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神戸医療福祉専門学校の精神保健福祉士科は、兵庫県で唯一の夜間1年制!
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精神保健福祉士と公認心理師は、どちらも精神的な問題を抱える人々をサポートする専門職ですが、その役割や支援のアプローチには明確な違いがあります。

精神保健福祉士は、精神疾患を抱える方やその家族が社会復帰し、安定した日常生活を送れるよう、生活面での相談援助や社会資源への接続など、環境調整に重点を置いた支援を行います。

具体的には、医療機関での退院支援や地域での生活相談、就労支援などが挙げられます。

一方、公認心理師は、心に問題を抱える幅広い年齢層の方々に対し、心理学の専門知識と技術を用いて、心理状態の観察・分析、心理査定、カウンセリング、心理療法などを通して心の健康をサポートします。

対象は精神疾患のある方に限らず、学校の児童生徒からビジネスパーソン、主婦、高齢者まで多岐にわたります。

また、公認心理師は、保健医療、福祉、教育、司法・犯罪、産業・労働など、多様な分野で活躍しており、心の健康に関する知識の普及や情報提供も重要な業務の一つです。

つまり、精神保健福祉士が社会生活への適応を支援する「社会福祉士」としての側面が強いのに対し、公認心理師は心の専門家として「心理支援」に特化している点が大きな違いです。

両者ともに相手の話に理解や共感を示すことが重要である点は共通しています。

精神保健福祉士とは?

精神保健福祉士は、精神科ソーシャルワーカー(PSW)とも呼ばれる精神的な問題を抱える方々をサポートする専門職です。

心に病を抱える方が社会生活へスムーズに戻れるよう、生活面での相談援助や助言を行う国家資格となります。

1997年の精神保健福祉法の施行を機に誕生し、2012年の障害者総合支援法の制定により、その活躍の場は医療、保健、福祉といった多岐にわたる領域に広がっています。

医療機関の場合

精神科病院や診療所、総合病院内の精神科、心療内科クリニックなどで働く精神保健福祉士は、精神疾患を抱える患者さんやそのご家族に対して、精神保健に関する相談対応や入退院の援助、退院後のサポートなどを行います。

精神科医療機関に配置されている精神保健福祉士の数は、平均で2.18人であり、最大値は11人という調査結果があります。

彼らは、主治医や看護師、作業療法士、臨床心理士といった他職種と連携し、チームの一員として患者さんを支える重要な役割を担っています。

そのため、高いコミュニケーション能力が求められる職種です。

福祉施設の場合

精神保健福祉士は、就労移行支援や就労継続支援、生活訓練などの障害福祉サービス事業を行う施設や、相談支援事業所、地域活動支援センターなどが主な勤務先です。

一般企業で働くことが困難な方々に対し、生産活動の機会を提供し、自主的な生活能力の向上をサポートします。

例えば、障害を持つ方々と一緒に商品の製作を行ったり、納品先に伝票を作成したりする業務に携わることもあります。

また、サービス利用に関する計画相談支援や、電話や訪問による相談対応も重要な業務です。

精神保健福祉士は、これらの業務を通じて、利用者の社会参加と自立した生活を支援する役割を担っています。

公認心理師とは?

公認心理師は、2017年に施行された公認心理師法に基づく心理職の国家資格です。

保健医療、福祉、教育など多岐にわたる分野で、心理学に関する専門知識と技術を用いて、心理的な支援が必要な方々の心理状態の観察や分析を行います。

また、本人やその関係者への相談、助言、指導、その他の援助も業務に含まれており、心の健康に関する知識の普及活動も行っています。

具体的には、心理的な問題を抱える方やその周囲の方々に対し、心理学の視点から解決に向けたサポートを提供するのが主な役割です。

公認心理師の仕事内容

公認心理師は、心理に関する支援を必要とする方々に対して、専門的な知識と技術を用いてサポートを行う専門職です。その仕事内容は多岐にわたりますが、主に「心理査定」と「心理支援」の2つが中心となります。心理査定では、面接や心理テスト、行動観察などを通して、相談者の特性や抱える問題、課題を明らかにします。この査定を通じて、相談者自身が自己理解を深められるよう促すことも重要です。

