
社会福祉士とは、医療や福祉についての相談援助業務を行う国家資格です。
社会福祉士が支援する対象は、高齢者や障がい者、子どもや低所得者などが挙げられ、幅広いサービスができるのが特徴。
社会福祉士になりたいけれど、「どうやってなるのか」「国家試験が難しそう」など悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
社会福祉士になるためには、国家試験に合格する必要があります。
そこで本記事では、社会福祉士に必要な国家試験の内容や、基本的な情報を紹介します。また、国家試験の合格率や合格するためのコツなども解説しているのでぜひ参考にしてください。
目次
社会福祉士になるには?
ここでは、社会福祉士になるためにはどうすれば良いのかを紹介します。
国家試験に合格する必要がある
社会福祉士になるには、国家試験に合格する必要があります。国家試験は毎年2月に1度実施。
そして国家試験に合格したのち、登録簿に登録されてから初めて社会福祉士と名乗れるのです。
国家資格とは
社会福祉士国家試験の受験資格を取得するためのルートは12種類あります。
福祉系大学 |
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短期養成施設 |
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一般養成施設等 |
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参考資料:社会福祉振興・試験センター
受験資格を最短で受けられるルートは、福祉系の4年制大学で社会福祉に関する科目をを卒業した方です。
大学や短大に行かなかった方でも、一般養成施設や短期養成施設でスタートする方法もあります。中には通信制もあり、働きながら受験資格を得た方も。
ただし、通信課程の場合でも実習は必要です。


社会福祉士国家試験の科目内容
社会福祉士国家試験は5つの選択肢から選ぶ筆記試験です。出題される試験科目は19科目あります。
また、「18.就労支援サービス」と「19.更生保護制度」の2科目は、試験の合格基準では合わせて1科目群です。
共通科目 | 試験内容 |
---|---|
1.人体の構造と機能及び疾病(7問) | 人体の構造、成長、発達や健康観や国際生活機能分類(ICF)などの知識 |
2.心理学理論と心理的支援(7問) | 相談援助に係る人間の心理についての知識や各種セラピー、心理検査 |
3.社会理論と社会システム(7問) | 社会学理論や社会構造に関する知識 |
4.現代社会と福祉(10問) | 福祉の原理や理想についての知識 |
5.地域福祉の理論と方法(10問) | 地域福祉の理解 |
6.福祉行財政と福祉計画(7問) | 行政の福祉の仕組みや福祉計画・国、地方の福祉の予算 |
7.社会保障(7問) | 社会保険・年金の歴史や知識 |
8.障害者に対する支援と障害者自立支援制度(7問) | 障害に関する福祉制度の知識 |
9.低所得者に対する支援と生活保護制度(7問) | 生活保護制度の知識 |
10.保健医療サービス(7問) | 現在の医療保険や医療法、地域での保健活動の知識 |
11.権利擁護と成年後見制度(7問) | 人権や民法における財産などの権利や成年後見制度の知識 |
専門科目 | 試験内容 |
12.社会調査の基礎(7問) | データの集計方法や基礎知識 |
13.相談援助の基盤と専門職(7問) | 相談を受ける際の基礎や過去の発展 |
14.相談援助の理論と方法(21問) | 実際の相談場面を想定した技術の習得 |
15.福祉サービスの組織と経営(7問) | 福祉の団体や組織の経営について |
16.高齢者に対する支援と介護保険制度(10問) | 超高齢化社会の現状や介護保険制度、後期高齢者医療制度について |
17.児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度(7問) | 児童虐待やひとり親家庭の支援、児童福祉法などに関する知識 |
18.就労支援サービス(4問) | 就労支援サービスは障害者雇用や労働法について |
19.更生保護制度(4問) | 更生保護制度は医療観察法、司法福祉について |
第35回社会福祉士国家試験の合格率
第35回社会福祉士国家試験の難易度や合格率を知っておくことで、どのくらい大変なのかがわかります。
国家試験の難易度・合格点は?
厚生労働省によると、令和5年2月5日に実施された社会福祉士国家試験の合格率は44.2%でした。
一般的に国家試験の平均合格率は70.58%と言われているので、社会福祉士国家試験はかなり難しいことがわかります。
また、合格基準は1問1点とし、総得点150点に対して90点以上です。(総得点の60%程度を基準)
試験科目の一部免除を受けた受験者の場合は、総得点67点に対して41点以上が合格基準となります。
参考資料:第35回社会福祉士国家試験の合格基準及び正答について
受験者数
第35回社会福祉士国家試験を受けた方は36,974人でした。そのうち合格者は16,338人です。上記から見てもわかるように、福祉系大学等・一般養成施設等を卒業した方が多く見られます。


