます。

そのため、将来性も非常に高い職業と言えるでしょう。

精神保健福祉士の活躍の場は広がっている

近年、精神保健福祉士の活躍の場は著しく広がっています。

これは、精神的な問題が社会全体で重要視されるようになったことが背景にあります。

以前は主に福祉や医療機関に限定されていた活動範囲が、現在では企業や行政機関、司法の分野、さらには学校など多岐にわたります。

対象となる方のニーズが多様化していることに加え、精神保健福祉士という名称が「PSW」から「MHSW」へと変更されたことにも、活動領域の変更が反映されていると考えられます。

この名称変更は、精神保健福祉士の職務がより幅広い分野で認知され、社会的な役割が拡大していることを示唆しています。

今後も精神的な問題について社会的な関心が高まるにつれて、精神保健福祉士の専門的な支援を必要とする機関が増え、活躍の機会はさらに増加すると予想されます。

精神保健福祉士はAIに奪われない職業

現在、多くの仕事がAIやロボットに代替される可能性が指摘されていますが、精神保健福祉士の業務はAIに奪われる心配が少ないと言われています。

オックスフォード大学の研究「雇用の未来」では、AIによって代替されにくい職業として、「精神保健と薬物乱用の問題を支援するソーシャルワーカー」が上位に挙げられています。

精神保健福祉士は、心の状態という複雑な問題に対して、人と人とのコミュニケーションを通じて支援を提供する専門職です。

個々の状況に合わせた細やかな配慮や共感は、AIには再現が困難な要素です。

事務作業の一部がAIによって効率化される可能性はあるかもしれませんが、精神的な問題を持つ方々との深い関わりや、個別支援を必要とするワーカーとしての役割は、これからも社会に不可欠なものとしてあり続けるでしょう。

精神保健福祉士の国家資格は就職に強い

精神保健福祉士は、年齢を問わず長く働ける点が魅力の国家資格です。

60代以上など高い年齢層の方も活躍しており、未経験からでも挑戦しやすい資格として知られています。

実際に国家試験の合格者では、50代以上の方が全体の約15.7%を占めているため、セカンドキャリアを検討する方にも大変おすすめです。

他の業界では50代以降で一からキャリアを形成することが難しい場合もありますが、精神保健福祉士の資格があれば、年齢を気にせず就職に困ることが少ないでしょう。

精神保健福祉士に向いている方

精神保健福祉士に向いている人は、高いコミュニケーション能力と協調性を持っている方です。

精神科病院では、医師や看護師といった多職種や、地域の様々な機関との連携が不可欠であり、円滑なコミュニケーションスキルが求められます。

また、利用者の状況を正確に把握し、適切な支援計画を立てるためには、傾聴力や判断力も重要なスキルとなります。

特に、就労支援施設で働く場合は、一人ひとりの利用者の適性や理解度に合わせて、必要なスキル獲得や職場定着をサポートするため、個別の状況に応じた柔軟な対応ができる方が向いているでしょう。

介護業務が発生する障害者支援施設では、ルーティンワークであっても真摯に取り組む姿勢が大切です。

精神保健福祉士は、多様な機関と連携しながら、利用者が社会で自立した生活を送れるよう支援するため、幅広い業務に対応できる方が向いています。

まとめ~精神保健福祉士(PSW)とは?~

精神保健福祉士(PSW)は、精神に障がいを抱える方々やそのご家族に対して、多角的な支援を提供する専門職です。

この仕事は、医療機関、行政機関、精神障がい者支援施設など、多岐にわたる場所で実践されており、それぞれの施設の目的や利用者のニーズに応じて、その業務内容は細かく異なります。

例えば、精神科病院では入退院の支援や退院後の生活サポート、地域生活への移行支援を行い、地域にある生活訓練施設では、日常生活における家事や身だしなみを整えるといった基本的な動作の指導や助言を行います。

また、就労支援施設においては、就職活動のアドバイスや職場への定着支援を通じて、社会参加をサポートすることも重要な役割です。

このように、精神保健福祉士は、精神障がいのある方が抱える悩みや問題を深く理解し、その人らしい生活を送れるよう、個別の状況に合わせた適切な援助を計画し、実行することが求められます。

地域社会における精神障がい者の自立を促し、QOL(Quality of Life)の向上に貢献する、非常に重要な存在と言えるでしょう。


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「利用者さんの役に立てるよう学び続けていきたい。」(2013年度卒業)

「患者さんの暮らし全般を支えることができる。」(2011年度卒業)

「自分自身の成長を実感できる仕事。」(2010年度卒業)

「国家資格の取得を通して仕事の幅を広げる。」(2009年度卒業)

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