こんにちは!
義肢装具士科教員の川上(かわかみ)です。
春休みのシーズンだったせいか、3月後半からオープンキャンパスで色んな方にお会いしました!
これを読んでくれている皆の中にも、覚えてくれている方がいれば嬉しいです。
(コウノトリの方で覚えている方もいらっしゃるかもですね!)
今回はオープンキャンパスやお問合せでも、よく来る質問についてお伝えできればと思います!
女性義肢装具士ってどうなの?
オープンキャンパスをしていると時々、
「女性でも義肢装具士になれるんでしょうか」や
「女性でも義肢装具士として大丈夫でしょうか」等の質問を聞く事があります。
なので今回は、女子義肢装具士についてお答えしますね。
女性でも義肢装具士になれますか?
答えはYESです!!
私も女性義肢装具士ですし、神戸医療の場合は女性義肢装具士が2022年現在は3名教員として在籍しています。
義肢装具士になるための条件は
・義肢装具士養成学校を卒業する事
・国家試験を合格する事
この2つが必須条件となっています。
義肢装具士になるために性別は関係ありません。
なので興味がある方は、義肢装具士になるためにどんどんアクションを起こして貰えればな、と。
……とは言え、なれると言っても「やっていけるかどうか、大丈夫かどうか」というのは別問題ですよね。
という訳で次の質問にもお答えしますね。
女性でも義肢装具士として大丈夫でしょうか?
こちらも答えはYESです!
2019年に行われた調査結果によると、
義肢装具士の男女の割合は男性85%、女性15%。
業界的には男性の方がまだまだ多いのが現状です。
ですが、企業様からは『女性の義肢装具士が欲しい』という声をよく聞く事があります。
また、将来的には出産や育児等も考えている方もいるかと思います。
企業様によっては、出産や育児等を考えて子供が小さい間は勤務時間を短くしたり、便宜を図ってくれる所も増えてきました。
どんな制度があるかは企業様毎に変わってきますので、このあたりは一般の企業様と同じかと思います。
実際に三田校には、女性義肢装具士で出産も育児も経験している教員がいるので、今度紹介しますね。
企業はどうして、女性義肢装具士が欲しいの?
では何故、企業様は『女性義肢装具士を欲しい』、と言うのかと言えば大まかな理由は2つあります。
●装具が必要な子供が多くいる病院に行っているから
●装具が必要な女性が多くいる病院に行っているから
どういう事か、一つずつ説明しますね。
①:装具が必要な子供が多くいる病院に行っているから
生まれつきや病気や事故により、小さな子供でも装具が必要になってくることがあります。
男性義肢装具士も子供の装具製作を行いますが、「知らない男の人はダメ」という子供さんも……。
そんな時に、女性義肢装具士がいれば上手くいく事も多いのです。
②:装具が必要な女性が多くいる病院に行っているから
背骨が曲がってしまう”特発性脊柱側弯(そくわん)症”という疾患があります。
この疾患は、成長期である思春期の女子に表れやすい疾患です。
多くは無症状のまま、進行すると体幹が非対称となり腰痛や背中の痛み、胸部変形や呼吸機能障害を引き起こす恐れがあります。
この側弯症の進行防止と治療のために、義肢装具士の製作した装具を使用します。
側弯症用の装具の採型(さいけい/型取りの事)は、
黄緑色の所を採型します。
装具は体にピッタリとフィットしたものでなくてはなりません。
なので採型をする時は、厚い服ではなく出来るだけ薄手の服で採型を行う事になります。
私も思春期の患者さんの立場で考えた時、鎖骨の下あたりから身体全体を採型する必要がある場合、男性義肢装具士よりも同性の女性義肢装具士にお願いしたいと思います。
実際に、私が神戸医療の教員になる前に働いていた時はよく、
「女性の方で良かったです」
と、患者さんのお母様に言われた事が心に残っています。
必要とされつつも、まだまだ数の少ない女性義肢装具士。
これから、もっと増えて行けば良いなと思います。