心理支援では、心理査定で明らかになった心の問題に対し、様々な心理療法を用いて解決へと導きます。単に問題を解決するだけでなく、相談者自身が本来持っている自己治癒力を引き出し、自尊感情を取り戻して自分自身の心の状態を理解できるよう寄り添い、支援していきます。カウンセリングや相談助言・指導を通して、心の健康保持増進を目指します。

公認心理師が働く場所

公認心理師は、その専門性を活かし、多岐にわたる場所で活躍しています。

主に「保健医療」「福祉」「教育」「産業」「司法」の5つの領域で活動しており、それぞれの専門機関で心理的な支援を行っています。

中でも保健医療分野での従事が最も多く、病院やクリニックなどで患者さんの心の健康をサポートしています。

次いで教育機関や福祉施設でも多くの公認心理師が働いていますが、これらの領域では契約社員として勤務するケースも少なくありません。

公認心理師になるには?

公認心理師になるためには、国家試験に合格し、公認心理師の資格を取得する必要があります。

受験資格を得るには主に3つのルートがあります。

大学で所定の科目を修了後、大学院でさらに所定の科目を修了するルート、または大学で所定の科目を修了後、厚生労働大臣が定める施設で2年以上の実務経験を積むルート、そして海外の大学・大学院で心理に関する科目を修了するルートです。

また、公認心理師法が施行される前に大学や大学院に入学していた方を対象とした特例措置ルートもいくつか存在します。

臨床心理士の資格は民間資格ですが、公認心理師は国家資格として心理職の専門性を高める重要な役割を担っています。

精神保健福祉士と公認心理師との違い

精神保健福祉士と公認心理師の違いとして、まず対象者が挙げられます。

精神保健福祉士は、精神疾患を持つ方やそのご家族、周囲の人々を主な支援対象とします。

一方、公認心理師は、心に問題を抱える本人、またはその周囲の人々が支援対象となり、より広範囲な心のケアに関わります。

次に、受験資格を得るまでの期間に大きな違いがあります。

精神保健福祉士は、福祉系の大学を卒業することで最短4年で国家試験の受験資格が得られます。

それに対し、公認心理師は心理系の大学を卒業後、さらに大学院を修了する必要があり、最短でも6年間を要します。

さらに、それぞれの資格で履修する科目の内容も異なります。

精神保健福祉士は、人体の構造と機能、心理学理論と心理的支援、社会理論と社会システムといった福祉に関する専門科目に加え、精神保健福祉相談援助の基盤(基礎・専門)などの実習科目も履修します。

一方、公認心理師は、公認心理師の職責、心理学概論、臨床心理学概論といった心理学全般にわたる科目に加え、心理演習や80時間以上の心理実習が大学で必須です。

さらに大学院では、保健医療分野、福祉分野、教育分野、司法・犯罪分野など多岐にわたる領域での理論と支援の展開に加え、450時間以上の心理実践実習が求められます。

このように、精神保健福祉士と公認心理師の違いは、資格取得までの道のりや学修内容にも明確に表れています。

業務内容

精神保健福祉士と公認心理師は、対象者の支援において異なるアプローチを取ります。

精神保健福祉士は、精神的な課題を抱える方が地域社会で安心して生活できるよう、医療や福祉、就労に関する相談援助や社会資源への橋渡しを行う専門職です。

主に社会復帰や自立した生活を送れるよう、具体的な支援計画を立て、行政手続きのサポートや関係機関との連携を通じて生活基盤の確立を目指します。

精神保健福祉士の場合

精神保健福祉士は、精神的な疾患や問題を抱える方々が、地域社会の中で自立した日常生活を送れるように支援する専門職です。

その業務は、相談援助を通じて、日常生活に支障をきたしている人々を「日常生活が過ごせるレベル」へと導くサポートが中心です。

具体的には、精神科病院に入院している患者さんの退院支援や、社会復帰に向けた訓練、就労支援などを行います。

また、患者さんの家族や関係機関との連絡・調整役も担い、社会参加や社会復帰を円滑に進めるための手助けも大切な役割です。

支援は多岐にわたり、医療費の相談や住居の確保、時には家庭訪問を通じて退院後の生活を見守ることもあります。

精神保健福祉士は、精神障がい者が抱える問題を社会との関係で捉え、誰もが暮らしやすい地域づくりを目指して活動しています。

臨床心理士の場合

臨床心理士は、心の問題や悩みを抱える人々に対して、心理学の知識とカウンセリング技術を用いて援助を行う「心の専門家」です。

子どもから高齢者まで、クライエント一人ひとりの個性を尊重しながら、問題解決と自己実現のためのサポートを行います。

主に、臨床心理査定(アセスメント)、臨床心理面接(カウンセリング・心理療法)、臨床心理的地域援助(コミュニティ支援・コンサルテーション)、調査・研究といった業務に携わります。

