
皆さん、健康診断などで一度はレントゲン検査を受けたことがあるでしょう。
実はレントゲン検査とは、X線と呼ばれる放射線のこと。
こういった放射線技術を利用した検査や治療を、病院などの医療施設で担当するのが、診療放射線技師の仕事です。
そのほかにも、患者さんが浴びた放射線量の管理や検査機器の装置・点検など安全管理を行います。
そんな放射線技術を扱うプロである診療放射線技師になるには?
詳しい仕事内容や資格の取得方法、活躍している場所などについて解説していきます。
目次
診療放射線技師になる方法
診療放射線技師になるには、診療放射線技師国家試験に合格し、免許を取得しなければなりません。
そして国家試験を受けるための受験資格を得るには、養成課程のある大学や専門学校で、3年以上診療放射線技師に必要な知識と技術を習得する必要があります。


診療放射線技師の国家試験
診療放射線技師国家試験は、毎年1回、2月に実施されています。
受験資格
診療放射線技師の国家試験を受けるためには、その受験資格を取得する必要があります。
その受験資格とは、以下3つのうちいずれかの条件を満たすことです。
・文部科学大臣が指定した学校(4年制の大学または3年制の短大)を卒業した者
・都道府県知事が指定した診療放射線技師養成所(3年制または4年制の専門学校)を卒業した者
・国外で日本国内の診療放射線技師に相当する免許を付与され、厚生労働大臣に認められた者
実際に診療放射線技師になった人はそのほとんどが、診療放射線技師の養成課程のある大学、短大または専門学校に入学・卒業することでその受験資格を得ています。
試験の概要
診療放射線技師の試験は、マークシート方式の筆記試験で行われます。
試験科目は以下の通りです。
「基礎医学大要」「放射線生物学(放射線衛生学を含む。)」「放射線物理学」、「放射化学」「医用工学」「診療画像機器学」「エツクス線撮影技術学」「診療画像検査学」「画像工学」「医用画像情報学」「放射線計測学」「核医学検査技術学」「放射線治療技術学及び放射線安全管理学」
配点は1問1点の合計197満点。
合格基準は、総得点の6割である119点以上を得点し、なおかつ0点の科目が1科目以下の者となっています。
過去5年間における受験者数は毎年3000人前後、合格率は平均80%前後です。
【参考URL】
診療放射線技師国家試験の施行-厚生労働省
診療放射線技師の仕事内容
診療放射線技師の仕事は、病院や検査施設などの医療機関で、放射線を用いた検査や治療を行うことです。
病院や検診施設では、健康診断でおなじみのX線検査(レントゲン検査)などをはじめとするさまざまな検査を担当し、医師が見やすいよう適切な画像を撮影。
正確な診断を下すために必要な画像処理や分析も行います。
病院では、検査や検査機器の安全管理を行うのが主な業務ですが、勤務する場所によってその仕事内容は異なります。
例えばがんセンターでは、がん治療のために患者さんに放射線を照射する放射線治療を行う診療放射線技師も。
また、研究機関や医療メーカーで放射線技術の開発や研究を行っている診療放射線技師もいます。
診療放射線技師が担当する検査
放射線を利用した検査機器の操作や、被ばく量などの安全管理が、診療放射線技師の主な仕事内容です。
しかし、近年では放射線以外にも磁気や超音波などさまざまな技術を利用した検査機器を扱うようになり、その業務範囲は拡大しています。
現在、診療放射線技師が担当する主な検査には、以下のようなものがあります。
・レントゲン撮影(X線検査)
・乳房X線撮影(マンモグラフィ)
・CT検査
・MRI検査
・血管造影・消化管造影
・核医学検査
・超音波検査
・骨密度検査
CT検査とは、放射線をさまざまな方向から照射して、体の断面の画像を撮影する検査のこと。
それに対して放射線を使わずに、磁気と電波を使って体の断面を撮影するのがMRI(磁気共鳴画像)です。
このように診療放射線技師は、撮影したい部位や治療の目的、患者さんの状態に応じて、さまざまな検査を使い分けています。


