こんにちは! 義肢装具士科教員の鎌田(かまだ)です。
今回は義肢装具士科3年生の筋電義手特別講義の模様をお届けします。
筋電義手
みなさんは『筋電義手』という義手について知っていますか?
筋肉を動かす時に発生する、微弱な電流(筋電位といいます)を感知して、手を動かすことができる義手なんです!
すごい技術ですよね。
今回はドイツに本社を構える義肢パーツメーカー、オットーボック・ジャパン株式会社様のご協力を得て、朝から夕方までの贅沢な1日講義を実施して頂きました。
義肢の歴史や義肢の変遷
午前中は義肢の歴史や義肢の変遷などについて興味深いお話が続き、
学生たちは「え、そうなん‥!? 知らんかった…!」とお話に引き込まれて前のめりに・・・。
じわじわと講師の周りに集まってきました。
筋電義手の訓練体験
その後、実際の筋電義手を動かしたり、訓練方法のデモンストレーション!
学生の一人が被検者となり、その様子をみんなでシェアしました。
筋肉から出る微弱な筋電位を使って手先を開閉させたり、回したりするのですが…これがなかなか難しい!!
訓練の体験では無理な力が入ってしまい、かなり手が疲れます。
筋電義手ユーザーモデル様のお話
午後には筋電義手ユーザーのモデル様にもご参加頂き、これまでのお話、現在の生活、そして筋電義手の扱いなどについて色々とお聞かせ頂きました。
学生からの質問が止まらず、モデル様は汗だくになってお話を聞かせて下さいました。
午前中と同じく、学生はかなり前のめりです。
お話の中で印象的だったのは「ミケランジェロハンド」という筋電義手ハンドを使用した時、食事の際に義手側でプレートやお椀を持つことが出来るというお話。これによって行儀よく食事ができるのが嬉しい、という事。
このような動作が出来なければ、プレートやお椀は机の上に置いたまま、自分の顔を近づけて食事をしなくてはならない事が多いそうです。
我々が当たり前のように行っている動きが、義手ユーザー様にとっては心の動きが伴うものだと教えて頂きました。
最後には義手と握手!
そのソフトな握りに「わぁ~、なんか優しい~」と思わず声が上がりました。一人ぐらい、思いっきり握りしめてもらえば良かったかも!?
一日の筋電義手セミナーは予定時間も大幅に超え、非常に濃く充実した一日となりました!! 筋電義手そのものについての知識を多く頂いたことは勿論ですが、講師の義肢への想い、義肢装具士としての想い、義手ユーザー様の生活の様子、これまでの想いや義肢装具士へお願いしたい事など、学校の中だけでは知り得なかった事を多く知れたことも大きな学びになりました。
オットーボック・ジャパン株式会社の講師様、義手ユーザー様に改めて感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございました!!
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