専門的な技法としては、認知行動療法や精神分析的アプローチなどが挙げられ、これらの心理的支援を通じて、患者さんの心理面を重視した問題解決を目指します。

また、臨床心理士も精神保健福祉士と同様に、相手の話を理解し共感する「傾聴」が何よりも大切です。

これは、相手の立場に立って気持ちを共感しながら理解しようとする「共感的理解」、相手の意見を否定せずに肯定的な関心を持って聴く「無条件の肯定的関心」、そして話が分かりにくい時には明確に伝える「自己一致」という3つの要素から成り立っています。

資格の違いとは?

精神保健福祉士は、1997年に制定された「精神保健福祉法」に基づき誕生した国家資格です。

精神に障害がある方の社会復帰を支援する専門職として、医療・福祉・行政など幅広い分野で活躍しています。精神保健福祉士の資格は、年に1回実施される国家試験に合格することで取得できます。

一方、公認心理師は、2017年に施行された公認心理師法に基づく心理職で初の国家資格です。

公認心理師は、心理に関する専門的な知識と技術を用いて、心の健康に関する支援を必要とする方やその関係者に対し、相談や助言、指導などの援助を行います。

臨床心理士は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格です。

公認心理師と臨床心理士はどちらも高度な心理専門職であり、基本的なスキルに大きな違いはありませんが、公認心理師は国が定めた法律に基づく資格であるため、医療機関などでは必須となる場合があります。

精神保健福祉士の場合

精神保健福祉士は、精神的な課題を抱える人々が地域社会で安定した生活を送れるよう支援する専門職です。

この資格は厚生労働大臣が定める国家資格であり、保健医療機関や福祉施設、行政機関など多岐にわたる場所で活躍しています。

例えば、医療機関では患者さんが退院した後の生活をサポートしたり、福祉施設では就労支援や住居確保の援助を行ったりします。

また、行政機関では相談窓口として、精神的な問題を抱える人々やその家族の支援ニーズに応える役割を担っています。

精神保健福祉士は、相談者の話に耳を傾け、心理的な側面だけでなく、生活全般にわたる課題解決を支援することで、地域での自立した生活を支える重要な存在です。

臨床心理士の場合

臨床心理士は、1988年に公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定を開始した民間資格であり、文部科学省が認定する指定大学院を修了するか、医師免許取得者で2年以上の心理臨床経験を持つなどの要件を満たす必要があります。

この資格は、精神的な問題を持つ人々の心理的なサポートを専門としており、個別のカウンセリングや心理テスト、グループセラピーなどを通じて、心の健康の回復や維持を支援することが主な業務です。

国家資格である公認心理師と比較すると、社会的な認知度や求人においては公認心理師が優位になる傾向がありますが、臨床心理士は長年にわたり心理職の専門家として実績を築いてきた歴史があります。

しかし、精神保健福祉士は精神疾患を抱える人々の社会復帰を支援する国家資格であり、医療機関や福祉施設での就職において、国家資格である精神保健福祉士の方が有利なケースが多いのが現状です。

これは、公的な機関での業務では、国家資格が重視される傾向が強いためと考えられます。

精神保健福祉士と公認心理師ダブルライセンスのメリット・デメリット

精神保健福祉士と公認心理師は、どちらも人々の精神的な健康をサポートする専門職ですが、それぞれ異なるアプローチや専門分野を持っています。

そのため、精神保健福祉士と公認心理師の違いを理解し、両方の資格を併せ持つダブルライセンスを目指すことは、多くのメリットをもたらします。

例えば、心理的な見立てをより専門的に行えるようになるほか、精神保健福祉士としての社会福祉の視点と、公認心理師としての心理学的な視点の両方から支援を行うことで、より多角的なサポートを提供できるようになるでしょう。どっちがいい、という問いに対しては、個人のキャリアプランや目指す支援の形によって異なりますが、両方取得することで、より幅広い活躍の場が期待できます。

