こんにちは。作業療法士科教員の渡辺です。
本校では、作業療法士を目指す学生が早い段階から「地域の中で生きる人」を理解し、関わる力を育てることを大切にしています。
今年の9月から、1年生が学校の地元である三田市の社会福祉協議会にあるデイサービスで地域実習を行いました。
■ 実習スタート:まずはオリエンテーションから

9月11日には各グループのリーダー8名によるオリエンテーションを実施してもらい、デイサービスの目的や一日の流れ、利用されている高齢者や障害のある方々への関わり方などについても学びました。
初めての現場に緊張した様子も見られましたが、スタッフの方々の温かい説明と笑顔に安心した様子の学生も多く見られました。
■ 4グループに分かれて、いよいよ現場へ

9月18日からは、クラスを4グループに分け、4回にわたって実習を経験しました。
学生たちは、利用者の方々との会話やレクリエーション活動の補助、体操の見学などを通して、デイサービスでの「生活を支えるケア」の一端に触れました。
「どんな声かけをしたらいいのか分からなかった」「思うようにコミュニケーションが取れなかった」など戸惑いもありましたが、デイサービスのスタッフの方々や専任教員から助言を受けながら、少しずつ自信をつけていく姿が印象的でした。

■ 報告会で学びを共有

10月16日には、クラス全体で報告会を行いました。
各グループが実習で感じたこと、考えたこと、戸惑ったことなど、スタッフの方から教えて頂いたこと、さらには、調べ学習でまとめたデイサービスのしくみや地域福祉サービスの内容を発表しました。
「利用者さんの笑顔に励まされた」「相手の立場に立って考えることの大切さを実感した」「表情や触れ合いでのコミュニケーションの大切さ」「少しの変化で気持ちを読み取るスタッフの方々はすごい」など、一人ひとりの体験に基づく言葉が印象的でした。
この報告会は、春から始まる2年生でのレクリエーション実習にもつながる大切なステップです。
■ 初めて“人と関わる”学びの意味
1年生の秋という早い時期に、地域の方々と実際に関わる経験を持つことで、学生たちは「作業療法士として何を大切にすべきか」を考えるきっかけを得ました。
今後、授業や実習を重ねながら、地域の中で人々の暮らしを支えるセラピストへと成長していってくれることでしょう。