こんにちは!神戸医療福祉専門学校三田校 作業療法士科教員の田村です。
今回、作業療法士科3年生の授業にて、記憶に関する検査である「レイ・オステライト複雑図形」と「ベントン視覚記銘検査」を体験しました。
① 作業療法士はなぜ記憶の検査を行うのか
作業療法士は、患者さんの「生活のしづらさ」の原因を明らかにするために、さまざまな評価を行います。その中でも「記憶」は、日常生活に大きく関わる重要な機能のひとつです。
例えば、
- 約束を覚えていられるか
- 手順を順番通りに実行できるか
- 見たものを正しく覚えて再現できるか
といった力は、日常生活の自立に直結します。
そのため、脳の病気やけがをされた方に対して、どのような記憶の特徴や課題があるのかを把握するために、記憶の検査が活用されています。
② 検査の説明
レイ・オステライト複雑図形

この複雑な絵を、
①書き写す ②書き写した直後に何も見ずに書く ③3分後もう一度書く
という記憶を頼りに再度描く検査です。
記憶だけでなく、図形の捉え方や構成力、計画性なども評価することができます。
ベントン視知覚記銘検査

画像のような図形が書かれた10枚の紙を、ある規則(10秒見せてから何も見ずに書くなど)で提示し、その後記憶をもとに再現する検査です。
視覚的な記憶力や視知覚、空間認識能力などを評価します。
どちらの検査も、単純に「覚える力」だけではなく、どのように情報を捉え、整理し、再現するかという過程が重要になります。
③ 学生の反応
実際に体験した学生からは、率直な声が多く聞かれました。
「え、なんやった」
「だめ、忘れた」
「図形どんなんだったかな」



思っていた以上に難しく、見た直後であっても正確に再現することの難しさを実感している様子でした。
また、自分では覚えているつもりでも細部が抜けていたり、形が変わってしまったりするなど、記憶のあいまいさにも気づく機会となりました。
④ まとめ
今回の体験を通して、学生たちは「記憶の検査の難しさ」と「評価の重要性」を実感することができました。
これらの検査は、健常者であっても間違いが起こることが少なくありません。
そのため、実際の患者さんにとっては、より大きな困難を伴う可能性があります。
作業療法士は、その方の「できていること」と「難しいこと」を丁寧に評価し、生活につながる支援を考えていく専門職です。今回の学びを、今後の臨床実習や将来の現場で活かしていくことが期待されます。