こんにちは!
義肢装具士科4年制教員の川上です!
GWは、みなさんゆっくりできたでしょうか?
私は、3年ぶりに山形のおばあちゃんに会う事が出来ました!
今日は、以前にお知らせしたコウノトリと義肢装具士に関するお知らせです。
人と動物の健康を両立させる新協定締結



この度、兵庫県立コウノトリの郷公園と神戸医療福祉専門学校三田校が協定を結ぶことになりました!
2021年に左足下半分が失われた状態で保護されたコウノトリ(J0325)の義足製作プロジェクトがスタートしました。
この時に絶滅危惧種に指定されているコウノトリの今の状況を知り、人間が原因となり怪我や亡くなってしまうコウノトリが年々増えてきている事を知りました。

人間も動物も自然も、全てが密接に関連しあいながら生きています。
密接に関わり合っているからこそ起きている問題や発生している課題もあり……。
今回の協定で、コウノトリの郷公園と神戸医療福祉専門学校が連携・協力しながら、人と動物と自然の全てが、健康的な環境で生きることが出来る様、課題解決に取り組んでいきます!
また、今後も、怪我や事故などで義肢や装具を必要とするコウノトリがいた際に、すぐに協力できる体制にしていきたいと思います!!
今回のコウノトリの郷公園との協定をきっかけに、獣医師と義肢装具士が連携できる環境作りにも動いていきたいです。
そして、絶滅危惧種であるコウノトリの現状や環境に、興味を持ってもらえる人が増えれば、とても嬉しく思います。
新プロジェクト・始動!!
現在、新たに1羽のコウノトリに装具の製作を始めています。
今回のコウノトリは、1985年にロシア(ソビエト連邦)から来た6羽の内の1羽であるオスのJ048。
コウノトリとしては高齢となり、写真のように足関節が後ろ方向に曲がったまま、立ち歩いてしまう状態でした。
この様な状態になってしまう原因は様々ありますが、今回の場合は高齢による筋肉委縮や神経麻痺が原因でないかと考えられています。
このままではJ048の生活に支障が生じます。
(人間で言えば、足の裏で歩くのではなく、足の甲を地面につけて歩いている様な状態です)
J048が健康的な生活が送れる様に、今回もコウノトリの郷公園の獣医師、松本先生と協力をしてJ048の装具製作に取り組んでいきます!
コウノトリの【装具】……。装具って何?
私たち義肢装具士の名前の中にも入っている【装具】。
あまり日常的には聞かない言葉かもしれませんね。
装具とは、
身体の機能に障害のある人に対して機能を回復や低下を防ぐための器具

難しい言い方をすると、この様になります。
もっと分かりやすく言えば、
手や足はあるけど、麻痺で動きにくい……。
そんな時に、良い位置に固定するための道具。
例えば、皆さんの周りでは
コルセット(例:腰を痛めたから良い位置に固定したい)や
足首のサポーター(例:足首をねん挫したから、良い位置に固定したい)などが
装具に含まれます。

ならコウノトリの装具ってどうなるの?
今回のコウノトリも人間と同じ。
足関節が後ろにいってしまうので、正しい前を向いた位置に固定したい。
(=足の甲で歩いている状態なので、足裏を地面につけて歩ける様に固定したい)
そのための装具を製作します。


後ろ向きだと歩行も困難なため、松本先生が装具を製作しました。



提供:コウノトリの郷公園
この状態で起立・歩行が出来ましたが、足裏の装具が滑ってしまうために足の甲に装着する装具に変更。
更に義肢装具士が関わり、改良を重ねていきます。
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実は春の間にJ048の足の採型(さいけい/型取り)や採寸を行ってきました。
試作品を作り、製作した装具をつけて問題は無いか、実際にJ048に装着をして確認をという適合(てきごう)と呼ばれるチェックを終えた所です!
少し長くなってきたので、製作している装具の紹介は次のブログにて。
次回は5月中旬ごろにアップ予定です。
お楽しみに。
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