今回、インタビューしたのは三田校整形靴科を卒業され、2016年7月から独立し、靴修理専門店を立ち上げた佐々木さん。 神戸六甲にある「BAMBOO」というお店です。
靴への愛情がリペアにも活きてきます。
単なる靴修理ではなく、お客様の期待を越えて靴をお返しするというこだわり。
靴修理という範囲を越え、お客様の足元を鮮やかに変えていく姿が印象的でした。
佐々木さん
shoe repair工房 BAMBOO 店主
ファッションに元々ものすごく興味のある人間だった。祖母が服飾専門学校の先生をしていたこともあり、昔から帰省する度に年代物のミシンを動かしてよく遊んでいた。
「お洒落は足元から」これも青年時代に言わば間に受けて、雑誌を一通り見ては自分でこだわりの靴を手に入れていた。
大学時代の就職活動でアパレル関係の仕事を探していたが、「実用性のある」「需要のある」ものを探していた。そこで出会ったのが整形靴。
昔から手の器用さには自信があった。手に職をつけようと、三田校への入学を決めた。
三田校での2年間、失敗の許される期間だと考え、スタンダードな自由な発想での靴作りにチャレンジすることにこだわりを持っていた。
ただ、靴を作ることよりも直すことに面白さを感じる自分にある時気が付いた。
「もっとこうしたら、良い靴になるのでは」単に修理していくのではなく、元々あるものに自分のこだわりを重ねていくイメージだ。
卒業後は、希望通り修理専門店に就職。そのまま約10年技術を磨き、三田校整形靴科の同期が何人か独立していく姿に刺激を受け、この4月に会社を退職、独立を決意。
お客様からは高級靴をお預かりすることも多く緊張感がある。
愛着ある靴は永遠に使い続けて欲しいと思う。修理依頼を受けたタイミングで大体直すイメージを頭の中で組み立てる。
そこから、お客様の求める「直す」という範囲を越えていかにより良いものにするか考える、これが楽しくて仕方ない。
オリジナルに近づけつつ、お客様のお気に入りの靴のイメージは崩さずに、機能性を持たせるために工夫していく。
例えば、バイクによく乗る男性のお客様のブーツ。エンジンをかける時に圧がかかるため、靴底が驚くほどへる。へりにくい素材を選び、お客様のバイク好きというイメージから見た目もハードで格好良くカスタマイズした。
7月にオープンしたばかりではあるが、徐々に顔馴染みのお客様も増えてきている。地域に密着しながら、お客様からは安心して靴修理を任せられ、また期待を越えて靴をお返しできるようにこれからも歩んでいきたいと思う。