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「これしか履けない」を「これを履きたい」に~靴工房LICHT LICHT KAMIYAMA~

整形靴科

2017.2.15

今回インタビューさせていただいたのは、三田校整形靴科を卒業後、靴の本場ドイツでの修業後、数年日本の義肢装具製作会社での活躍を経て、2015年に独立された金澤さん。

工房があるのは、自然豊かな地、徳島県神山町。
LICHT LICHT KAMIYAMA(リヒトリヒト カミヤマ)というお店です。

かつて、電気屋だった店舗の看板がそのままに残された、アンティークな雰囲気が漂う工房を構え、金澤さんは日々「一人ひとりの足に合った」「それぞれのライフスタイルに合った」靴製作に励んでおられます。

穏やかな地で育んでこられた、さらなる靴への熱い思い。

「理想通り」ではないかもしれないが、自分のこだわりを持ち、日々進んでいくことが気持ち良いとさえ感じるそうです。

 

金澤さん

LICHT LICHT KAMIYAMA 店主

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あるテレビ番組で靴デザイナーが紹介されているのを見た時から、靴を「つくる」ことがとても新鮮で強く印象に残っていた。
それまでも、服飾関係で働いている従兄弟や家具職人の叔父がいて、元々スーツを着て働くようなことは自分もしないのかな、とぼんやり思っていた。

例えば、もし自分が突然病気や事故で足が変形したら、今まで履いていた靴は当然履けなくなってしまう。
そういった場合、整形外科で作ってもらう靴は、自分の足の症状に合う医療靴になるため、もちろん履くことはできる。
それでも、選択肢が極端に少なくなる。
足が不自由になった方でも、自分には自分の着こなし方があるだろうし、誰でもそれなりのファッションへのこだわりがあるのは変わらないはずなのに。

「これしか履けない」を「これが履きたい」に。
三田校の整形靴科を選んだのは、その気持ちが強かったから。

三田校の整形靴科は、解剖学や病理学などが医療の知識を身につけ、「一人ひとりに合う靴」を追求できる環境だった。
自分が思うかっこいい靴をつくるのではなく、相手を考えてつくる靴。
三田校で学び、これが足と靴に対する考え方のベースになった。

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卒業した後は、1年間ドイツのブレーメンの工房に研修生として修行しに行った。
日本では、驚かれることかもしれないが、ドイツでは足のサイズを健康診断で測ることが当たり前。
足の状態が悪ければ、インソール(中敷)が処方されることもあり、靴は体を支える土台で健康に直結する、という考え方が浸透している。
それに比べて日本では、知らず知らずのうちに足を痛め、それに気づいていない人がたくさんいるのが現状だ。

そんなドイツの靴や足に対する考え方がもっと日本に広めたい。自分の靴作りで実現させたい。
そのために、日本に帰国後は、義肢装具会社で働き、仕事での靴作りはもちろんだが、それ以外でも、靴と足についての講演をしたり、資料を作ったり、自分にも何か出来るのでは、とずっと考えてきた。

独立したいという気持ちはずっとあったが、なかなか踏み出せずにいた時、妻の実家の徳島に何回か足を運ぶ機会があった。
妻の家族の交友関係を通じて、同年代でも事業を始めている人が何人もいて、大きな刺激になったのだ。

いつまで経っても、技術を追い求めるのは変わらない。
どこで区切りをつけて、やるのか。
それを神山で出会う様々な人からアドバイスをもらいながら考えた時、独立へぐっと近づいた感じがした。

製作面での試行錯誤はあるが、独立して、履いてもらったときに喜んでくれる顔を見たときは、嬉しい。
中には、1足目がよかったからと、2足目を注文してくださるお客様もいる。本当に嬉しいこと。

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企業や団体からも「こんな靴は作れないか」と相談いただくことも増えてきた。
最近では、徳島県の鳥獣害対策の関連でジビエの革を使った商品の開発を手伝ってくれないか、という依頼を受けたり。
地域の資源を活かした取り組みをしてみたいと思っていたため、こういった話を頂けることも本当に有難い。

これからも、オーダーメイドの靴屋を起点に、それを色んなことに挑戦していきたい。
この自然と人の豊かな神山という地域に根付きながら。

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店F

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