診療放射線技師の資格を取得するメリット
診療放射線技師は医師以外で唯一、医療目的で放射線を利用した検査機器を扱うことができる国家資格です。
国からその知識や技術を証明されているため社会的信用度も高く、手に職をつけられるぶん就職先も探しやすい職種だといえるでしょう。
また、診療放射線技師は年齢を問わず続けられる仕事ですので、資格を取得することで将来的に長く働けるというメリットもあります。
診療放射線技師に向いている人
診療放射線技師は医療現場で働く仕事のため、常に緊張感を持って、慎重に業務に臨む姿勢が求められます。
また、さまざまな検査機器やデータを扱うため、機械を触ることや理系科目の勉強が得意、または好きという人に向いているでしょう。
さらに、医療は日々進歩を遂げているため、それにともなって診療放射線技師が扱う検査機器の数や種類は昔に比べてどんどん増えてきています。
常に進化し続ける技術についていくためには、新しいものに興味を持つ好奇心や、向上心も大切だといえるでしょう。


診療放射線技師の活躍の場所
診療放射線技師が活躍している場所は、主に以下の通りです。
・診療所やクリニック、総合病院などの医療機関
・健診センターなどの検査施設
・医療機器メーカー
・電力会社や原子力関連企業などの関連企業
・養成所や研究機関
診療放射線技師はその大半が、病院やクリニック、検査施設などの医療機関で働いています。
クリニックなどの小規模な施設では、さまざまな検査の工程を全て担当することが多いようですが、それに対して国公立病院や大学病院など、比較的規模が大きい病院になると一つの検査工程を担当するなど、専門の分野に特化して働くことも多いようです。
また、診療放射線技師として医療現場で経験を積んだ後は、医療機器メーカーで検査機器の開発を行ったり、教員や研究者として放射線技術化学系の研究をする人もいます。
診療放射線技師の給与・年収
2016年の厚生労働省の調査によると、診療放射線技師の平均給与は月給約36万円。
年収にすると、約524万円となっています。
日本人全体の平均年収が420万円程度ですので、診療放射線技師の給与は高い方だといえるでしょう。
実際、診療放射線技師は、数ある医療系資格の中でも医師、薬剤師に次いで給与が高い職種となっています。


診療放射線技師の現状と将来性
予防医療や治療に役立つ放射線技術は、現在多くの医療機関で導入されています。
技術の発展にともなって、高度な検査や新しい機器は増え続けていますから、今後も放射線技師の需要は増加傾向をたどるでしょう。
また現在、診療放射線技師の割合は男性がその多くを占めていますが、予防医学の考え方が広まり、乳がん健診のマンモグラフィが普及した今では、女性の診療放射線技師のニーズも高まっています。
診療放射線技師に関連する職種
診療放射線技師に関連する職業には、以下のようなものがあります。
・義肢装具士
・臨床検査技師
・臨床工学技士
義肢装具士
義肢装具士とは、事故や病気などで手足を失った方のために、義手や義足を作る仕事です。
患者さん一人一人に合った義肢装具を、一から完全オーダーメイド制で製作します。
医療業界の職人として、ものづくりの技術を活かして活躍したいという方におすすめの職業です。
臨床検査技師
臨床検査技師とは、診療放射線技師と同じように検査を行う仕事です。
患者さんの体の機能や細胞・組織に異常かないかを調べるために、尿検査や血液検査、心電図検査などさまざまな臨床検査を行います。
より、生物や科学の分野に広く興味を持っている人におすすめの職業です。
臨床工学技士
臨床工学技士とは、診療放射線技師と同じように、医療機器を扱う仕事です。
人工呼吸器など患者の命にかかわる医療機器(生命維持装置)を医師の指導のもと操作し、そのほか病院の機械類の保守・点検を行います。
命を担うエンジニアとして、医療機器の分野に特化して働きたいという方におすすめの職業です。


まとめ
診療放射線技師とは、検査や治療などの医療目的で放射線技術を扱う仕事です。
放射線をはじめとする最先端の技術を、医療に活かして働くことができます。
そんな診療放射線技師になるには、養成課程のある大学や短大、専門学校で3年以上学び、診療放射線技師国家試験に合格する必要があります。
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