お待たせしました!昨日の続き、待っていらっしゃるかと思い、張り切っていきましょう!
【皮下脂肪の意外な正体】
この「あるもの」は、東洋医学では「痰湿」と呼ばれています。
痰湿とは、体の中で役に立たない状態でたまっていしまった余分な水分の総称のことです。
私たちの体は約60%が水分で出来ています。
この水分を東洋医学では「津液(しんえき)」と呼んでいます。
「津液」は体を潤したり、老廃物を外に出してくれたりするなど体にとって非常に重要な働きをします。
しかし、この「津液」が正常に働かなくなると、体の中で余分な水分となってどんどんたまっていきます。
さらに痰湿が体の中で増えてくると、こんな問題が起こります。
1.体が冷えるため代謝が下がる(脂肪を燃焼することができない)
2.老廃物を排泄することができない(体のゴミが外に出せない、毒がたまる)
3.内臓に負担をかける
タチが悪いぞ!痰湿くん!
というわけで、ここで「痰湿」撃退の鍵を握る内蔵のしくみを少し説明します。
もともと「痰湿」は、「津液」という体にとって必要な水分が体にとって余分な水分へ変化したものです。
つまり「津液」が正常に働かなくなった状態によって生まれたものが「痰湿」なのです。
「津液」が正常に働くためには、その「津液」を調節し、管理するための内臓の機能が正常に働いていることが重要です。
東洋医学では脾、肺、腎の内臓が津液の代謝に関係します。
(西洋医学でいう脾臓、肺臓、腎臓とは違うものです。)
「脾」は食べたものや飲んだものから体にとって必要な水分を吸収して肺に届ける働きをします。
「肺」はそれを全身に送ります。
「腎」は余った水分を管理して、いらなくなったものは尿として排泄し、必要な水分はまた体内へ戻します。
この内臓のうち、どれかの働きが弱くなったり、うまく働かなくなったりすると
「津液」は体の中をスムーズに流れることが出来なくなります。
流れが悪くなったところに今度はゴミがたまり出すため、
ますます流れが悪くなり、さらに流れを悪くするという悪循環がおこるのです。
では、ここで自分の身体の中に今、痰湿がどれだけたまっているかチェックしてみましょう!
以下のチェック項目で当てはまる症状がどれだけあるか数えてみてください。
1.一日中、体が重くてだるい
2.下半身がむくみやすい
3.胃やお腹が動いたり寝返りをうつときにぽちゃぽちゃと音がすることがある
4.車酔いしやすい
5.湿気が苦手で雨の日に具合が悪くなりやすい
6.花粉症である
7.消化が悪く、下痢や軟便になりやすい
8.痰がからみやすく、量が多い
9.生理前のおりものが多い
10.頭が重くぼんやりして集中できないことがよくある
上記のうち、あてはまる数が5個以上ある人は「痰湿」が相当たまっているかもしれません!
今すぐ生活習慣を見直すなどをして、積極的に「痰湿」を体の外に出すために手をうったほうがいいでしょう。
あてはまる数が3~4個ある人は、今身体の中にある「痰湿」はそれほど多くありませんが、「痰湿」を作りやすい体質です。早めの対処で内臓を強め、体質改善に努めましょう。
0~2個ある人は今のところ問題ありません。
これからも、自分の体調をまめにチェックしながら「痰湿」をためない身体をキープしましょう。
ここまでの話で「くびれ」を取り戻すために必要なのは、たんに「体重」を落とすだけでなく、
水分代謝をスムーズにして余分な水分をためないようにすることがまず大切だということが分かっていただけたでしょうか。
そこで、次回の東洋医学で「くびれ」を取り戻そう!!(PART3以降)では、
いよいよ、たまってしまった痰湿を外に出すことと、
痰湿を作らないからだのしくみをつくるための方法を詳しく取り上げます。
お楽しみに!
以上、鍼灸科教員 330(ササオ)でした。