学校などの教育現場において、いじめや不登校、暴力行為など児童・生徒を取り巻く問題はさまざま。
その要因や背景は多様化・複雑化しているため、教員だけの支援では解決が困難となっているのが現状です。
そこでこの記事では、こういった問題の解決を図る専門職として現在配置が進められているスクールソーシャルワーカーという専門職について紹介します。
学校などの教育現場において、いじめや不登校、暴力行為など児童・生徒を取り巻く問題はさまざま。
その要因や背景は多様化・複雑化しているため、教員だけの支援では解決が困難となっているのが現状です。
そこでこの記事では、こういった問題の解決を図る専門職として現在配置が進められているスクールソーシャルワーカーという専門職について紹介します。
福祉や介護の仕事をしている人たちなら、一度は「社会福祉士の資格を持っていれば勝ち組」なんて言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
そこで今回は、社会福祉士が勝ち組といわれる5つの理由を解説。
さらに社会福祉士として働くにあたって、給料・年収が高い職場ランキングも紹介します。
病気や身体のハンデ、経済的な問題などで困っている人を支援する”社会福祉士”。
時代の変化によりニーズが高まっている職業ですが、実際にどのように目指していくのかわからないという人が多いのではないでしょうか?
この記事では、社会福祉士になるために必要な資格や、資格を取るまでのステップ、社会人から社会福祉士を目指す方法などについて解説していきます。
社会福祉士の合格率や難易度、介護福祉士・ケアマネージャーとの難易度の違いなどについてもまとめているので、社会福祉士に興味のある方はぜひ目を通してみてくださいね。
社会福祉士とは、1987年に制定された「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づいて誕生した国家資格です。
ソーシャルワーカー(SW:Social Worker)とも呼ばれる社会福祉の専門職で、身体的・精神的・経済的なハンディキャップのある人がスムーズに日常生活を送れるよう、相談に乗ったり、支援を行ったりします。
社会福祉士とは、前述した通り国家資格のことを指すため、資格を取得しなければなることができません。
しかし、社会福祉士が行なっている福祉や医療に関する相談援助そのものは、資格がなくても行うことが可能です。
社会福祉士の資格を持っていることで”社会福祉士”と名乗ることができ、専門知識があることの証明や利用者からの信頼につながりますが、資格がない場合は”ソーシャルワーカー”や”生活相談員”などとして業務に就くことになります。
社会福祉士の主な仕事は、
・相談業務
・支援サービスの管理業務
・各関係機関との連絡・調整
・介護業務
の4つです。それぞれの仕事内容について、もう少し詳しく見ていきましょう。
社会福祉士の相談業務では、身体的・精神的な障害を持つ方や高齢者、ひとり親家庭など、日常生活を送る上で環境上の理由から困難を抱えている人の相談に乗り、それぞれの状況に応じた支援を行います。
介護保険や補助金制度の説明、施設への入居方法、介護サービスの利用方法など、相談を受けた上で適したサービスを提案していきます。
支援サービスの手続きや環境整備を行い、利用者が安心してサービスを受けられるようにします。サービスの提供後には相談内容を記録したり、サービスの管理をしたりと、引き続き利用者を支えていきます。
福祉・支援サービスを提供する施設はもちろん、福祉支援に関する法律への対応も社会福祉士が行います。
利用者にサービスを提供する中で欠かせないのが、各関係機関との連携です。
医師や介護施設など、さまざまな福祉関係施設との連絡を取り合いながら情報を共有し、利用者の状況に応じたサービスの見直しや調整を行います。
介護施設や障がい者施設に勤務する社会福祉士は、介護スタッフとして業務を行うケースも少なくありません。食事、入浴などの日常生活のサポート、掃除や洗濯などを担当します。
ただし、社会福祉士の資格を持っていることで、介護業務を行う施設の中でもリーダー的な役割になることが多くなります。
社会福祉士が利用者からの相談を受けてサービスを提供するまでの流れを大きく分けると、
利用者や家族へヒアリングを行う
⬇︎
サービスの提案をする
⬇︎
提案したサービスに関する相談に乗る
といった順番での進め方になります。
サービスを受ける利用者や家族が解決したいことや要望を確認するため、まず行うのがヒアリングです。日常生活を送る上で問題に感じていること、あると助かる支援など、できるだけ詳細に聞きます。
