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【鍼灸科】鍼灸師が解説!! 身近な症状についてシリーズ⑦「便秘の治療」

鍼灸科

2020.2.16

こんにちは!鍼灸科教員の阪本尚美です。

今回の鍼灸師が解説!! 身近な症状についてシリーズは
『鍼灸による便秘の治療』のお話をさせて頂きます★

これまで様々な症状を鍼灸で診てきましたが便秘がお悩みの方は少なくないです。便秘は若い人から高齢の方まで幅広い年齢でみられます。2016年の厚生労働省の調査では、女性は10代後半からみられ男性の約2倍の有訴率になりますが、60代から男性も多くなり徐々に性差はなくなります。日本は超高齢社会ですので便秘人口はこれからも増加傾向にあります。

便秘のこと
便秘とは、本来出すべき便を十分かつ快適に出し切れない状態です。毎日出ないと便秘と考えている方も多いかと思いますが、何日出なかったらという明確な定義はありません。但し、3~4日以上排便がなかったり、腹痛や膨満感、残便感などの不快な症状がある状態は問題です。

便のこと
便とは口から入った食物は内臓で体に必要な栄養や水分を消化・吸収し、残った食べカス・腸内細菌・腸璧から剥がれ落ちた粘膜が排泄されたものです。 便の約80%が水分ですので、バナナ便のように1本するっと出るのが健康的ですが、ころころしたウサギの糞のような時やカチカチ便は水分量の違いで体積(大きさ)や硬さが変わります。便の材料である食べカスなどの量に変化はありませんが、大腸は水分を吸収する働きがあるので長時間便が残っていると硬くなってしまいます。また、腸内で便の腐敗が進み悪玉菌が増え、アンモニアや硫化水素などの有害物質が発生し、それが原因で肌荒れなどの様々な不調につながるといわれています。

便秘のツボ
東洋医学では様々な便秘のタイプがありますが、今回は以下のものを紹介します。 それぞれのタイプに、要因と特徴とツボがあります。

 

タイプ1.熱秘
体質的に胃腸に熱がこもりやすい、お酒の飲みすぎ、辛いもの・味の濃いものの食べすぎが原因の場合。
特徴:腹脹や腹痛があり少しでも排泄できるとおさまる、便器に便が付きやすい、排便時肛門に熱を感じる、尿の色が濃い、舌苔が黄色い、身体に熱がこもりやすい【豊隆】膝関節と外くるぶしの真ん中で、スネから親指1本外側

足

タイプ2.気秘
ストレスや同じ姿勢(特に座位)で長時間過ごす事が多くあまり動かない事で起こる場合。
特徴:げっぷが出やすい、脇腹が張って痛い、便意はあるが出ない、口が苦い
【合谷】手の親指と人差し指の骨の間

足2

タイプ3.虚秘
病後や産後、年齢によって体力があまりなく、腸を動かすエネルギー不足や潤い不足の場合。
特徴:(気虚)便意はあるが出ない、便は硬かったり排便時に軟らかかったり、息切れ・発汗、排便後に疲労感がある、顔色が白い、倦怠感を感じやすい、脱肛がある (血虚)長期間の便秘、便は硬くころころした兎糞状、顔色に艶がない、めまいがある、唇や爪の色の赤みが薄い
【大巨】臍から指3本下へ、そこから指3本外へ

足3
その他に天枢、上巨虚、足三里など

いかがでしたでしょうか? この記事が皆さんの健康を支える記事として参考になっていれば幸いです。
ではまたの機会にお会いしましょう!

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神戸医療福祉専門学校中央校 鍼灸科教員 坂本 尚美

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