メリット① 心理的な見立てができる

精神保健福祉士として相談援助業務を行う際、公認心理師の資格をあわせて持つことで、クライエントの抱える問題の背景にある心理的な要因を深く理解できるようになります。

これにより、表面的な課題だけでなく、クライエントの内面にある感情や思考パターンを把握し、より適切で質の高い支援計画の立案に繋げることが可能です。

精神的な課題を抱える方が社会生活を送る上で必要なサポートを提供するだけでなく、心理的な側面からのアセスメントができるため、多職種との連携においてもスムーズな情報共有や協働が期待できます。

メリット② 希望の働き方を実現しやすい

精神保健福祉士と公認心理師のダブルライセンスを持つことで、働き方の選択肢が大きく広がります。

公的機関や民間企業だけでなく、独立して開業する道も開けるため、ご自身の目指すキャリアパスや理想とする働き方を実現しやすくなるでしょう。

また、専門性の幅が広がることで、より多様な業務に携わることが可能となり、キャリアアップの機会も増えることが期待できます。

デメリット1①資格取得までに時間とお金がかかる

公認心理師の資格を取得するには、大学と大学院で専門科目を履修するルートが一般的であり、時間と費用がかかることがデメリットです。

公認心理師になるには、まず4年制大学で指定の25科目を履修し、その後大学院で指定の10科目を履修して修了することで、国家試験の受験資格が得られます。この大学院での学習期間は通常2年間です。

学費は大学・大学院によって異なりますが、私立大学の大学院では年間で約100万円以上かかることもあります。

さらに、国家試験の受験費用や参考書代なども必要となるため、総額でかなりの費用が必要になります。

デメリット② 両資格の専門性を担保し続けなければならない

ダブルライセンスを持つことは、専門性を高める上で非常に有益ですが、両方の資格の専門性を常に高い水準で維持していく必要があります。

特に公認心理師は、専門職としての倫理観や知識・技能の継続的な更新が求められるため、研修への参加や学会での情報収集などを怠らないことが重要です。

継続的な学習や自己研鑽が負担となる可能性もありますが、この努力は「心の専門職」として質の高い支援を提供し続ける上で不可欠な要素と言えます。

まとめ~精神保健福祉士と公認心理士(臨床心理士)の違い

精神保健福祉士と公認心理師(臨床心理士)は、どちらも心の健康をサポートする専門職ですが、その役割、対象、資格の種類に明確な違いがあります。

精神保健福祉士は、精神疾患によって日常生活に困難を抱える方を対象に、相談援助を通じて社会復帰や地域での自立した生活を支援することが主な業務です。

具体的には、医療機関での入退院支援、福祉施設での生活訓練や就労支援、行政機関での相談対応など、生活全般のサポートを行います。

精神保健福祉士は、厚生労働大臣が定めた国家資格であり、有資格者のみがその名称を名乗ることができます。

一方、公認心理師は、心の問題を抱える多様な人々を対象に、心理学の専門知識と技術を用いて心理状態を分析し、カウンセリングや心理療法を通じて問題解決を支援します。

その活動は、保健医療、福祉、教育、司法、産業など幅広い分野に及びます。

公認心理師も国家資格であり、2017年に施行された公認心理師法によって、日本初の心理職の国家資格として誕生しました。

臨床心理士は、公認心理師が誕生する以前から心理職の代表的な資格として知られていましたが、こちらは民間資格です。

しかし、公認心理師と同様に大学院での専門的な学びが求められ、臨床心理学に基づいたカウンセリングや心理検査を行います。

まとめると、精神保健福祉士は「精神障害者の社会復帰支援」に特化し、社会資源との連携や生活支援に重点を置く「福祉」の側面が強い専門職です。

対して、公認心理師(臨床心理士)は「心の問題解決」に焦点を当て、心理療法やカウンセリングといった「心理」的なアプローチを通じて心の健康を支援する専門職と言えます。

ご自身の目指すキャリアや関心のある支援内容を踏まえて、最適な資格を選択することが重要です。

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