義肢装具科四年制2年生の下肢装具の実習担当の宮谷です。
昨年後期から長い時間をかけて「下肢装具」の実習を行ってきました。
以前のブログでも紹介しましたが「半月曲げコンテスト」の大イベントを経て(笑)長下肢装具が完成しました!

長下肢装具とは、股の関節から足先まで覆うような図のような装具を言います

↑のようにとても大きな装具ですが近年、脳卒中のリハビリテーションにおいて長下肢装具を使用した早期からのリハビリテーションの有用性が注目されており、全国的にも導入されています。
もちろんその他の疾患でも多岐にわたり使用されていて、患者さんの治療の一端を担うことや、利用者のQOL向上に貢献できる装具の一つなのです👀!
この実習では完成した装具を自分で装着して1週間生活をしてみます!


↑写真のように長下肢装具を着けて、いつも通学路を通って電車に乗って学校の登下校をします。
教室で長時間座って授業や実習もしてみます。
休日の買い物やアルバイト先でも(もちろん許可を得て)装着したまま、いつものように過ごします。
そうすることで、まさに利用者の目線に立って自分の製作した装具の有用性であったり、装具を使うことで生じる不便など、いつもの生活との違いを体験することで、さらに新たな知見を得て学びを深めていきます。
一週間装具を装着して過ごした学生からは、
「駅や電車でじろじろ見られて恥ずかしかった」「席を譲ってもらえた」「歩くたびに音がして振り向かれた」「濡れた路面やマンホールの上を歩くと滑りそうで怖かった」・・・等々、実際に使用してみないと感じられない気づきが次々と出てきました。
また自宅に持ち帰ると親御さんから「2年間でこんなすごい製品を作れるようになったんやね!」「お父さんもつけてみたい!」と言われたり、友人から「格好いいね!」など思わぬ反応も得られたようで、楽しみながら勉強できました。
「利用者の立場に立って」と口で言うのは簡単ですが、今回は実際に経験することでいろいろな知識や体験がつながった実習となったようです。