義肢装具製作室(実習室)
三田校には、義肢装具製作室が2教室あります。
これらの教室は、主に義肢や装具の製作実習を行う、いわば実習室です。
義肢装具製作室1.では、主に「装具」の製作実習を行います。
クリーム色の壁と使い込まれた机で、なんとも暖かい雰囲気の教室です。
机には万力が付いており、教室の後ろにはよく使用する石膏なども置いてあります。
そして、教卓の上には鏡があります。
これは、教卓上に鏡を設置することで、学生は教員のデモンストレーション(製作見本)を上から見ることができるという、学生目線で機能的に配置されたものです。
この教室は義肢装具士科1期生から使用している実習室です。
一方、義肢装具製作室2では、主に「義肢」の製作実習が行われます。
義肢装具製作室2の特徴は、テレビモニターが2画面あることです!!
これは、講義の資料映し出しや、教員のデモンストレーション時の教員の手元を映し出す役割をしています。
また、義肢装具製作室では「コンセント」や「エアガン」は使う時だけ天井のコードに接続して使用するとが出来るように設計されています。
また、義肢装具製作室2の同じフロアには「採型・評価室」や「ラミネーション室」などが隣接していることから、モデルさんがお越しの際も、スムーズに実習が行える設備です。
図:2画面のテレビモニター
義肢装具機械室
三田校の義肢装具機械室は、義肢装具製作室同様、2教室あります。
1つ目が、第2校舎1階、義肢装具士製作室1の隣にあります。
設置されている機械は
・カービングマシン
・帯ノコ
・ボール盤
・グラインダー(両頭・ディスク・ドラムなど)
・その他、整形靴科で使用する機械
です。
1年生の製作実習では、まず、はじめに機械の安全な使用方法を学びます。
機械室1に設置されているカービングマシンは、現在、義肢装具製作施設で最もよく使われている型のものを設置し、使用法を身に付けることで、即戦力となりうる人材育成を目材しています。
2つ目の教室、義肢装具機械室2の特徴は、最新設備であるカービングマシンです。
高さ調節、角度調節はボタンひとつで可能で、学生たちが物を削った粉で粉だらけにならないように、集塵設備も充実しています。
図:義肢装具機械室1図:実習風景①
図:実習風景②
図:義肢装具機械室2
図:実習風景
このように、臨床現場にも対応できる技術を見に付け、実習中は最新の機器を使用し、安全かつ衛生的に実習を行っていただける環境が整っています。
採型・評価室
三田校は実習設備がとにかく充実しています!
その一つが評価・採型室です。
実習の中でも特に身体機能や障害の評価、義肢装具の為の採型・採寸の時に使用する教室です。
大きなスペースの教室の隅には採型用の個室が6部屋あります。
これは、実際に義肢装具のユーザーの方がお越しになられた際に、プライバシーを守れるように、また、実際の義肢装具士が採寸・採型をする上での理想的な空間をイメージし作られたものです。
各個室の中には、「流し台」「診察用ベッド」「椅子」「荷物用ラック」などが完備されています。
評価・採型室のオープンスペースにも同じセッティングがされており、学生さんたちはこのオープンスペースで先生によるデモンストレーションを見た後、それぞれ個室でモデルとしてお越しの義肢装具ユーザーの方への採型などの作業を行います。
モデルの方々のプライバシーを守ると同時に、学生さんが模擬臨床体験をできる空間なのです。
さらに、教室内にはテレビモニターを1台完備しており、数十人の学生全員がデモンストレーションを見られるように、カメラで先生の手元を撮影し、その映像をテレビモニターに映し出すという工夫をしています。
学生目線で実習を有意義にするために、考え抜かれた教室です。
図:評価・採型室
図:採型用個室
図:実習風景
適合・試歩行室
適合・試歩行室、最大の特徴は大きな鏡です。
義足のユーザーの方々への仮合せ時、ユーザーご本人にも自分の歩き方を見ていただけるように片面に大きな鏡を設置しています。
スペースも試歩行を行うのに十分な広さを確保し、平行棒も完備。
また、義足などを適合する際の座って行う微調整をすぐに出来るように部屋の中には長椅子が設置されています。
また、「適合・試歩行室」の隅には、製作空間があります。
ここには簡単な作業が行えるように基本的な工具や機器が設置されていて、「適合・試歩行室」での適合を行う際の微調整を1つの部屋の中で完結させることで、ユーザーの方々を一人で長時間待たせることなく、スムーズに適合を行うことが出来ます。
これも本校の実習にご協力いただいているモデルさんのことを考えた設備であることはもちろん、学生さんの実習が円滑に行えるようにと考えられた設備なのです。
ここで義手の適合検査や義足の歩行について、見て、聞いて、触れて、考えて、知識を深めていきます。
ラミネーション室
義足の足を入れ込むソケットを樹脂で成形することを“ラミネーション”といいます。
義肢製作には欠かせないラミネーションの際、樹脂の化学反応で異臭が発生します。
三田校のラミネーション室にはそんな異臭から学生たちを守り、学生の安全面と衛生面に配慮し設置された異臭吸引設備を完備しています。
また、ラミネーション室には遠赤外線のオーブンも完備しており、液体状のプラスチック樹脂だけでなく、シート材のプラスチックなども成形できるようになっています。
このオーブンは遠赤外線で加熱することができるため、一般的に使用されているオーブンよりも加熱時間も少なくでき、早く作業を進めることができます。
図:ラミネーション室
運動機能解析室
三田校第1校舎1階に「運動機能解析室」という教室があります。
この教室は他学科と共同で利用している教室で、主に研究開発、卒業研究の際に研究計測をする教室です。
この中にはあらゆる計測機器が保管されており、在学中に研究開発について学ぶことが出来ます。
なかでも、三次元動作解析装置はアニメーションなどにも使われるモーションキャプチャーという技術で人体のあらゆる動きを読み取り、解析することの出来る計測機器です。
図:実習風景①
展示室
三田校第4校舎3階に展示室があります。
展示されているのは歴史的にも価値のある義肢や装具、書物などです。
また、義肢装具士科(4年制・3年制)の学生だけでなく、他学科の学生にも見ていただける見本としての現在もよく製作されている義肢や装具から、臨床現場でもあまり見ることのない珍しいものまで、あらゆる義肢装具が展示されています!
図:展示室