介護福祉士とホームヘルパーの違い

  • この記事は、神戸医療福祉専門学校の介護福祉士科が執筆しています。

介護福祉士とホームヘルパー(介護職員初任者研修、実務者研修)は日常生活を送ることが困難な状態になっている高齢者、もしくは身体に障がいのある人に対し、身体介護を行っていく仕事です。
しかし介護福祉士とホームヘルパー(介護職員初任者研修、実務者研修)には大きな違いがあります。


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資格の種類

まず、介護福祉士とホームヘルパーの大きな違いは資格の種類が挙げられます。

まず介護福祉士は介護福祉士資格を有した職業です。
介護福祉士資格とは、介護について専門的かつ高度な知識や技術を有した、介護福祉系資格の中で唯一の国家資格です。
介護福祉士の資格は、大きく分けて2つのコースがあり、「国家試験を受験して合格する方法」と「養成施設を卒業すること」の2種類の方法で取得することができます。
前者の場合、実務経験3年以上を積んだうえで、「筆記試験と実技試験を受験」、「介護技術講習を受け、筆記試験を受験(実技試験は免除)」、「実務者研修を受け、筆記試験を受験(実技試験は免除)」の3パターンに分けられます。
そして後者の場合は「2年以上の養成施設(専門学校、短期大学、大学)を卒業」、「保育士(保母)養成施設卒業者が1年間の養成施設を卒業」があります。
しかし現在、国では介護福祉士の養成施設卒業者に関する議論も進められており、現時点では2022年度の卒業生からは養成施設ルートを選んだとしても、国家試験は義務化へと変更となる可能性も出ているため、職務に対してはもちろん、就職にも強い資格といえます。

それに対し、ホームヘルパーは介護職員初任者研修、介護職員実務者研修を有した職業です。
ホームヘルパーの資格である介護職員初任者研修、介護職員実務者研修は、厚生労働省が定めた事業所で養成研修を受けて取得する認定資格です。
介護職員初任者研修を取得するためには、130時間のカリキュラムを修了し、民間の資格学校・スクールなどで授業を受け、筆記試験に合格と、最短60日で資格を取得することができます。
介護職員実務者研修を取得するためには、無資格であれば450時間、介護職員初任者研修修了者は320時間のカリキュラムを修了する必要があります。

仕事

介護福祉士の仕事
介護福祉士とホームヘルパーの違いは、仕事でも違いがあります。

介護福祉士の主な仕事内容は介護業にもあたる直接体に触れて行う『身体介助』、家事全般の手伝いを行う『生活援助』、要介護者のご家族に対して家庭介護のアドバイスや介護用具を使う際の指導などがあげられます。
さらに、介護福祉士は「ケアワーカー」と呼ばれる現場の責任者になったり、介護者に対して介護の指導を行うことも業務の1つとして挙げられます。
そのため、介護福祉士は介護の現場においては指導をする立場、責任のある立場になる職種といえます。
そして、介護福祉士のおもな勤務先は特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、介護療養型医療施設、サービス付き高齢者向け住宅、デイサービス、デイケアなどの介護施設、訪問介護などの他、障がい児(者)関係施設、医療機関等があり、中には介護福祉士養成校などで教員・講師の仕事もあります。
そのため、介護福祉士は活躍の場も幅広く特徴として挙げられます。

一方、ホームヘルパーの仕事内容は介護福祉士と同じく、仕事内容は介護業にもあたる直接体に触れて行う『身体介助』、家事全般の手伝いを行う『生活援助』が主となります。
そしてホームヘルパーのおもな勤務先は訪問介護事業所(ヘルパーステーション)がほとんどですが、利用者の方の住まいが多様化していることに伴い、高齢者専用のアパートやサービス付き高齢者住宅と介護サービス付き高齢者住宅や有料老人ホームなど、訪問介護事業所が介護の必要な方の居室に訪問してサービスを行う職場も増えています。
しかし、それでもホームヘルパーは介護福祉士から指示を受けながら仕事を行っていきます。
そのため、介護福祉士より実務の多くを担当することが多い上に、活躍の場が限られているともいえます。

待遇の違い

待遇の違い
そしてさらに、介護福祉士とホームヘルパーは待遇にも違いがあります。

まず、介護福祉士は就職先を幅広く選択できるようになると同時に、正社員として事業所や施設募集されているところが多いため、雇用面で採用されやすいことが大きな特徴となっています。
さらに、介護福祉士は先ほどお話したように国家資格であるため、資格取得が困難である点も考慮され、給料も約20万円前後で、休日割増や休日手当、夜勤手当などでカバーされ、月給が手取りで22万円程度になることもあります。
しかしさまざまな面でホームヘルパーよりも介護福祉士資格取得者の方が優遇されているケースも多く見られ、よくある例を挙げるとすると、介護福祉士の資格を所有していると、資格手当として3000円から10000円程度がつくケースといったものが挙げられます。
そして管理職のお仕事を任されるため、仕事に対して違った見方もできるようになります。
一緒に働く仲間や日々関わっている高齢者の方からの信頼も得やすくなり、介護福祉士の現場経験を積んでからケアマネージャーを目指すこともできるため、キャリアアップも可能です。

一方ホームヘルパーは誰でも取得ができる民間資格である上に、活躍できる場が介護福祉士より少ないため、就職先は介護福祉士より選択肢が少ないことが大きな特徴です。
また、ホームヘルパーのほとんどはアルバイト、もしくはパート社員と短時間での雇用を前提とした求人が多く、正社員として働く人はそこまで多くありません。
具体的な給料は訪問介護の場合、1件の利用者に対して「身体介護」を担当する際は時給1,800円〜2,500円、「生活援助」では時給1,300円〜1,600円ほどが多く、ほとんどの施設や企業が時給制となっており、交通費や資格手当、さらに移動時間などの時間もつかないケースもあります。
中には正社員として雇用されるパターンとありますが、資格の有無や、夜勤の回数によって給料は変わりますが 、月給15〜20万円ほどと、安定した月収を得ている人も増えてきています。
そして賞与の支給状況は施設によって異なるものの、正社員であれば支給されることが一般的です。
しかし、ホームヘルパーは利用者とだけではなく、介護福祉士の指導のもとで実務を行う立場であるため、人と接することが多いため、介護福祉士よりストレスがたまりやすい環境も考えられるため、注意が必要です。

まとめ

介護業界は常に人材不足が続いており、高齢者や身体に障がいのある人へ実際に手を差し伸べる直接的なサポートを行っていく介護福祉士とホームヘルパーの需要はいずれも非常に高く、行う業務も年々増えています。
介護福祉士とホームヘルパーは資格の種類、仕事の内容、待遇の3点で大きく違いがあり、勤務先や役職によって大きく変わっていきますが、介護福祉士は手当やキャリアアップで給料を上げることもできるため、努力次第で自分の望むキャリアへと歩んでいくことができます。
さらに、これから少子高齢化やライフスタイルの変化も進んでいくため、介護福祉士とホームヘルパーという職業をしっかり比較し、どの資格を取得していけばいいのかを検討していくと良いでしょう。
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