社会福祉士国家試験の基本情報
社会福祉士国家試験の基本的な情報を紹介します。受験申し込み手続きから合格後の流れを見ていきましょう。
受験申し込み手続き
受験申し込み手続きを行う方法は2種類あります。
- インターネットでの申し込み
- 郵送での申し込み
インターネットで申し込み
インターネットから申し込む場合は、「2回目以降の受験」「要件を満たしている」ことが前提です。
社会福祉振興・試験センターの公式サイトで必要事項を入力します。また、手数料をクレジットカードで支払いするか、コンビニエンスストアで支払いするかの方法があります。
郵送での申し込み
まず、社会福祉振興・試験センターから「受験の手引」を入手します。
「受験申込書」「受験手数料払込受領証貼付用紙」「受験用写真等確認用紙」などの必要提出書類を用意して、指定の「コンビニエンスストア専用払込票」を使用して振り込みします。
郵送の場合はポストを使うのではなく、郵便窓口から「簡易書留」を利用するのがおすすめです。
また、第36回社会福祉士国家試験の受験申し込み手続きの詳細は、令和5年8月上旬頃に発表されます。
なお、第35回の申し込み期間は、令和4年9月8日から10月7日まで(消印有効)の1ヶ月間でした。
受験手数料
受験するための手数料は以下の通りです。
受験す内容 | 手数料 |
---|---|
社会福祉士のみ受験する場合 | 19,370円 |
社会福祉士と精神保健福祉士を同時に受験する場合 |
36,360円 (社会16,840円+精神19,520円) |
社会福祉士の共通科目免除により受験する場合 | 16,230円 |
受験する内容によって手数料が変わるので確認しておきましょう。
合格後の手続き
「社会福祉士国家試験合格証書」「社会福祉士国家試験結果通知書」などの合格通知の書類とともに、「新規登録の手引き」が同封されているので、基本的に流れに沿って行えば間違えないはずです。
同封されている「社会福祉士登録申請書」に必要事項を記入して、15,000円分の収入印紙を円を貼ります。
必要書類を同封して、郵便窓口にて簡易書留で郵送しましょう。また、登録手続きをしなくても合格の無効にはなりませんが、社会福祉士の名称を語ることはできません。
社会福祉士国家試験に合格するコツ
上記の難易度から見てもわかるように、社会福祉士国家試験に合格するためには、過去問を解いたりしっかり計画を立てて挑まなければなりません。
過去問を解く
実際の試験問題を何度も解くことで、どのような問題が出題されているのかがわかります。また、自分の苦手分野や時間配分などが掴めるといった意味でも大切な項目です。
最新のテキストや参考書を使うのがポイントです。古いテキストや参考書の場合は、最新情報が記載されていないことも多いので注意してください。
模擬試験を受ける
模擬試験で問題を解くというのも大切ですが、なんといっても本番の雰囲気に慣れることがメリットです。
緊張した中で時間配分や冷静に問題を解けるかなど、自分の技量が試されます。最初は周りの雰囲気に飲まれるかもしれませんが、慣れるように努力するのも大切です。
スケジュールをしっかり立てる
社会福祉士国家試験に合格するために必要な勉強時間は、なんと約300時間と言われています。
社会福祉士を目指している方の中には、仕事と両立しながら勉強している方も多いため、1日のスケジュール管理を徹底するのがおすすめです。
試験日から逆算してスケジュールを組むようにすれば、試験間近で焦ることはありません。300時間以上勉強できるようにスケジュールを確保して対策しましょう。
こちらの記事もおすすめ:社会福祉士になるには|資格取得までのステップ、合格率や難易度について


まとめ
社会福祉士国家試験に関しての情報を紹介しました。社会福祉士を取得することで、高齢者や障害のある方以外にも、生活環境に問題がある方や子供などに対して幅広いサポートが可能です。
しかし、合格するには時間をかけて専門知識を身につける必要があります。さらに、介護の現場を理解していないと、社会福祉士として相談や助言ができないシーンも出てくるといった経験者の声も。
そのため、社会福祉士の資格を取得する前に、介護福祉の資格を取得する方もいらっしゃいます。
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