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【社会福祉士の相談援助】ご夫婦の最期を支えた福祉現場の温かな物語

中央校/社会福祉士科/精神保健福祉士科

公開日:2026.6.29

更新日:2026.6.30

皆さん、こんにちは。社会福祉士科教員の由良和也です。

社会福祉士を目指す方にとって、実際の現場で求められる「相談援助」の力とは、一体どのようなものなのでしょうか。

私たちの一般養成施設には、多様なライフステージで人生経験を積んでこられた方々が集まり、日々アットホームな環境で学ばれています。

「家族のケア経験を活かして、新しい一歩を踏み出したい」
「誰かの人生に寄り添う資格を持って、長く働きたい」

そんな温かい想いを胸に、お互いを尊重し合いながらステップアップを目指す仲間がたくさんいます。

今回は、私がかつて介護老人福祉施設で働いていた頃に出会った、Bさんご夫妻との大切なエピソードをお話しします。

介護老人福祉施設でのイメージ

◆ 激しい不穏の裏にあった、ご主人の「深い覚悟」

Bさんは、当時84歳の女性でした。

重度の認知症があり、他の入所者様とのトラブルが絶えず、これまでいくつかの施設を転々とされてきた方でした。

初めてお会いした入所面接の場でも、その様子は変わりません。

私の顔を見るなり、
「あんた誰や‼️」
「私をどうするつもりや‼️」
と、激しい不穏な言動が続いたのです。

正直なところ、支援者として「本当に私たちの施設でお受けしていいのだろうか」という葛藤が頭をよぎりました。

そんなBさんの横で、終始静かに同席されていたのが、90歳になるご主人でした。

ご主人は、Bさんの荒れる様子を申し訳なさそうに見つめながら、ぽつりとこう話してくださったのです。

「こいつは昔から、民生委員をしててな。町内のこと、率先してずっとやってきたんや。せやから、ちょっと気が強いところがあるんですわ」

「……でもな、ほんまは寂しがりやなんです。こいつを、ワシがちゃんと看取ってやらなあかんねん」

その言葉を聞いた瞬間、Bさんの激しい言葉の奥にある「これまでに一生懸命歩んでこられた人生」と、ご主人の妻を想う深い覚悟が、私の胸に痛いほど迫ってきました。

◆ 「短気な人」から「役割を持って生きてきた人」へのリフレーミング

入所後も、最初はやはりトラブルがありました。

しかし、私はご主人の言葉を胸に、介護スタッフたちにBさんのこれまでの輝かしい「生活史」を丁寧に伝え、何度もケア会議を重ねました。

Bさんは、ただ「短気ですぐ怒る人」なのではありません。

「常に役割を持ち、人の役に立つことで輝いてきた人」なのだ――。

そうやって「当事者視点」に立ち、本質を捉え直した(リフレーミングした)ことで、スタッフたちの関わり方は少しずつ、しかし劇的に変わっていきました。

すると、変化はBさんにも現れました。

配膳を手伝ってくださったり、お皿洗いをしてくださったり、フロアに掃除機をかけてくださったり。

いつの間にか施設にとって「なくてはならない、頼りになる存在」になっていかれたのです。

ご自身の誇りを取り戻された瞬間でした。

ご主人も、毎日午前11時になると原付バイクで施設に駆けつけられました。

Bさんと夫婦水入らずでお昼ご飯を召し上がるのが、毎日の日課です。

二人並んで笑顔で食事をされる姿は、本当に穏やかで、仲睦まじいご夫婦そのものでした。

◆ 旅立ちの日に届いた感謝と、温かな見送りの時間

そんな穏やかな日々が、約4年続きました。

Bさんは、ご主人や息子さん、そして多くのスタッフに見守られながら、穏やかに天命を全全うされました。

お葬式の日。
出棺の際、ご主人が私たち職員に向かって、静かに手招きをされました。

「何だろう?」と思い近づくと、ご主人は涙を浮かべながら、こうおっしゃってくださったのです。

「お花を入れてあげてください。本当にありがとうございました。夫婦の最後の思い出ができました」

その場には、施設スタッフやご家族だけでなく、かつてBさんが支えてこられた町内の方々もたくさん集まり、名残惜しそうに見送られていました。

Bさんは本当に、これまでの人生で多くの人たちの支えになってきた、温かい人だったのだと改めて深く実感しました。

◆ あなたの人生経験はすべて、社会福祉士の相談援助における「最高の強み」になります

社会福祉士の仕事は、決して目立つ華やかな仕事ではありません。

しかし、目の前の方の人生や生活史を深く理解し、ご本人を想うご家族や地域社会、支援の現場をつなぐ、かけがえのない役割を持っています。

「その人らしい最期」まで、そっと支え抜く仕事です。

Bさんご夫妻が過ごされたあの穏やかな4年間は、社会福祉士という仕事の「本当の価値」を、私に改めて教えてくれました。

「誰かの支えになりたい」「誰かの人生に寄り添いたい」

そんな想いを抱くあなたへ。

これまであなたが歩んできた人生経験や、ご家族のケア、お仕事での対人関係の経験は、すべて社会福祉士としての「最高の強み」になります。

社会福祉士の「相談援助」が求められる舞台は、高齢者福祉だけではありません

病院(医療機関)で患者様やご家族の不安に寄り添う医療ソーシャルワーカー(MSW)や、学校、児童相談所、行政機関など、あなたがこれまで歩んできた人生経験を活かせるフィールドが、社会のあらゆる場所に広がっています。

私たちの学校では、仕事や家庭、プライベートの時間と両立しながら、無理なく資格取得を目指せる環境を整えています。

入学資格(大学卒業や実務経験など)の確認や、これからのキャリアについて、ぜひ一緒に考えてみませんか?

まずは一歩、私たちの温かい学びの場を覗きに来てください。

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