利用者や家族が考えていることとの相違があると、適切なサービスを提供できなくなってしまうので、寄り添って状況を聞きながら、必要なサポートを整理していきます。
ヒアリングした内容を元に、実際に利用者と家族の悩みや問題を解決したり、ニーズに合ったサービスを提案していきます。
1回の相談時間は1〜2時間ほどが一般的ですが、利用者によっては丁寧な説明が求められることも。その場合は、時間を多めに取ったり、理解・納得してもらえるまで何回か話し合いの場を設けることがあります。
利用者とその家族との意見が食い違うこともあるため、双方の意見を尊重しながら適切なサービスを提案していくことが重要です。
サービスを提案し、利用を開始したあとも利用者から適宜相談に乗ります。新しく問題が発生していたり、利用しているサービスが合わなかったりする場合は、再度ヒアリングを行い、適切なサービスの提案を考えなければなりません。
このように一人の利用者、そしてその家族との付き合いが長くなっていくケースも少なくありません。
社会福祉士の1日の業務例を、午前と午後に分けてみてみましょう。
午前に行う業務は主に
・利用者や家族との打ち合わせ
・質問や相談などの電話対応
・メールの返信
などです。打ち合わせは、利用者宅に訪問するケースと、勤務先に利用者が来るケースがあります。直接の打ち合わせが難しい場合は、電話で相談を受けることもあるため、こちらも午前中に対応します。
また、各関係機関とのメールでのやり取りも、午前中に対応します。
午後に行う業務は主に、
・施設スタッフや関係機関との会議や打ち合わせ
・行政担当者との会議
・業務報告資料の作成
などです。
利用者にどのようなサービスを届けるか、といった内容の会議を、施設スタッフや関係機関と会議ですり合わせます。また、午前のスケジュールでも挙がった利用者や家族との打ち合わせは、午後に行われることもあります。
社会福祉士は、子どもから高齢者、障がい者まで幅広い方を支援の対象としています。
このため就職先も高齢者施設や児童相談所、医療機関などさまざまで、活躍する職場によってその仕事内容や呼び方も変わってくるのが特徴です。
そこでここからは、社会福祉士が活躍している主な現場や具体的な職種名について紹介していきます。
社会福祉士がもっとも多く活躍しているのが、高齢者を対象とする高齢者福祉の現場です。
高齢者福祉施設での主な仕事内容は、施設の利用者やその家族の相談に応じること。
特別養護老人ホーム(特養)やデイサービスなどでは生活相談員、そして介護老人保健施設(老健)では支援相談員と呼ばれています。
また、各市町村が設置主体で、介護・医療・保健・福祉などの側面から高齢者を支える地域包括支援センターもまた、社会福祉士が活躍する施設の一つです。
地域包括支援センターで働く社会福祉士は、地域で暮らしている高齢者やその家族に対して、介護保険や高齢者虐待問題など、幅広い相談に応じます。
次に社会福祉士が多く活躍しているのが、障害を抱える方を対象とする障害者福祉の現場です。
社会福祉士は、障がい者の自立した生活を支えるために生活支援員として日常生活をサポートしたり、職業指導員や就労支援員として、働くことをサポートしたりします。
社会福祉士は、児童福祉の現場でも活躍しています。
児童相談所の児童相談員や、児童福祉施設の児童指導員・児童支援員などとして活躍するほか、母子支援関連や障害を持つ児童の援助施設などで、子どもとその家族の生活を支援します。
また、教育関係ではスクールソーシャルワーカー(SSW;School Social Worker)として、子どもが日常生活や学校生活で抱える悩みや、家庭内における虐待などの問題に対して、学校の教員や関係機関と連携をとりながら、解決に向けて取り組みます。
病院などの医療機関でも、社会福祉士は活躍しています。
病院内の医療相談室や地域医療連携室などの部署に、医療ソーシャルワーカー(MSW;Medical Social Worker)として所属。
患者さんやその家族からの相談に乗る相談援助業務や、退院後も患者さんが安心した療養生活を送れるよう退院調整を行います。
社会福祉士の国家資格は、年に1回、2月初旬に行われる国家試験に合格することで取得できます。試験は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが実施します。
社会福祉士国家試験は、以下19の指定科目があります。
1. 人体の構造と機能及び疾病
2. 心理学理論と心理的支援
3. 社会理論と社会システム
4. 現代社会と福祉
5. 地域福祉の理論と方法
6. 福祉行財政と福祉計画
7. 社会保障(7問)
8. 障害者に対する支援と障害者自立支援制度
