
皆さんは「3Dプリンター」というものをご存じでしょうか。
3Dプリンターとは、作りたいと思っているものを立体的に出力することができるプリンター、と思っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、実際どのような仕組みで作られているのか、何を作ることができるのかをあまり知らない人もいると思います。
そこで、今回は3Dプリンターとはなんなのか、何を作ることができるのか、そして3Dプリンターにはどのような可能性が秘められているのかをお話ししていきたいと思います。
3Dプリンターとは?
まず、3Dプリンターとはそもそも何なのかを見ていきましょう。
3Dプリンターとは、立体造形物をプリント(作成)するプリンターで、薄い輪切りのものをどんどん重ねていき、立体にプリントしていくという仕組みとなっています。
そのため、物体であればどのような形状も造形することができます。
従来の2Dプリンターの「縦」と「横」に加え、「高さ」も加わったものとお伝えするとイメージしていただきやすいと思います。
2Dプリンターはインクで印刷していくことに対し、3Dプリンターは基本的に樹脂(プラスチック)を使って作成します。
さらに、工業用の3Dプリンターはさらにチタンなどの金属やゴム素材でも作成することができるため、さらにさまざまなものを作ることができます。
そして、3Dプリンターは造形方法が10種類以上あります。
今日の家庭用の3Dプリンターで主流となっているものは熱でプラスチック樹脂繊維を溶かし、一層ずつ積層して固めていきながら印刷する「熱溶解積層法(FDM)」です。
さらに、熱溶解積層法(FDM)に加え、レーザー光線を照射し、粉末状の材料を焼き固めていく「レーザー焼結法(SLS法)」のタイプも増えてきています。
レーザー焼結法(SLS法)は熱溶解積層法(FDM)より複雑な造形や金属素材での造形が可能の3Dプリンターです。
では、3Dプリンターが何なのかがお分かりいただいたところで、次に3Dプリンターでどのように作るのかを見ていきましょう。
今回は一般家庭用の3Dプリンターの使い方を例にお話ししていきます。
3Dプリンターはどうやって作るの?
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- データを取り込む
- まずはプリントしたい造形物の3Dデータを取り込んでいきます。
3Dデータを取り込むためには、造形物の3Dデータを用意する都合があります。
3Dデータは自分で作るには、知識と高度な技術が必要になるため、まずは無料の3Dデータをダウンロードすることがおすすめです。
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- スライサーでデータを変換していく
- 次はスライサーでデータを変換していきます。
用意した3Dデータを変換ソフトの「スライスソフト」、もしくは「スライサー」を使ってデータ形式を変換していきます。
データを変換するときにはフィラメントを溶かす温度や精度・厚さなどのほかに、細かな設定をスライサーに行なっていくことで、解像度を上げて精密なものを作ることができます。
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- プリントしていく
- 次はプリントしていく作業です。
取り込んで、スライサーで変換したデータをプリントしていきますが、プリントをする前にそれぞれの3Dプリンターの説明や注意事項を確認しましょう。
各商品によって、プリンターの使い方が異なるので、トラブルが起きないためにも確認を終えたらプリントを行っていきます。
プリントを開始すればあとは3Dプリンターがすべて行うので、終わるまで気長に待つのみです。
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- 完成
- 最後は完成して細かい作業を行うことです。
プリントが完了すると、3Dプリンターは自動停止するので、完全に停止したら、3Dプリンターでプリントしした造形物をゆっくり取り出していきます。
プリントした造形物によっては、研磨や塗装などを行うと、より完成度が高い造形物を作ることができます。
以上の工程を行なっていくことで、3Dプリンターで造形物をプリントしていくことが可能です。
では、次に3Dプリンターで何を作ることができるのか、お話しします。
3Dプリンターで作れるものとは何?
3Dプリンターで作ることができるものには何があるのでしょうか。
一つ一つ見ていきましょう。
アクセサリー・ホビー類
まずはアクセサリー・ホビー類です。
アクセサリーはシンプルな花や動物や、複雑な模様といったものまで作ることができます。
そのため、オリジナルデザインのアクセサリーだけではなく、最近ではスマホケースなども3Dプリンターを作り出せます。
そしてホビー類もまた、気に入ったキャラクターのフィギュアを作ることができます。
ほかにもパズルやブロックなどのおもちゃも作ることができるので、自分だけのオリジナルデザインを生み出せます。
日用品
次は日用品です。
日用品自体も作ることはもちろん可能ですが、家具などの部品さえ直せばまだ使うことができる日用品の部品も可能です。
該当の部品の3Dデータを用意さえできれば、3Dプリンターで壊れた部品をそのまま作り直し、再度使うこともできます。
一般家庭用3Dプリンターの中でも、材料を選ぶことができるタイプであれば、もとからあった素材より強い部品を作り出すといったいこともできるため、もっとも3Dプリンターを生かすことができる一例でしょう。
以上が3Dプリンターで作れるものの一例です。
一般家庭でも活躍が期待できる3Dプリンターですが、一般家庭よりもさらに可能性をもっとも秘めている場が医療分野です。
しかし、医療分野といってもどのような場面で使われるのか、あまり思い浮かばないという人もいるのではないでしょうか。
そこで次は、医療分野ではどのような活用例が期待されているのかをお話ししていきたいと思います。
医療分野で期待される活用例
医療分野で期待されている3Dプリンターの活用例はさまざまなものがあります。
その中でもまず挙げられる活用例が「義足」です。
義足はさまざまな要因で足を失った人が足の代わりにつける人口の足です。
しかし、義足は値段が高くなかなか手を出せないという人も多いという現状です。
そこで、3Dプリンターで義足を作っていくことで、通常の義足よりコストを下げながら、義足を提供することが可能となります。
さらに3Dプリンターなら、その人に合う義足を作りやすいので、より多くの人々に行き渡りやすくなると期待されています。
そして、活用例とて期待されるものが医療用モデルです。
研修時をはじめ、患者や家族に説明をするために脳や肝臓、骨などを3Dプリンターで作るという例があります。
CT画像などから、3Dプリンターで患部を作り、手術法や腫瘍の取り出し方を患者に説明することも可能です。
以上が医療分野で期待されている活用例です。
現在は実証実験を行っている段階ですが、近い将来には3Dプリンターは医療分野でも活用されるときが訪れるでしょう。
まとめ
3Dプリンターをテーマにさまざまなことをお話ししていきましたが、いかがだったでしょうか。
どのような仕組みで作られているのか、何が作ることができるのか、そしてどのような活用例が期待されているのかが見えてきたと思います。
気になった人は生活の中に3Dプリンターを取り入れてみてはいかがでしょうか。
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