こんにちは。
精神保健福祉士科の教員、高原です。
心の専門職である「精神保健福祉士」の仕事には、
言葉では言い尽くせないほどの深いやりがいがあります。
精神保健福祉士は、障害のある方やそのご家族が、
自分らしく生活していくための支援を行う専門職です。
活躍の場は精神科病院だけではなく、地域のさまざまな福祉サービスにも広がっています。
その一つが、「就労継続支援B型施設」です。
ここは、一般就労が難しい方でも、それぞれのペースで働く練習をしてステップアップを目指す場所です。日中の居場所としての役割も担いながら、社会とのつながりを大切にしています🤝
今回は、そんな現場で出会った、ある利用者さんとご家族との出来事をご紹介します。✨
◆「今日は何をすればいいですか?」
作業室に入ってくると、少し不安そうな表情でこう尋ねられます。
「今日は…何をすればいいですか?」
この方(50代・男性)は、高次脳機能障害があり、記憶や注意力に困難を抱えていました。
新しいことを覚えることが難しく、作業の途中でも手順を忘れてしまうことがあります。そのため、同じ確認を何度も繰り返す日々でした。
◆不安にさせない関わりと精神保健福祉士の視点
精神保健福祉士として職業指導に関わる中で、私たちが大切にしていたことがあります。
それは、「何度でも初めてのように伝える」こと。
「さっきも説明しましたよ」
「前にもやりましたよね」
そういった言葉は使いません。
毎回、初めて一緒に取り組むかのように、
「今日はこの作業を一緒にやってみましょうか」と声をかけます💬
作業でミスがあっても、責めたり反省を促したりするのではなく、
「次はこうしてみましょう」
とその場で一緒に整えていく。
障害の特性により、記憶に齟齬が生じたり、不安や混乱から感情が揺れることもありましたが、ご本人が混乱せずに安心できる関わりを積み重ねることで、少しずつ落ち着いて取り組める時間が増えていきました⏳
◆ご家族の支え
ご本人は奥様と二人暮らし。
奥様はお仕事と両立しながら、日々ご主人を支えておられました。脳機能や生活能力などの低下を心配し、地域の活動に通えるように工夫をされておられました。
バス停まで見送り、乗車を確認した後、自転車で後を追い、目的地に無事到着するまで見届けることもあったそうです🚲
◆チームで支える支援へ
精神保健福祉士の役割は、目の前の支援だけにとどまりません。
ご本人とご家族の生活全体を見つめ、必要な支援をつなぐことも大切な仕事です。
奥様と話を重ねる中で、「一人で抱え続けている負担」を共有し、相談支援専門員と連携しながら障害福祉サービスの見直しを行いました。
そして、
・移動支援の利用
・日中活動の充実
・地域の資源の活用
少しずつ支援の幅を広げていくことで、生活全体が整っていきました✨
◆見えてきた変化
ある日、奥様がこう話してくださいました。
「家でほとんど何も話さなかった主人が、最近はよく話すようになったんです」
「表情も明るくなってきました」😊
「私自身も、サービスを利用できて本当に助かっています」
「皆さんには感謝しかありません」
そう言って見せてくださった笑顔は、以前よりもずっと穏やかなものでした🕊️
◆「ここに来るのが楽しみ」
ご本人も、今では毎日笑顔で通所されています。
作業に取り組む中で、自然と笑顔がこぼれ、周囲との会話も増えていきました。
安心できる場所があることで、人は少しずつ変わっていく。
その変化は、とても穏やかで、でも確かなものでした🌟
◆この仕事だからこそ実感できる「精神保健福祉士のやりがい」
精神保健福祉士の仕事は、目に見える成果ばかりではありません。
しかし、
・ご本人の表情が柔らいだ瞬間
・ご家族の負担が軽くなったと感じられたとき
・「ありがとう」と言ってもらえたひとこと🌸
そうした一つひとつが、大きな意味を持ちます。
奥様の笑顔と、「感謝しかありません」という言葉。
そして、毎日笑顔で通所されるご本人の姿。
その両方を目の前で感じられたとき、「この仕事をしていてよかった」と、心から思えました✨