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【スペシャル企画】介護教員の思い出に残る現場エピソード№5~介護老人保健施設での思い出~

介護福祉士科/中央校

2024.9.27

皆さんこんにちは。神戸医療福祉専門学校中央校の介護福祉士科教員の粟内です。今回は私が現場で活躍していた時に思い出に残っているエピソードを紹介したいと思います。

45年間、大手企業で沢山の部下に囲まれながら、二人の娘を育て上げたAさんという方がいました。話すのが大好きな方で口癖は「人生、山あり谷ありあるけど、家族は大事にせなあかん。感謝の気持ち忘れたらあかん。」でした。

サービス利用当初はとてもお元気な方で、イベントごとが大好きな方でした。4月の花見では、働いていた頃の部下と奥様と娘様が来られました。とても嬉しそうに「現役当時を思い出すね。」と話され、花見団子(やわらかく加工したもの)を頬張られていました。

その年の7月に、脳梗塞を発症し緊急搬送され入院となりました。3週間程入院され、施設に戻ってこられましたが、右片麻痺(右半身が麻痺してしまった状態)を発症され、発語はできたのですが、呂律が回らなくなり、口数が減りだんだん口を閉ざしてしまわれるようになりました。

秋に入り奥様から、「本人が判断できるうちに、これからのこと話しておきたいです。」と提案がありました。当然、今後の治療方針(延命治療の有無など)についても意向をお聞きしましたが、娘さん、奥さんから「最期はきちっとした姿で送り出したいので、現役時代みたいに、スーツを着てほしい」と意見が出ました。奥さんがAさんに「スーツきてほしいんですけどいいですか。」と確認すると、Aさんは力強く何度も頷いていました。

看護師と連携し、「Aさんにとって悔いのないようサポートしよう」と決めご家族にも協力して頂ける体制をとりました。それから、頻回に部下の方が来訪されては、現役時代の話をされたり、職員や看護師と一緒にAさんが勤めていた会社の近くまで車で出かけたりしました。

年が明け、「また4月を迎えてお花見したいですね」と奥様と話していた3月の終わり頃、夜中に施設の看護師から連絡がありました。すぐに施設に向かいましたが、既に息を引き取られていました。医師の確認が終わり、「Aさん、約束していたスーツ着ましょうか。」と声掛けし、家族に見守られながら一緒にスーツに着替えました。奥様から「やっぱりスーツ姿は素敵ですね。最期までありがとうございました。」と言葉を頂きました。

暫くして、Aさんが使っていた荷物を奥さんが取りに来られた際、「短い時間でしたが、ここで過ごすことができて、そして希望を叶えながら最期を迎えられて本人幸せだったと思います。」と笑顔で話されていました。

家族と本人の強い絆を感じることができたこと、他職種と連携を図ることで様々な可能性を模索できたことを知りました。

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