神戸医療福祉専門学校三田校では、福祉用具の授業で「誰もが便利に使える福祉用具を自分で考え、製作する」という実習を行っています。そして、その成果を検証するために、毎年、三重県で開催される「みえ福祉用具アイデアコンクール」に応募しています。
300作品以上の応募があった「第19回みえ福祉用具アイデアコンクール2024」では、受賞した7作品中なんと5作品が神戸医療福祉専門学校三田校 義肢装具士科4年制の学生作品でした!

今回は見事受賞した学生作品を紹介します。

☆最優秀賞「ORUSTRAND・CLUTCH」土井 悠翔さん

ラグビーで大学を目指している最中、ケガをしてしまい断念した土井さん。その時お世話になった理学療法士の方に義肢装具士をすすめていただいたことがきっかけです。“ものづくりを通して人の役に立つ”義肢装具士はとてもやりがいのある職業だと感じ、自分も目指すようになりました。今回の作品は、実習で廃棄となる予定だった素材を集めて製作しました。

この作品の特長は、シンプルな操作でクラッチ杖を曲げることができ、ユーザーがより便利に日常生活を送ることができるように設計されている点です。
☆優秀賞「スベランカー」矢野 順彦さん

入学時40代、社会人経験を経て入学した矢野さん。

今回製作した作品と似たような福祉用具は既にありますが、多くはお皿とセットになっています。

今回のポイントは「自分のお気に入りのお皿で食事ができるように工夫した」という点です。
☆三重県作業療法士会賞「CANNEIL」篠川 優さん

小学生の頃から“ものづくり”が好きだった篠川さん。自身が義肢装具士に装具を作っていただいた経験から、自分も義肢装具士を目指すことにしました。

今回のアイデアは、自分もネイルが好きで、片麻痺の女性がネイルの手入れに困っているというブログを見て思いついたとのこと。

この作品は、つまみ動作が難しい方でも反対側の手にネイルを塗ることができるように設計されています。つまみ動作ができなくても、健康な側の手にネイルを塗ることができます。
☆三重テレビ放送賞「おとめさん」山本 裕子さん

入学時30代、社会人経験を経て入学した山本さん。

女性にとって髪の毛を整えることは日々のルーティーンです。長い髪を束ねるのも、子どもの頃は親がしてくれますが、大人になるとそうもいきません。片麻痺だと手入れができないため髪の毛を切ってしまう方がいると知り、片麻痺でも長い髪の毛を結べる福祉用具があればと思い、製作しました。

顔を洗う時や食事の時、うつむくと落ちてくる長い髪を片手で簡単に留められるのがポイントです。
☆伊勢新聞社賞「ラベルくん」牧主 敦孝さん

もともと“ものづくり”が好きな牧主さん。義肢装具士を目指そうと思ったのは、ロンドンパラリンピックの陸上競技を見て、スポーツ義足に興味を持ったことがきっかけです。看護師であるお母様から色々な話を聞き、義肢装具士という職業を知り、自分も目指そうと思いました。

つまみ動作ができない方でも、先端がラバーになっており、ストレスなくラベルを剥がせるのがポイントです。使わない時は冷蔵庫に貼り付けられる、調味料チューブの栓にも使えるなど、活躍する場面が多いのも特長です。

みなさん、受賞おめでとうございます!これからも様々なアイデアで誰もが快適に生活できる福祉用具を発明してくださいね☆