皆さんこんにちは。神戸医療福祉専門学校中央校の介護福祉士科教員、由良和也です。専門学校の教員になって早15年が経ちますが、今回は、私が高齢者施設で勤務していた頃のお話をさせて頂きます。

毎年新学期の授業で、いつも学生には話をするのですが、私の福祉業界に入る前の前職は、食品会社の営業職です。福祉とは全く違う業界で仕事をしていた私が、福祉業界に入ったきっかけは20年以上も前に起こった「阪神淡路大震災」でした。
テレビ画面に映し出された「毛布に包まって震えている高齢者の方々」の姿を見た時、「少しでも、私が人の役に立てることはないだろうか」という思いが芽生えたのが、 この業界に入ったきっかけです。
それから福祉の勉強を始めた私は、無事に国家試験に合格することも出来て、たくさんの高齢者の方々にお会いしました。その中のお一人に、Aさんという男性の方がいらっしゃいました。
Aさんはご自身で会社を起業して頑張ってきた方で、性格は、まさに「昭和の頑固おやじ」。ご自身の納得いかないことは、絶対に認めない方でした。
私もAさんからは何度もお叱りを受けましたが、半年後には、夜勤中にAさんの部屋で色んな話をする程の関係性になりました。恋の話、人生の話、Aさんの武勇伝などなど。時には、夜中に二人でこっそりケーキを食べて、翌朝に看護師さんに並んで怒られたこともありました。
そんなAさんも年々体力が低下していき、とうとう寝たきりになりました。
イライラすることも増えてきたAさんに、私も横柄な態度で接することも多くなっていきました。
そんな状態が数か月続いた頃、Aさんの体調が急変しました。病院に入院して1週間後、Aさんは亡くなりました。
葬儀には、同じフロアの職員と参列し、棺に入ったAさんのお顔を見ることも出来ましたが、その時には不思議と涙が出ませんでした。
その後、Aさんのお部屋の整理をしていた時に、床頭台の引き出しの奥のほうからカードが出てきました。そのカードには、Aさんの直筆で
「ゆらくんありがとね。やきん、たのしかった」と書かれていました。
Aさんは恐らく、ご自身の死期がわかっていたんだと、その時思いました。涙が止まりませんでした。Aさんともっと話がしたかった・・・。無性にそう思いました。Aさんからもらったそのカードは、今でも私の宝物です。
福祉の仕事をしていると、様々な経験を積むことが出来ます。
時にはツラいこともありますが、関わった多くの方々から多くの「大切なこと」を教わることが出来ます。

福祉の仕事には、とっても素晴らしい多くの「宝物」がちりばめられています。
皆さん、福祉の仕事って、本当にいい仕事ですよ!!
ぜひ、目指してみて下さいね!!
■介護福祉士科について詳しくは→コチラ←
オープンキャンパスに参加しよう!!
神戸医療福祉専門学校ではオープンキャンパスを開催しています♪
実際に介護福祉士の先生からお話しが聞けます★
オープンキャンパス、オープンキャンパススペシャルでは在校生スタッフがみなさんをご案内しますので、興味がある方は是非ご参加ください!
■イベント情報は→コチラ←