
スクールカウンセラーとは、学校で生徒や教師の心のケアを行う職業です。
さまざまな悩みを聞いたり、相談にのってアドバイスをしたりして、いじめや不登校など学校を取り巻くさまざまな問題を解決するために働きかけます。
今回は、そんな風に先生や生徒たちが健やかに学校生活を送れるよう支援する、スクールカウンセラーの仕事内容やなる方法、気になる給与事情などについて解説していきます。
目次
スクールカウンセラーの仕事内容
スクールカウンセラーの仕事内容は、主に以下の通りです。
- カウンセリング
- コンサルテーション
- アセスメント
- 研修・講演の開催
スクールカウンセラーの業務の中心はカウンセリング(面談)で、相談に来た生徒や保護者、学校教員の話にじっくりと耳を傾けることを指します。
もちろん、話を聞いてもらうだけで気持ちが軽くなり、ストレス解消となる人もいますが、中には「人間関係の悩み」や「子どもとの向き合い方」など具体的な解決策を求めて相談にくる人もいるでしょう。
そういった相談者たちに対してアドバイスを行うのがコンサルテーションです。
相談されたことに対して的確なアドバイスやコメント、指示を出すなどして、面談相手の心理的な負担の軽減や問題の解決をはかります。
そのほか、ロールシャッハテストや性格検査など、心理検査を用いることで生徒の人格を診断するアセスメント(査定)や、教職員や保護者の方向けに研修や講演を行うのも、スクールカウンセラーの仕事の一つです。


スクールカウンセラーになるには?資格は必要?
現段階では、スクールカウンセラーとなるのに必須な資格というのはありません。
しかし、文部科学省はスクールカウンセラーの選考要件として、「臨床心理士資格、公認心理士資格を所持しているか、精神科医であること」を推奨しているため、実際にスクールカウンセラーとして働いている人は、これらの条件に当てはまる人が ほとんど。
残念ながら、無資格で求人に応募しても、採用される可能性はほぼありません。
臨床心理士または公認心理師の資格を取得するためには、専門の知識と技術が学べる大学や大学院を入学・卒業し、資格試験に合格する必要があります。
スクールカウンセラーの働き方
スクールカウンセラーは主に、小・中学校や高校、そのほか特別支援学校や大学など全国の学校で働いています。
私立校だと常勤のスクールカウンセラーを雇っている場合もありますが、そういった学校はまだ少ないというのが実情。
ほとんどの学校は非常勤として、週1回または年間35日、1日あたり4〜8時間など、年間の勤務日数や1日あたりの時間を定めてスクールカウンセラーを採用していることが多いです。
このためスクールカウンセラーは、一つの学校に勤務するというよりも、複数校を掛け持ちしている人が多いです。
また、スクールカウンセラーを副業・または本業として、他の仕事と両立している人もいます。


スクールカウンセラーの給料
スクールカウンセラーの給料は、基本的に時給制。
金額は自治体によってさまざまですが、その平均金額は5,250円となっています。※1
こう聞くと高収入のように思えるかもしれませんが、春休み、夏休み、冬休みなどいわゆる学校が長期休暇に入っている期間は勤務できません。
このため月給換算すると15万円〜20万円前後、年収に直すと300万〜400万円程度だといわれています。
具体的には、非常勤のカウンセラーだと年収180万〜230万円、私立学校などで常勤として働くスクールカウンセラーの場合は年収320万円〜440万円という金額が平均的なようです。
スクールカウンセラーの現状と将来性
日本の学校では、スクールカウンセラーは基本的に非常勤として雇用されます。
給与については地域格差が激しく、東京での時給が5,000円を超える一方で、地方だと3,000円程度ということも珍しくありません。
このため現状、スクールカウンセラーという職業には「収入や福利厚生の観点から見ると、待遇が良いとはいえない」という課題があります。
また、週1日程度しか出勤しないため、子どもたちからは「今日相談したいのにカウンセラーが学校に来ていない」「普段から接する人ではないので相談しづらい」という声があがっているのも事実です。
こういった現状や、いじめや不登校、コロナ禍におけるメンタルヘルス不調などの問題が相次いでいることを踏まえて、今、スクールカウンセラーの重要性を見直す気運は高まりつつあります。
このため、今後は雇用環境の改善などによって、スクールカウンセラーをはじめとする心理系職種により活躍のチャンスが与えられることが期待されています。


スクールカウンセラーに似ている職業
学校で働く心理職のことを、スクールカウンセラーといいますが、それと似た職業の一つとしては、スクールソーシャルワーカーという福祉職があります。
スクールソーシャルワーカーとは
スクールソーシャルワーカー(school social worker)とは、心理の専門家として子どもや保護者の心のケアを行う職業です。
子どもや保護者に対する相談活動を行う、といった点はスクールカウンセラーと同じですが、その専門性に違いがあります。
スクールカウンセラーは、主に学校生活という観点から子どもたちの心のケアを担当。
それに対して、家庭環境や生活環境など、子どもたちを取り巻くその他の環境をケアするのが、スクールソーシャルワーカーの仕事です。
具体的には、法律や福祉制度の専門家として、さまざまな福祉サービスの利用を支援するなどして、子どもたちが置かれている環境に働きかけて問題の解決を図ります。
スクールソーシャルワーカーになるには
スクールソーシャルワーカーとして働くには、教育と福祉、どちらの面に関しても専門的な知識と技術を持っていることが求められます。
推奨資格としては、精神保健福祉士や社会福祉士、臨床心理士などがあり、実際にいずれかの資格を必須としている職場も多いです。
一般的に、スクールカウンセラーとなるのに必要といわれている臨床心理士や公認心理師の資格は、心理系の大学・大学院の通学が必要とされています。
それに対してスクールソーシャルワーカーを目指せる資格の中でも特に、精神保健福祉士は比較的取得が目指しやすいといえます。
福祉系以外の学部でも、4年制大学を卒業した人であれば、一般養成施設に1年以上通学するだけで、精神保健福祉士の受験資格を取得可能です。
その後、国家試験を受験し合格することで、晴れてソーシャルワーカーとして働くのに必要な条件を満たすことができます。
このため今からスクールカウンセラーを目指すのは難しいけど、子どもたちの心や環境をケアする仕事に就きたいという方は、精神保健福祉士の資格を取得し、ソーシャルワーカーを目指すのも、一つおすすめの選択肢だといえるでしょう。
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まとめ
学校で生徒や教師の心のケアを行う、スクールカウンセラー。
今は非常勤での雇用がほとんどですが、心理的ケアの重要性が見直されつつあることもあって、今後その待遇は改善されていくことが期待されます。
また、子どもたちのケアを行う職業としてはそのほかにも、家庭環境や生活環境など、子どもたちを環境面からサポートするスクールソーシャルワーカーという福祉職もあります。
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