9. 低所得者に対する支援と生活保護制度
10. 保健医療サービス
11. 権利擁護と成年後見制度
12. 社会調査の基礎
13. 相談援助の基盤と専門職
14. 相談援助の理論と方法
15. 福祉サービスの組織と経営
16. 高齢者に対する支援と介護保険制度
17. 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
18. 就労支援サービス
19. 更生保護制度(4問)
これら全19の科目を幅広く勉強し、試験対策を進めていかなければなりません。
合格基準点は、90点(正答率60%)ですが、指定科目のうち0点の科目が一つでもあれば不合格となります。
社会福祉士の資格を取得するまでの道のりは、大きく分けて3つのルートがあります。
・指定科目ルート
・基礎科目+6か月以上の養成施設ルート
・一般大学・短大または4年以上の実務+1年以上の養成施設ルート
これらのルートについて、詳しく見ていきましょう。
社会福祉士になるには|資格取得までのステップ、合格率や難易度について
福祉系大学などで指定科目を履修し、社会福祉士の資格取得を目指すルートです。
3年生の福祉系大学で履修した場合は1年、2年生の福祉系大学で履修した場合は2年、相談実務の援助を行う必要があります。4年生の福祉系大学で履修した場合は、相談援助の実務を行う必要はありません。
福祉系大学などで基礎科目のみを履修した場合は、その後6か月以上養成施設での履修を経て、社会福祉士の資格取得を目指します。
指定科目ルートと同じく、3年生の福祉系大学で履修した場合は1年、2年生の福祉系大学で履修した場合は2年、相談援助の実務を行う必要があります。
4年生の福祉系大学で履修した場合は、相談援助の実務を行う必要はありません。
その後は6か月以上、養成施設に通い、資格の取得を目指します。
大学入学から最短4年半で資格を取得できるルートです。
一般の大学や短大を経て社会福祉士を目指す場合は、養成施設に1年以上通う必要があります。
また、指定科目ルート・基礎科目ルートと同じく、3年生の福祉系大学で履修した場合は1年、2年生の福祉系大学で履修した場合は2年、相談援助の実務を行う必要があります。4年生の福祉系大学で履修した場合は、相談援助の実務を行う必要はありません。
また、大学や短大を卒業していなくても、4年間の相談実務を行うことで、4年制大学卒業と同等の要件を満たすことができます。
最短5年で資格を取得できるルートです。
社会福祉士の試験は、福祉系国家失格の中で最も難易度が高いと言われています。
以下は、福祉系国家試験のおおよその合格率です。
資格 | 合格率 |
社会福祉士 | 30%前後 |
介護福祉士 | 70%前後 |
精神保健福祉士 | 60%前後 |
このように、他の資格と比較して圧倒的に合格率が低いことがわかります。その大きな理由の一つとしては、19科目という試験範囲の広さです。専門用語や制度など、覚えなければならない知識がかなり多くあります。
また、全科目を学習するのに必要な時間は300時間とされており、この時間を学校や養成施設に通いながら、もしくは働きながら確保するのは困難であることがほとんどです。受験日までに、合格できるレベルまで知識を身につけられないことも、合格率の低さに影響している可能性があります。
ただし、2023年の社会福祉士国家試験合格率は44.2%と、例年より高い合格率に。ここ数年、自宅でしっかりと知識を身につける時間を取れるようになったことなどが要因となっていると考えられます。
公益財団法人社会福祉振興・試験センターが実施した令和2年の調査によると、社会福祉士の平均年収は403万円となっています。男女別で見ると、男性は473万円、女性では365万円と、男女間で100万円ほどの年収差があることがわかります。
この数字は、正社員だけでなく契約社員やパート職員、派遣職員も含まれているため、正社員だけで見ると約半数が平均年収を超えているというデータも発表されています。
平成27年度に行われた同じ調査では、平均年収が377万円であったのに比べると、平均年収は25万円ほど高くなっていることがわかります。
全職種、日本全体の平均年収はあまり変わっていないのに対して、この5年で平均年収がアップしている社会福祉士は、今後も待遇が良くなっていくことが期待できるでしょう。
社会福祉士以外にも、他の福祉系の国家資格としてはさらに、精神保健福祉士や介護福祉士などがあります。
これらは、社会福祉士と合わせて3福祉士と呼ばれることもあるほど、社会福祉における代表的な資格です。
それでは、社会福祉士とこれら2つの資格には、一体どのような違いがあるのでしょうか?
それぞれの仕事内容や活躍する場所についても紹介していきます。
精神保健福祉士も社会福祉士と同じく、ソーシャルワーカーと呼ばれる社会福祉の専門職です。
相談援助業務を通じて、生活に困っている人を支援するという点は社会福祉士と同じですが、違いはその対象者にあります。
社会福祉士は、障がいのある方や高齢者、子どもからひとり親家庭など、さまざまな環境上の理由によって日常生活に困難を抱えている人を支援するのに対して、主に精神障がいのある方を支援するのが、精神保健福祉士の仕事です。
具体的には、精神障害を抱えている方の日常生活の適応や、社会復帰に向けた支援を行います。
このため精神保健福祉士は、高齢者福祉や障害福祉、教育機関など、社会福祉士と共通する就職先以外に、病院の精神科や心療内科、精神保健福祉の専門機関である精神保健福祉センターなどでも活躍しています。
>>最短1年で精神保健福祉士が目指せる!神戸医療福祉専門学校 中央校 精神保健福祉士科
社会福祉士や精神保健福祉士と同様、福祉系の国家資格である介護福祉士。
両者と同じようにその名称には「福祉士」がついているものの、その仕事内容は少し異なります。
社会福祉士と精神保健福祉士は、相談援助業務を主な仕事内容としていますが、それに対して介護福祉士は、介護施設や訪問介護事業所などで、介護を必要としている人に対して直接介護サービスを提供するのが仕事です。
このため介護福祉士が活躍している場所は、老人ホームやデイサービスセンターなどの介護施設や、訪問介護員(ホームヘルパー)が所属する訪問介護事業所などになります。
>>最短2年で介護福祉士が目指せる!神戸医療福祉専門学校 中央校 介護福祉士科
社会福祉は、相談業務が中心。利用者と距離を縮めながら困りごとを的確に聞き出す必要があるため、コミュニケーション能力に長けている人にはぴったりの仕事です。
また、利用者が抱える悩みに寄り添い支えになることが大切であるため、人のサポートをするのが好きであること、相手の話を真摯に聞けること、相手の立場になって解決方法を考えられる人は社会福祉士に向いていると言えるでしょう。
資格を取るまで、そして取った後も多くの知識を身につけていかなければならないため、勉強することが苦でなく、社会福祉についてのスキルアップを目指していく意欲があるかどうかもポイントになってきます。
高齢化が進む日本では、高齢化福祉に関わる仕事の需要がずっと上がっています。高齢化福祉の業界はベースとして人手不足であることもあり、就職先に困ることはないでしょう。
また、医療施設や介護施設、学校、少年院など、社会福祉士が活躍できる場は多岐に渡ります。一つの分野での需要が落ち着いても、他の分野での活躍が見込めるため資格を取っておいて損はありません。
AIやロボットの技術が進んでいく中で職が失われていく懸念がありますが、人と人とのコミュニケーションが重視される社会福祉士の仕事は、機械に変えることはできません。適切なプランや施設の案内は可能かもしれませんが、「話を聞いてもらいたい」「支えになってもらいたい」といったニーズを満たす心のケアは、ロボットではなく人であることが重要です。
このような理由から、近い将来では社会福祉士の需要が減少することは考えにくいでしょう。
ここでは、社会福祉士についてよくある質問をまとめました。ここまでで解決できない疑問がある方は目を通してみてください。
A. 社会福祉士の試験科目そのものは通信で学ぶことができますが、資格の取得には実習経験が必須になります。
相談や援助の実務経験が1年以上ある場合以外は、実習を受けるための期間として最低でも1か月ほど確保しなければなりません。
A. 資格を取得する年齢、仕事に就く年齢のどちらにも制限はありません。
何歳からでも挑戦できる資格であることが、社会福祉士のいいところ。年齢を重ねた後でもキャリアアップとして取得を目指せます。
また、社会福祉士として働きたい場合の年齢制限もありません。ただし、施設ごとの決まりとして定年が設定されている場合は、施設が定める年齢までとなります。
働き方が多様化している近年では、70歳を超える人が非常勤で働いているケースもあります。
世の中には、一人暮らしの高齢者や、経済的に厳しいひとり親家庭など、さまざまな環境上の理由で日常生活に困難を抱えている人がたくさんいます。
そんな困っている人たちの相談に乗り、ニーズに対して適切な社会資源をつないだり、行政機関・医療機関との橋渡しを行ったりすることで、その問題解決に努めるのが社会福祉士の仕事です。
また、社会福祉士と同じように相談援助業務をメインとする仕事には、精神障がいを抱える人たちの自立した生活を支援する精神保健福祉士という職業もあります。
どちらもソーシャルワーカーと呼ばれる福祉の専門職ですが、どんな場所でどんな風に活躍したいかによって、選ぶ道は変わってくるでしょう。
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